罪人のおののき (創元推理文庫 243-5)

  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (276ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488243050

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  • 本の厚さからもあったが、結末を知りたいと一気に読んでしまった。

  • 最後の手記で全てが裏返る。
    それまでの彼は、何者よりも強く、倣岸で不遜だった。高みから見下ろしているかの如くだった。
    しかしそれは人生に対する諦観から来る捨鉢な言動に過ぎなかった。

    私はプライドの高さゆえの犯行だと推量したが、全くの逆で何も持たない男の現実逃避だったという落差が切なかった。

    事件自体は派手さはなく、寧ろ凡百のそれだろうが、彼の放つ言葉一つ一つが哀切で、特に「私は死にたい」の一言が強く印象に残った。

  • 富裕で文学にも造詣の深い当主クエンティン、誰にでもやさしい心遣いを示すその妻エリザベス、そしてこのふたりに忠実に仕える使用人たち―マイフリー館は、傍目には安逸をむさぼってるかに見えた。ところがある夜、エリザベスが不可解な深夜の散歩に出た挙句、森の奥深くで撲殺されるという事件が突発する。捜査に乗り出したウェクスフォード主席警部の前に、しだいにその真の顔をあらわにしていく館の人々。

    ウェクスフォード警部シリーズ第5作目。このシリーズ初読。館に住む人々が容疑者、シリーズ物の探偵役が操作という本格ミステリの定型なのだが、意外な真相とか、トリックといった本格ミステリ的な面白みは薄く、また地道な操作から真相を明らかにするという構成になっていることからレンデルお得意のサスペンス感も無い。なんだか何もかもが物足りなかった。

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