ウォリス家の殺人 (創元推理文庫)

  • 東京創元社 (2008年8月30日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (334ページ) / ISBN・EAN: 9784488240042

みんなの感想まとめ

複雑な人間関係が織り成す緊張感あふれるストーリーが魅力の作品で、親子や兄弟、夫婦の確執が巧みに描かれています。登場人物たちがそれぞれ秘密を抱え、誰が犯人でもおかしくない状況が読者の推理心を刺激します。...

感想・レビュー・書評

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  • ディヴァインを読むのは2作目。
    今回は私の大好きな〈館もの〉。

    親子の確執、兄弟も確執、夫婦も不仲、複雑すぎる人間関係…と、館ものにあったらいいなが全部入ってる^_^
    全員が何かを隠していて怪しげで、登場人物の誰が犯人でもおかしくないというこの状況がたまらない。

    1ヶ月間岩井圭也さんのわかりやすい親切な説明に脳が慣れてしまったせいか、翻訳ものの名前を覚えるのと関係性を理解するのに時間がかかってしまった。
    そして、前回のディヴァインを読んで、犯人は巧みなミスリードで巧妙に隠されているはずだとわかってるので、1行も見逃せないためじっくり読む。

    思わせぶりなシーンでは「あのパターンかな?それともアレかな?」と、今まで読んできたミステリーに当てはめて、推理するのが楽しい。でも、私に見破られるほどディヴァインは単純じゃない^^;

    最後に出てくる大切な伝言。
    【〇〇〇〇〇〇〇ってさ。そう言えば、わかるからって】
    こういうのドキドキして大好き。

    今回も読み終わった後に見返すと、職人のような巧みなミスリードに隠されていた犯人と、きちんと読んでれば気付けた?(相当難しいけど)であろう箇所を見落としていたのが悔しかった。

    やっぱり安定的な面白さがあるので、安心して読める英国の本格ミステリー。
    クリスティーだったら女性たちにもっと印象に残る強烈なキャラ付けをするだろうな。
    ディヴァインの描く作品は全体的に地味だけど、そこに英国紳士らしい上品さも感じる。

    じっくりゆっくり犯人は誰なのかを考える時間と、2度読みのミスリード探しが今回も楽しかった。

    引き続き、海外古典ミステリーが読みたいので、杉江松恋さんの『マストリード100』を参考に選ぼう。

  • イギリスの作家、D.M.ディヴァインの作品。東京創元社からは二番目の出版だが、実は最後の作品。

    幼馴染で人気作家であるジョフリー・ウォリスの自宅に招かれたモーリス。そこでジョフリーとその兄のライオネルの仲がこじれ、今にも何かが起こりそうであることを聞く。皆が心配する中、ライオネルの家が荒らされ、兄弟が行方不明となるが。。。

    これぞイギリスミステリ。派手な展開はないのだけど、少しずつ判明していく手がかりが読ませる。
    アリバイトリックらしきものもあるが、位置関係が全然分からず地図が欲しかった。手がかりは堂々と提示されているので、そこに気づけばアリバイトリックは関係ないのだが。。。その点だけが少し気になり、ミステリだけで見れば星4.5。ただ読みやすさも含めて非常に面白いので、古典とまではいかず、1960、70年代ミステリが読みたい時はおすすめ。

  • これぞミステリーな感じ。
    犯人、全然わからなかった。
    ほとんど全員あやしく思えたのに。
    でもちゃんとヒントはちりばめてあったんですね!

  • D・M・ディヴァインの『ウォリス家の殺人』を読了。

    本作を読む前「ディヴァインの作品は初めてだ」とツイートしたら、フォロワーさんから「ディヴァインは安定した面白さがある」という風なリプライが。読んでみて、なるほど、お手本的な作品だったと思う。

    至って本格ミステリ。驚愕するようなトリックなどは使われていないのだが、ミスリードが上手い。ごく自然な会話の中に、罠が仕掛けられている。

    さらに、犯人がかなり意外だった。推理小説などで最初に疑われる人物はだいたいは犯人ではない、というのがほぼ通例だと思うが、本作も例に漏れずだった。そうとは言え、犯人は登場人物中でもかなり意外だった。もしやと考えなかったわけではないが、それにしては動機が全く思い当たらなかったからである。最後まで読んでよく分かった。

    読みやすさもある。これに関しては翻訳者次第だが、本作を手がけた中村有希という方はいい訳をされていると思った。本編とは関係のないことではあるが、この点も評価したい。

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    https://mlib3.nit.ac.jp/webopac/BB00506854

  • 謎解き、あらすじよりも、世界観「カーボンコピーを持っていかれました」とか、主人公含め、超人的な人物が登場しなくて、みんな何かどっか脛に傷を持っていて共感させられるし、シリーズとして惹きつけられる作者なんだよなあ。普段何気ない顔をして生きているが、遺産という魔物の出没により、理性きれいごとカバーが剥がされ、出てくるー、欲望ー。うーん、でも生きてくならお金かかるし、しょうがないよね人間だもの。

  • そこそこ飽きずに読めた。
    犯人に関しては微妙。
    この作家もう1冊読んで判断したい。

  • なぜモーリスが今だに元妻に高額の慰謝料を払い続けているのかがわからない。モーリスは、ヘレンとキッパリ縁を切って第二の人生を歩んでほしい。その方が、希望が持てる終わり方だったと思う。
    クリスはジェーンとくっつくことになるのかな? モーリス親子はウォリス家にはもう近づかない方がいいと思うんですが…。
    毎作登場するディヴァインの「だめんず」 今作の「だめんず」はクリスだな。誰彼無しにいい人すぎるクリス。アンの正体に気づくもずるずると…。こういうところは、父親似ということですかw

  • それぞれ思惑を持った怪しい人物たちが、好き勝手に行動するため事件の構図が捉えづらくなっているあたり、ディヴァインの巧さが伺えます。
    話の展開が遅く、焦れったい感はあるものの、それが事件をよりいっそう捉え処のないものにしています。
    ディヴァインは探偵を使わないため、主人公にその任を負わせることが多いのですが、本書は被害者の伝記を書くということでその辺りの違和感が解消されているのも流石。
    真相は作者お得意の意外な犯人というよりは、犯人が犯人足り得た理由が光るもので、まさに府に落ちるといった感じです。

  • ぼちぼち読んでいるディヴァインの中で、個人的に一番好きな作品。犯人と対決するシーンは躍動感があってスリリング。
    反面、『訳者あとがき』にもある通り、バリエーションの少なさは感じる。

  • 続けてディヴァイン。解説にもありましたがこの作家、相性が合う人なら外れなく面白いけれど、割と設定などのバリエーションが狭く、似たようなというか得意のパターンがあるので、訳出するにあたっては読者が飽きないよう、順番などを工夫したそうです。確かに少ない登場人物で確執のある親子関係に意外な犯人と、概略だけにしてしまうとまたこれか、という話ながら、人物の書き分け描写が丁寧で謎解きが無くても楽しめるほど。犯人は意外な人物なので、読みながら「この人だったら残念、でもまさかね」という人が犯人だったりするので、推理ではなくて心情的に予想がついてしまうという難点はあれど、それでも十分面白いです。今回は親子間、夫婦間、兄弟間の確執が入り乱れるなか、探偵役の大学教授が一人称で起こったことを回想するという書き方なのでサスペンスの雰囲気を漂わせつつお話が展開して読みやすかったです。

  • 犯人が誰かの謎は面白かったけれど、もっと深く心理状態とか掘り下げて欲しかった。

  • あとがきにもある通り、小説部分と推理、捜査部分がうまく融合しています。しかも小説部分がとてもおもしろいので、複雑な人間関係にわくわくしていると、散りばめられたヒントに気付かない。
    このさりげなさに毎度引っかかっています。
    ラストの犯人との攻防は、緊迫感もあり痛々しいものでした。

    驚愕のトリックがあるわけでもなく、緻密なロジックがあるわけでもなく、気味悪さもユーモアもないので、地味でおもしろくない、という意見もありそうです。
    が、「英国本格推理小説」という手堅い雰囲気が抜群に良くて、一般人である探偵役が事件にのめりこんでいく様もとても自然。警察がきちんと捜査していて間抜けさを感じないのも良いです。
    人間模様を描いた小説とパズル要素がお互いに相乗効果を上げており、ミスリードの巧さに唸りました。

  • 淡々と手堅くまとめた作品……というのが第一印象。テクニカルではありますが、ケレン味やユーモアは皆無と言いますか。
    ディヴァイン作品の初読みだったのですが、一目惚れするほどの私の好みに合致してはなかった、という感じです。話の展開、伏線のちりばめ方、解決のロジカルな部分など上手だとは思います。
    もう何作か読んでみると評価も変わるのかもしれませんので、引き続きこの作家さんの本は注目していきます。

  • 人間関係が複雑ながら理解することは簡単。物語はおもしろかった

  • ディヴァインも3冊目になると一人称で小説が語られている
    にもかかわらず、その人物さえも怪しく思える。
    偽の手がかりをちらつかせ真犯人への注意をおろそかにさせる
    テクニックをレッド・ヘリングと呼ぶらしいが
    作家の腕の見せ所のようだ。ディヴァインのレッド・ヘリングと
    エンディングまで犯人を隠し通すテクニックは本当にみごとだ。

  • 友人であるジョフリー・ウォリスの招きをうけてガーストン館のやってきたモーリス。ジョフリーの兄ライオネルの帰還。ジョフリーを恐喝しているらしいライオネル。1人の女性をめぐる2人の過去。行方不明になるジョフリーとライオネル。ジョフリーの遺体発見。逮捕されるライオネル。ジョフリーの日記を出版するために執筆をするモーリス。モーリスの息子クリスとアンの婚約の破たん。戦争時代のジョフリーの謎の行動。

    市川図書館
     2010年9月26日読了

  • 2009.2
    犯人は予想がつくけど、飽きない展開で○

  • 1981年の作品。2008年8月発行。
    舞台は1962年。
    歴史学者のモーリス・スレイターは、幼なじみの作家ジョフリー・ウォリスの邸宅に招待される。
    妻のジュリアとも旧知の仲、そこの娘の美しいアンとモーリスの息子クリスは婚約中。
    ところがジョフリーは急に老けて家庭は冷え切った様子。
    スコットランドで暮らしていたジョフリーの兄のコンラッドが村に滞在し、脅迫しているらしいという…
    そして、事件が?
    辛口の描写で主人公がいい人なのかどうか判然としないが、まあありがちなぐらいの人で周りが強烈すぎる?
    日本では知られていなかったディヴァイン。イギリスの本格ミステリを楽しめます。
    「悪魔はすぐそこに」に続いての翻訳。

  • 正統派本格推理小説。最後の犯人の正体なんとなくそうかなと思いながら、やはり驚いた。

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著者プロフィール

神奈川県足柄上群山北町出身。協和警備保障株式会社勤務。

「1995年 『万引き日誌 女性保安員の奮戦記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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