ロンドン・アイの謎 (創元推理文庫)

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  • 東京創元社 (2025年4月10日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (304ページ) / ISBN・EAN: 9784488231057

作品紹介・あらすじ

プロットはシンプルだけどすべてが見事な伏線。――青崎有吾
貴方が最初に手に取る翻訳ミステリにしてほしい。――阿津川辰海
人物造形の奥深さと、本格的なミステリとしての
ロジカルなおもしろさの両方を兼ね具えた作品。――越前敏弥(訳者あとがきより)
ミステリ作家としての著者のセンスの良さに舌を巻くしかない。――千街晶之(解説より)

密室状況の観覧車から、
少年はどのようにして消えたのか?
絶賛の声多数、年間ベスト続々ランクインの傑作

巨大観覧車ロンドン・アイに乗りこんだ少年。しかし、一周して降りてきたカプセルに、彼の姿はなかった。空に浮かぶ閉ざされた場所から、なぜ、どのようにして消えたのか? 少年のいとこであり、「ほかの人とはちがう」頭脳をもつテッドは、この謎について九つの仮説を立て、推理を始める──。張りめぐらされた伏線と端正な謎解き。カーネギー賞受賞作家が贈る傑作ミステリ! 訳者あとがき=越前敏弥/解説=千街晶之

感想・レビュー・書評

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  • レビューを拝読し、気になっていた作家さん。
    SNSで文庫化の告知を見掛け、本書の発売を知り手に取った。帯がアツい!

    12歳の少年テッドが、大きな観覧車ロンドン・アイで行方不明になったいとこのサリムを探す物語。

    翻訳小説の割には登場人物が少なくて、とっても読みやすかった。
    主人公、テッドのユーモア溢れる語り口調がクセになる。
    数字についての拘りがとにかくすごくて、時折クスッと笑ってしまった。

    本書は児童向けミステリ。
    でも児童向けだと侮ることなかれ。
    真相にたどり着くための手がかりは分かりやすくあちこちに施されているし、なんなら正解も描かれているのに、私は全然分からなかった…!
    真相が分かってからのハラハラドキドキ、手に汗握る展開も楽しめた。

    テッドと共に事件を追うテッドの姉・カットとの絆がだんだん深まっていく様、事件を通してテッドが成長していく様もよかった。
    私もロンドン・アイに乗ってみたくなった。

    秋に続編も文庫化されるそうなので、そちらも楽しみ。

    ✎︎____________

    人とちがうなんていやだ。自分の頭のなかで生きるのなんか好きじゃない。ときどき、空っぽの大きな空間にひとりぼっちでいるような気分になるんだ。そこにはぼくのほかに何もない(p.46)

    すべてを消去して残ったものは、どんなにありえそうもないことであっても、まちがいなく真実だ。(p.133)

    子供が言うことに大人はしっかり耳を傾けなくてはいけない。(p.279)

  • ロンドンアイと呼ばれる巨大観覧車に乗ったいとこが消失(一周しても降りてこない)どこに消えたのかを主人公の二人が追う。

    子供が小学校高学年になったら読むかな?
    と思って単行本を買おう買おうと本屋に通ってたもののいつのまにか消えてしまい…

    文庫化でようやく入手、大人が読んでも面白い。
    複雑なものを読みすぎてきたので、ストーリーの線はシンプルな構造と感じるけれど、主人公と姉のコンビのキャラクターが良くて読んでしまう。

    ちゃんと仮説を用意して、一つずつ潰していく方法で推理するのだけどワープや自然発火による消失など突飛な案もいったん挙げるテッドの頭の柔らかさ(別の固さもあるけど)がいい。

    アストリッドとラファエルというドラマを見てるので、テッドを見てるとアストリッド(テッド同様障害を持つが高度な推理力を持つ)を思い出すし、解説文にアストリッドの名前が出てきた時は嬉しかった。 続編は絶対読む。

  • 人と違った考え方の少年テッドが主人公のミステリー小説。

    少年テッドの成長物語でもある。
    テッドと同じ12歳からでも読みやすい作品となっています。

    続編【グッゲンハイムの謎】にも期待!

  • ロンドン・アイの謎(読みもの・原作イギリス) – JBBY
    https://jbby.org/book/18962

    【今週はこれを読め! ミステリー編】こどもたちが不可能犯罪に挑む〜シヴォーン・ダウド『ロンドン・アイの謎』 - 杉江松恋|WEB本の雑誌 2022年8月18日
    https://www.webdoku.jp/newshz/sugie/2022/08/18/115218.html

    【第35回】コンシェルジュ河出の世界文学よこんにちは『ロンドン・アイの謎』シヴォーン・ダウド/東京創元社 | 蔦屋通信 | 梅田 蔦屋書店 | 蔦屋書店を中核とした生活提案型商業施設
    https://store.tsite.jp/umeda/blog/humanities/28267-1223210810.html

    『ロンドン・アイの謎』こぼれ話|越前敏弥 Toshiya Echizen(オフィス翻訳百景)2022年7月7日
    https://note.com/t_echizen/n/ne326b9f1d328

    ロンドン・アイの謎 - シヴォーン・ダウド/越前敏弥 訳|東京創元社
    https://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488231057
    (単行本)
    https://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488011161

  • 児童文学としても、ミステリー小説としても読み応え十分だった。少年名探偵テッド•スパークは、アスペルガー症候群だろうが、彼独自の世の中との関わり方や特性が読者にとてもわかりやすく伝わる。例によって、学校では、人間関係がうまく築けていないし、家庭でも、基本的には暖かく見守られているが、なかなか受け入れてもらえない部分もある。でも、そんなテッドだからこそ見えていることが、この事件の解決につながる。
    作者は生前、二作品しか発表していない。本当に惜しいことである。草稿をもとに没後に発表されたものも数冊あるらしいので、しばらくは、はまって読みそう。

  • 観覧車に乗って消えてしまった従兄弟の行方を探すテッド。
    テッドの愛すべきキャラクターが良い。
    見る角度によって見えるもの違うよね。思考の柔軟性、持ち続けたい。

  • 12歳のテッドはいとこのサリムの希望で姉のカットと共に3人で観覧車ロンドン・アイに乗りに行く!
    チケット売り場で並んでいると一人の見知らぬ男がチケットを一枚譲ってくれるという
    チケットはいとこのサリムが使うことになり、彼は他の乗客と共にロンドン・アイに乗り込んでいく!
    時速0.9キロ、約30分で一周するロンドン・アイ
    しかし30分を過ぎてもサリムが降りてこない…
    さらにもう1周してしまったのか?
    しばらく待ってもサリムは降りてこない
    サリムは一体どこに消えたのか?
    気象学の知識は専門家並みだけど、コミュニケーションが苦手な少年テッドは姉と共にサリムの消えた謎に挑む! 

    この作品、本が好きな子なら小学生の高学年から楽しめるのでは…
    事件の謎を解く鍵…それは「どう見るかによって違う」
    子どもならではの柔軟な見方と洞察力
    もちろんテッドはちゃんと筋道を立てて理論も組み立てていく
    おそらく彼は自閉症スペクトラムだと思われるが、この作品はそんな彼や姉の成長物語でもあり、家族の愛情物語でもあり、すばらしいミステリーでもある…
    まさかの謎からの謎〜なのだから…(笑)

    イギリスに行ったらまずロンドン・アイだ!
    と思いながら数年…
    ふとこのロンドン・アイのタイトルが目に入り読んでみたら、ハートフルなミステリーでした!
    残念なのは、著者がこの作品を発表したわずか2か月後、47歳で逝去されているということ…

    この作品はビスト最優秀児童図書賞(現・KPMGアイルランド児童図書賞)を受賞している

  • 本格ミステリど真ん中といった感じで読んでいて気持ちの良い作品でした
    テッドとカットのコンビネーション、事件を通して描かれる2人の成長も見どころです

  • 文庫化を待ってました。評判に違わず、いいですね。人物描写がしっかりしていて、特に主人公のテッドがいい。

  • 子どものときに読みたかった!
    自分に子どもはいないけれど、大人になった今読むと、テッドとカットのお母さんの気持ちになって、
    テッドとカットの活躍を素直に喜べない
    あとサリムに似た子の遺体を確認しに行ったお父さんの気持ち
    2人がプールに行くってなんて嘘ついた時もめちゃくちゃ心配しただろうなぁ
    でもサリム テッド カットたちがいろんなことを一生懸命に考えていることに切なくなっちゃう
    大人はわかってあげないと!です

    訳者さんのあとがきで知りましたが、
    作者さん、47歳で乳がんで亡くなってしまっているのね…( ; ; )

  • 登場人物も少なめで読みやすいお話。
    「ほかの人とはちがう」頭脳をもつ少年テッド。
    少しずつ真相に迫っていくなかでの、テッドの成長が微笑ましい。
    大人たちが、悲嘆に暮れ、周りに当たり、受け止めきれない結果をただ待ち続けるなか、姉カットと行動を起こすテッド。
    一番、俯瞰で考えられているのはテッドだった。
    次作「グッゲンハイムの謎」も楽しみ。

  • 自閉スペクトラム?の男の子が主人公。
    天気についてすごいこだわりがある。

    親戚の男の子の行方不明事件を解決する。
    たまに読んでてイライラするが、そのこだわりが事件の謎を解いていくのが良い。
    家族ももちろん支えてあげるけど、結局警察が主人公を信じてくれて話を聞いてくれたのが解決に繋がったのが、あるよな親身の身内より他人のほうが意見通る時と思った。
    子供は大人に守られているけど、振り回されてもいると感じた話だった。作者がお亡くなりになっているので、続編があまりなさそうなのが残念。

  • 阿津川辰海さんが、帯で貴方が一番最初に手に取る翻訳ミステリにして欲しいと書かれていたように、ティーンからでも楽しめる一冊だったと思います。

    殺人事件は起こりません(人が亡くなる描写はあるものの)

    失踪した従兄弟を兄弟で探し出す話なんですが、とても読みやすく、なんだか、あったかい物語でした。
    ティーンの方が。しかも姉がいる弟が読むと、あー!あるある!わかる!って共感がより出来るんじゃ無いな(笑)

  • ■普通に面白い
     ヤングアダルト向けの作品を得意とし、賞を取りまくっている作者による唯一の本格ミステリ、とのことだが、普通に面白い。
     文章は読みやすく、登場人物も少なく覚えやすく、キャラクターも立っており、状況もプロットも超シンプル。それでいてしっかりヒントや伏線がちりばめられ、無駄な描写もなく、1日で読めてしまう。
     こういう作品は普通に好み。

    ■古典
     現代作品であるにも関わらず、そのトリックは古典そのもの。「変装(して出てきた)」というのは、もはや古典のパターンであり、現代作品でもそれが踏襲されているのを見ると嬉しくなる。
     「超シンプルなプロット=観覧車に乗って消えた」というのは本作を読む前から情報として知っているため、何か全く思いつかないような解法なのか!?という事前の楽しみがあったが、そうでなかったのは残念でもあり、かといって古典の踏襲だから嬉しくもある。
     調査や証言によって、ちゃんと「2周以上したわけではない」「座席の下などに隠れていたわけではない」「実は最初から乗っていなかった、というのでもない」ということが示される。

  • -あらすじ-
    主人公テッドのいとこサリムがロンドンに訪問してくる。
    テッドと姉のカットはサリムと共にロンドンで有名な観覧車"ロンドンアイ"に訪れるのだが、そのロンドンアイに乗ったサリムがそのまま姿を消してしまう。
    密室の観覧車で何が起こったのか?
    この不可解な事件を、アスペルガー症候群(物語上表記はないが恐らく)を抱えるテッドがカットの協力の元、独自の視点と論理的思考により真相に迫る物語

    -感想-
    テッドの普通とは違う視点や思考が事件解決に導くのだが、普通ではないいわゆる変わり者ということが欠点ではなく、強みとして書いていることに作者のメッセージを感じる。
    姉のカットが時には怒ったりしながらも、普通ではない弟をなんだかんだ認めて受け入れる姿に姉弟って良いねと思える。
    家族も周りもテッドの良さを理解してくれるこの作品は多様性や生きづらさを感じる人への問いかけにも感じた。

  • 「ロンドン・アイの謎」を読み終えた。短時間でさっと読めて、満足感も高い良書だった。
    作者は本書の刊行後に亡くなっているため、ほかの作品を読むことが難しいのが残念だが、本書の物語を別の作家が書き継いだものがあるらしいので、そちらも読んでみたい。

    本書の最大の魅力はキャラクターにある。
    登場人物をむやみに増やさずに絞り、それぞれに異なる個性を与えている。
    とりわけ自閉症スペクトラムを抱える主人公の特性を、ラベルとして示すだけでなく思考様式まで描写しており、その点が見事だ。
    この描写がどれほど現実的かは分からないが、物語を読み進めるうえで十分な説得力があった。

    ミステリーとしての構成も丁寧で、謎解きの過程は読者を引き込む。
    トリック自体はそれほど目を見張るものではなかったという印象だが、主人公たちが一歩ずつ手がかりを追っていく筋立てが面白い。

    また、登場人物を別の視点から捉えたときに見える人間性も興味深い。世間から奇異の目で見られている人物が、主人公にとっては真摯に話を聞いてくれる存在であったりする。
    子どもであり障害も抱える主人公自身も、周囲から正当に評価されず苦労する場面があるため、視点が変われば印象も変わるという主題が物語全体に通奏低音のように流れているように感じた。

    総じて、手がかりを丁寧に示すミステリーとして好感が持て、キャラクターの行動や発言にも十分な説得力があった。全体的に無駄が少なく、文章運びが巧みな作家だと感じた。

  • ヤングアダルト向けジュブナイルミステリー
    約20年経って翻訳されたようだ

    背表紙と扉ページの両方にあらすじが書いてあるのが創元推理文庫の特徴だが、さらに、著者とは別の人が書いた序文もあった

    まあまあなネタバレと結構なヨイショぶりだが大丈夫か?どれどれ

    はい。面白い

    探偵役はサヴァン症候群で、社会性の一部は欠落しているが特定分野で才能を発揮
    珍しくはない人物造形といえるがその特徴がイギリス人のイメージに沿っているのが良い

    後半に登場するキーパーソンの人間関係にやや後出し感はあるものの、謎解きはフェア
    序文に触発されてアレを数えるだろうし

    その序文を書いた方が遺稿を続編として完成させたそうだ
    単行本は出ているようだが、創元推理文庫から出たら購入不可避です

  • 語り手が特殊な人物に焦点化していると、やはり面白い。
    子ども向けのようで、実にロジカルなのがとても魅力的。いいね!

  • 2025/04/15読了

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著者プロフィール

1960年、ロンドン生まれ。オックスフォード大学卒業後、国際ペンクラブに所属し、作家たちの人権擁護活動に長く携わった。2006年、A Swift Pure Cryで作家デビューし、ブランフォード・ボウズ賞とエリーシュ・ディロン賞を受賞した。2007年に『ロンドン・アイの謎』を発表したが、わずか2か月後の8月、乳癌のため47歳で逝去。この作品はビスト最優秀児童図書賞(現・KPMGアイルランド児童図書賞)を受賞した。死後に『ボグ・チャイルド』が発表され、2009年のカーネギー賞を受賞している。遺された構想をもとにパトリック・ネスが執筆した『怪物はささやく』も、2012年にカーネギー賞を受賞した。

「2022年 『グッゲンハイムの謎』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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