獅子の怒り (創元推理文庫 226-1)

  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (277ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488226015

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  • 本作はハリー・パタースン名義による1964年発表作。
    英国情報部所属の工作員を主人公とし、ストレートなスパイ活劇を展開する。ヒギンズのヒーローといえば、ドロップアウトした陰影のあるアウトローの印象が強いが、本作は当時人気を博していたイアン・フレミング/ジェイムズ・ボンドシリーズの影響が色濃く、作家として売れることを優先していた若きヒギンズの意欲を感じる。といっても007のような荒唐無稽さはなく、主要な登場人物のバックボーンは掘り下げられており、時代背景も手を抜くことなくしっかりとプロットに生かしている。
    長らくフランスの植民地だったアルジェリア独立。その後の不穏な世界情勢を背景に、フォーサイス「ジャッカルの日」にも登場する極右軍事組織OASの暗躍に立ち向かう英国情報部員の活躍をド派手に演出。真っ当なヒーロー小説として、ストーリーはスピード感に満ち、起伏に富む。あとにヒギンズが好んで描く原型が良い形で固まっている。強大な権力で謀略をめぐらす孤島の大ボス。揺るぎない闘志を燃やす主人公と、それを影で支える準主役級のタフな相棒。かりそめの出会いの中で一瞬にして燃え上がる男女のロマンス。そして、臨場感豊かなアクションと、味わい深いセンチメンタリズム。
    ヒギンズを読む幸せは、本作でも充分に噛み締めることができるだろう。

  • ハリー・パタースン名義で発表。フランスとその植民地であるアルジェリアの独立問題を題材に、英仏の間にあるチャネル諸島のある島を舞台に英仏情報機関とOASの戦いを描く。

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