オータム・タイガー (創元推理文庫)

  • 東京創元社 (2016年1月21日発売)
4.00
  • (3)
  • (5)
  • (3)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 44
感想 : 6
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 (398ページ) / ISBN・EAN: 9784488237059

作品紹介・あらすじ

CIA退官を目前に控えたタリーは、その話を聞いた瞬間、耳を疑った。亡命を希望している東ドイツ諜報機関の大物が、自分を身柄を預ける際の要員に指名してきたというのだ。受け入れに赴いたパリで、その大物から示された古ぼけたライターが、あの第二次世界大戦末期の極秘作戦の記憶を呼び覚ます……。傑作『北壁の死闘』と並び称される第一級のスパイ小説! 解説=田口俊樹

みんなの感想まとめ

スパイ活動と過去の記憶が交錯する物語が展開され、平凡な主人公タリーが意外な冒険に巻き込まれる様子が描かれています。退官を控えた彼がパリで手にする古ぼけたライターは、第二次世界大戦末期の極秘作戦の記憶を...

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • イギリスの作家「ボブ・ラングレー」のスパイ小説『オータム・タイガー(原題:Autumn Tiger)』を読みました。

    「ボブ・ラングレー」作品は、10年近く前に読んだ『ランニング・フォックス秘密指令』依頼なので久しぶりですね… 「ディック・フランシス」、「コリン・デクスター」に続き、イギリス作家の作品です。

    -----story-------------
    CIA退官を目前に控えた「タリー」は、その話を聞いた瞬間、耳を疑った。
    亡命を希望している東ドイツ諜報機関の大物が、自分を身柄を預ける際の要員に指名してきたというのだ。
    受け入れに赴いたパリで、その大物から示された古ぼけたライターが、あの第二次世界大戦末期の極秘作戦の記憶を呼び覚ます……。
    傑作『北壁の死闘』と並び称される第一級のスパイ小説! 
    解説=「田口俊樹」
    -----------------------

    久しぶりのスパイ小説… そして、随分と久しぶりの「ボブ・ラングレー」作品、、、

    スパイ同士の巧妙な騙し合いと、どんでん返しのエンディング… 面白かったですねぇ。


    8日後に60歳の誕生日を控え、同日にアメリカ中央情報局(CIA)第三部門本部長を退官予定の「ジャック・A・タリー」が、いつものように登庁すると、対外工作調整部長の「チャールズ・シュルマン」と工作特別調査部長の「チャールズ・シュルマン」が部屋で待っていた… 「タリー」は二人から耳を疑うような依頼を受ける、、、

    東ドイツの諜報機関MfSで対外工作の長を務め、華々しい成果をあげた対西ドイツ作戦活動の幾つかを指揮した人物で、西側に顔写真のひとつすら残していない大物の「スタピウス」が亡命を希望しており、亡命する条件として「タリー」が出迎えることを条件としているというのだ。

    「タリー」は、第二次世界大戦の末期にアメリカ戦略事務局中尉として工作員をしていたが、それから30年以上が経っているうえに、「スタピウス」と接触した記憶もなかった… 「スタピウス」は、なぜそんな指名をしてきたのだろうか?

    「タリー」は、納得できないまま、「スタピウス」の受け入れに赴いたパリで、「スタピウス」からの指示であるものを示された… それは古ぼけたライターだった、、、

    ライターの隠しボタンの下に金に刻まれた「深い親しみを込めてJ・A・タリーへ。ワイオミング州エイヴリー住民一同。1943年4月」という文字列を確認した「タリー」は、忘れようと思っても忘れられなかった記憶を呼び覚ました… 第二次世界大戦末期、アメリカの工作員だった「タリー」に、「カール・ラデレヒト」というドイツ兵に扮して敵兵だらけの捕虜収容所に潜入し、<SSG300>という略語の意味を探りだせ―― という困難極まる秘密指令を受け、生死の境を彷徨う程の辛い経験を乗り越えていた。

    「タリー」は、<SSG300>の秘密を握っていると思われるドイツ軍諜報部員の「オベルスト・オットー・グレブナー大佐」に近付くために他のドイツ捕虜とともに大西洋を渡って、「グレブナー大佐」が収容されているルイジアナ州のカネセティーゴ捕虜収容所へと乗り込む… 「タリー」は、「グレブナー大佐」と知り合うことはできたものの、彼は他人に心を許さなかった、、、

    「タリー」は、ドイツ兵捕虜のボスとして収容所に君臨する「ヘルムート・シュトラーレ軍曹」への反抗、「シュトラーレ軍曹」との名誉を懸けた決闘等を利用して「グレブナー大佐」の信用を得た「タリー」は、「グレブナー大佐」等とともに収容所を脱走するメンバに加わわることに成功、、、
     
    しかし、その作戦に「タリー」が好意を寄せる民間人で音楽教師の「エッタ・リチャードソン」を巻き込むことになってしまう… 「タリー」は、「グレブナー大佐」から<SSG300>の秘密を探り出し、作戦を打ち砕くことはできるのか? 「タリー」と「エッタ」の恋の行方は? そして、「エッタ」を巻き込んだ脱走劇の結末は? ルイジアナの沼地の過酷な自然を舞台に物語は展開します。

    この第二次世界大戦末期のドイツ捕虜の脱走劇もハラハラドキドキして愉しめるのですが… それ以上に印象的なのは「スタピウス」の正体が判明する結末、、、

    驚きだけでなく、深い余韻の残る印象的な幕切れ… まさか、彼女とはね。



    以下、主な登場人物です。

    「ジャック・A・タリー」
     中央情報局(CIA)第三部門本部長。元戦略事務局(OSS)中尉

    「ルイーザ」
     ジャック・A・タリーの二度目の妻

    「チャールズ・シュルマン」
     中央情報局(CIA)対外工作調整部長

    「ティーデック」
     チャールズ・シュルマンの部下

    「ハリー・ギーチャード」
     中央情報局(CIA)工作特別調査部長

    「スタピウス」
     東独諜報機関MfSの大物

    「セオドア・ライザー大佐」
     戦略事務局

    「オベルスト・オットー・グレブナー大佐」
     ドイツ軍諜報部員

    「ヴィリ・シュトラウド」
     ドイツ兵捕虜

    「エッタ・リチャードソン」
     音楽教師

    「ウォルター・グラスキー大佐」
     カネセティーゴ収容所の所長

    「マイルズ・ワイズマン少佐」
     カネセティーゴ収容所の医師

    「ヘルムート・シュトラーレ軍曹」
     ドイツ兵捕虜のボス

    「シェラー」
     ヘルムート・シュトラーレ軍曹の取り巻き

    「アイケ」
     ヘルムート・シュトラーレ軍曹の取り巻き

    「ヴェークミュラー」
     ヘルムート・シュトラーレ軍曹の取り巻き

    「クルーガー」
     ヘルムート・シュトラーレ軍曹の取り巻き

    「フレイザー署長」
     ロムストーン警察署勤務

    「プライス警部」
     ニューオリンズ州警察勤務

  • ボブ・ラングレー作品の中で、私のNo.1がコレ。最後の大どんでん返しが素晴らしい♪ 『北壁の死闘』とともに、名作だと思われるが、なぜかボブ・ラングレーと言えば、賞を取った『北壁の死闘』に軍配が上がっていて悔しい思いをしていた。そんなところに、この本が「新版」で再発売されるとのことで、また買ってしまった。再読が楽しみだ。

  • 個人的な好みからすると、潜入捜査とか、スパイ活動とか、苦手。危ないし、疲れるし、心臓に悪い(^_^;; やっぱり戦争って、人間を破壊するよね。でも、「もうこれ以上無理」となる一線を越えずにひっぱっていくところがこの著者のうまさなんじゃないかと思った。
    中盤のタリーの仕事ぶりを読んでいると「頭にくるほど平凡な男」っていうのは、とても信じられないけれど(笑)。
    最後は、きれいにだまされた。気持ちよいほどのだまされっぷりでしたw とちゅうでへばらずに最後まで読んでよかったです。

  • CIA退官目前の地味な主人公タリーは腹が立つほど平凡な男。思いがけない最後の任務で赴いたパリで手にする古ぼけたライターに呼び覚まされる第二次世界大戦末期の極秘作戦の記憶。気持ちよく騙されて、胸熱くなるラスト!
    第二次世界大戦を舞台にしたスパイ合戦、夢がある……!冒頭で現在の主人公を描写して、その過去の冒険を読ませるっていうスタイルが好きだ。意外な面を見て驚いたり喜んだり、この後どうなるかわかっているから切なかったり、かと思うとまんまと騙されてたり。とても惹き込まれるよい小説だった!

    翻訳:東江一紀

  • こういうシンプルなんも好み。小手先で仕掛けるより筋がしっかり組んであったらええねん。

全5件中 1 - 5件を表示

ボブ・ラングレーの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×