修道女フィデルマの叡智 修道女フィデルマ短編集 (創元推理文庫)

  • 東京創元社
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感想 : 40
  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488218119

感想・レビュー・書評

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  • 古代アイルランドの王国の王女にして、上級裁判官兼弁護士「キルデアのフィデルマ」の名推理を描く短編集。古代アイルランドの風俗を背景としながら、発生する驚愕事件をフィデルマが見事に解決していくのが楽しい。
    主役のフィデルマは、上から目線の知的な美人という人物設定で(笑)、最初は少しとっつきにくかったのであるが、わっさわっさと奇妙な事件を速攻解決していくので、逆に頼もしさを感じました。(笑)物語の進展も、奇妙な謎の提示→論理立てた回答という流れで、特に奇をてらった解決でもないのであっさり感もあるのだが、短編集ということでこれはこれで良いと思いました。
    自分として良かったのは、旅路の旅館で遭遇する幽霊話の「旅籠の幽霊」と、封印されているはずの大王古墳の中から声が聞こえ・・・の「大王廟の悲鳴」のエピソードで、どちらも謎の不思議性と明快な推理が魅力的だ。
    テレビドラマ向けのミステリーのようにも思える。ドラマ化して日本放送してくれないかな。

  • タイトルにひかれて、初めて手にした作品でしたが、とても楽しめました。海外の作品は、翻訳との相性もあると思うのですが、この作品の場合、とてもヒロインの雰囲気にあった文章で、読みやすく思いました。
    フィデルマ修道女は、肩書きも実績もある美人だけど、いわゆる頭でっかちのようにも思われ、自身の情緒面には不器用な可愛い女性なのかもしれないな、という印象を受けました。他の短編集ももちろん、長編もぜひ読んでみたいです。

  • 【収録作品】聖餐式の毒杯 The Poisoned Chalice/ホロフェルネスの幕舎 At the Tent of Holofernes/旅籠の幽霊 Our Lady of Death/大王の剣 The High King's Sword/大王廟の悲鳴 A Scream from the Sepulchre 
     世界史の知識があれば、もっと楽しめるのかもしれない。

  • フィデルマはアイルランドのキャシェルの先王の王女であり、上位弁護士の肩書をもった美貌の修道女。彼女の行くところに事件あり、な短編集。

    巡礼の地、ローマの小さな教会で起きた毒殺
    フィデルマの幼なじみにかけられた夫、子殺しの嫌疑
    吹雪の中、逃げ込んだ山荘に出る亡霊
    大王即位に必要な宝剣の盗難事件
    千五百年前の王の墳墓から見つかった死体

    淡々と事件を解決するフィデルマがカッコイイ!
    事件解決後の一言がじんわりした後味だったり。
    まずは短編で様子をみて、と手に取ったけど、長編も読みたくなる。
    中世アイルランドの政治、キリスト教のせめぎ合いが絡むのでそういう意味でも面白かった。

  • 長編の一作目を先に読んだので、エイダルフとのコンビじゃないのか……としょんぼりしつつ読み始めたのだけど、短編はむしろフィデルマの解決の鮮やかさが際立っていて大変面白かったのでした、すみませんでしたフィデルマ。「聖餐式の毒杯」と「ホロフェルネスの幕舎」が特に良かったな。

  • 弁護士で裁判官の資格も持つ美貌の修道女(しかもアイルランドの一地方の王様の娘)。そんな超人設定でも舞台が7世紀だと納得できてしまいます。
    キリスト教に関することや、言葉の意味などがしっかり解説されているので、馴染みのない舞台でも読みにくさは全くありません。「へー、そうなんだー」程度の理解ができれば話そのものはなんの問題もなく読むことができますし、適度に興味もひかれます。現実的で行動力に富み、情に流され過ぎることのないフィデルマの推理。時には辛い真実に向き合わなければいけないけれど、そこでぶれることがないのは修道女の精神力の強さのせいでしょうか。公平でいられるはずの読み手がついしてしまっている思い込みや深読みの裏をかかれることも多く、登場人物に対して容赦のない展開になることもあるのが潔いくらいです。現実の厳しさを試練とし、受け入れていく姿勢はそれこそ宗教に通じるような。
    話と関係のないところで、本を入れて壁にかけておくという鞄がとても気になります。インテリアにもなりそうで自分の部屋でもやってみたい。かけておく壁がないですけど。

  • 短編集。フィデルマのシリーズの中でも割とエモーショナルな事件が多い印象。ちょいちょい引き合いに出る大王の宝剣の事件もこれに掲載。
    絶対解決するってわかってても、面白いのはやっぱり物語のうまさかしら。
    説明っぽくないのに、時代背景や当時の法律などがするりと入ってくるのが毎回すごいなーと思うのです。

  • 王女で弁護士で裁判官で修道女でしかも美人、というハイスペック極まる女探偵が活躍する中世ミステリ。

    ハイスペック設定だけ見ると、富豪刑事(筒井康隆)を思い出しました( ^ω^ )
    財産を湯水のように使って犯人逮捕の罠を張る神戸大介も良かったですが(笑)、今作のように教会の権威や王族を前に堂々と渡り合うタイプの探偵も良いですよね〜( ^ω^ )私はこれこれこうする権限を持ってるのよ!と事件現場に颯爽と登場する修道女の姿は読んでいて小気味良いです\(^o^)/

    ただ、謎解きに関しては論理性にやや欠けているような印象を受けました。牽強付会とまでは言いませんが、根拠が薄弱だったり発想の飛躍が目についたり…。そこを強引に思わせず軽やかにねじ伏せながら推理を披露するフィデルマの手腕、これに尽きるような気がします。

    提示される謎自体は非常に魅力的で読み応えがあるので、「読者が犯人当てを楽しんだり探偵の推理展開を楽しむ」と言うより、このフワフワしたミステリアスな世界観を楽しむ方が正解な作品です。多分←



    ◎聖餐式の毒杯…教会で聖体拝領の儀式が執り行われる中、最初に聖杯のワインに口をつけた青年が急死した。偶然その場に居合わせた美貌の修道女・フィデルマが解決に乗り出すが…。

    ◎ホロフェルネスの幕舎…夫と子供を殺した容疑で拘束された親友を救う為、捜査に奔走するフィデルマ。殺害動機や目撃証言など、状況証拠が圧倒的に不利な状況下、彼女は親友を救うことができるのか?

    ◎旅籠の幽霊…吹雪を避ける為、助けを求めた旅籠の主人夫婦は、奇妙な現象に悩まされていた。果たして幽霊の正体とは?

    ◎大王の剣…王位継承の正当な証として不可欠な剣が、即位式の前日に何者かに盗まれてしまう。

    ◎大王廟の悲鳴…悪名高い暴君が眠る墓から響いた断末魔の悲鳴。掘り起こした廟からは、つい先ほど絶命したばかりの男の死体が発見される。

  •  7世紀のアイルランドが舞台。著者は、歴史家としても著名とのことで、その世界を身近なもののように伝えてくれる。美貌の修道女という設定も魅力ですが、初期のキリスト教とアイルランドの古いしきたりとの軋轢を教えてくれるのも楽しみです。

  • 7世紀アイルランドの修道女兼弁護士のミステリ。
    正当防衛とはいえ、旅籠の幽霊にはびっくり…。
    この時代の弁護士や教会の制度は馴染みがないので、なかなか興味深かったです。

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