大鴉の啼く冬 (創元推理文庫) (創元推理文庫 M ク 13-1)
- 東京創元社 (2007年7月28日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (446ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488245054
感想・レビュー・書評
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シェトランド島の小さな町で起きた女子高生殺人事件。8年前の少女失踪事件との共通点も見つかり‥。解説によれば「定番ネタ」のこの設定、オールドファッションのミステリー 、こういうの読みたかった!ビターな結末ながら次作も楽しみ。
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終始淡々としたモノローグでつづられる物語。
退屈ではないものの、先へ先へと言う気持ちにはならず、ゆっくりめのペースで読んでいたところ、
最後の最後、犯人が明らかになった時、
思わず「えーーーっ⁉︎」と叫んでしまった。
それくらいの意外な結末。
イギリス本土と北欧の間に位置するシェトランド島。
セーターと牧羊犬くらいしか知らなかった土地が、
このような場所にあったとは。
華やかな観光地とは言えないけれど、
味わい深く描かれていて、「シェトランド四重奏」とされるこのシリーズ、続きも読むつもり。-
ちぃさん、こちらにもおじゃまします。
私も犯人がわかった時「えーーーっ!?」ってなりました!なりますよね?伏線気がつかないの私だけ?と思っ...ちぃさん、こちらにもおじゃまします。
私も犯人がわかった時「えーーーっ!?」ってなりました!なりますよね?伏線気がつかないの私だけ?と思ったので安心しました笑2023/11/07 -
こんばんは。
良かったー。わたしだけじゃなかったんですね。
作者にまんまとだまされた気分です。でも改めて思い返してみれば、犯人はまさしくこの...こんばんは。
良かったー。わたしだけじゃなかったんですね。
作者にまんまとだまされた気分です。でも改めて思い返してみれば、犯人はまさしくこの人しかいなかったと感じさせるあれやこれやの伏線が…ありましたね。。
次作も楽しみです!2023/11/07
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静に包まれる。
舞台は新年を迎えたシェトランド島。
雪原で見つかった少女の遺体。
誰が、なぜ…?過去に起きた少女失踪事件が関係しているのか…。
じっくりと読み応えのある作品だった。
やっぱりこういう閉塞感漂う町、限られた人間関係でのミステリが好き。
雪原にすっぽり包まれたかのような謎。
静かに捜査の歩をすすめるペレス警部。
静寂と漂う哀しさがじっくりと文字を追う時間を包む。
ずっと籠に閉じ込められていた大鴉が解き放たれたかのような瞬間。
この瞬間へ辿り着くまでの緻密な過程、この町でいきる人々の絡み合う心情を読ませてくれる静かな冬の物語。 -
イギリス最北端の地を舞台にしたミステリ。誰もが顔見知りで、鍵も掛けずに暮らしているような小さな町で起きた殺人事件。八年前には少女が失踪しており、それに関係しているとみられた知的障害のある男は母親亡き後、孤独に暮らしていた。今回も被害者は彼の元を訪れていたため、疑いの目が向けられる。
閉鎖的な町での暮らしは息苦しく、偏見に満ちている。警部たちも特に切れ者というわけではないが、偏見を否定し、事件をフラットに見ようとしている態度に好感がもてる。 -
英国本島から遥か北の最果ての地「シェトランド諸島」 ― 人口わずか2万2千人と「誰かに知られずにはオナラも出来ない、誰もが知り合いの土地」を舞台に、大鴉の群れが飛ぶ雪原で絞殺された女子高生の死体をめぐり、八年前の少女失踪事件の容疑者で知的障害者の独居老人、シングルマザーの教師、地元警察の警部の三人称で語られる、虚々実々の群像心理ミステリ-。 E.ブロンテの『嵐が丘』を連想させる荒涼たる地での、閉ざされた社会の渦巻く人間ドラマを描いた本作は、英国文学の気品さを漂わせた心揺さぶる長編小説。
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イギリス最北端の地、シェトランドが舞台。元旦の深夜にマグナスの家を訪れた二人の高校生のうち一人が、4日後絞殺されて発見される。
住民全員が知り合いの小さなコミュニティで起こった犯罪。8年前の少女失踪事件と関係はあるのか。
孤独な老人マグナスが知的障害があるということで、あっけなく捕まってしまう描写がツライ。小さなコミュニティならではなんだよな。だからこそ「違和感」を感じるペレス警部が救いだし、ロンドンから来た第一発見者フランの“一般的な”感じ方に救われる。
キャサリンが直前まで「何を」していたかが→
わかったあたりから話がぐんぐん進んで面白くなる。
イングランドとノルウェーの間にある島、しかも冬が舞台だからとにかく寒々しく、常に曇天な雰囲気が漂うんだけど、これもまた物語の雰囲気を盛り上げてるなーと思う。
味わいがある物語。
一つ残念なのが、ブクログのネタバレ感想よ……430ページも読んでフーダニットを楽しめないとか地獄かよ……。1番上にあるから、私以外にも被害者いそう。辛い。
モンハンみたいにキックできたらいいのに(乱暴)
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ギャオでドラマ「シェトランド」を見て原作があるのを知り、シリーズ第一作の本作を読んでみた。ドラマでは木の無い緑の草地と海岸からの段丘?が続く風景がふんだんに映し出される。
イギリスは北の離島、シェトランド諸島を舞台にそのまた離島のフェア島出身のペレス警部が事件を解く。シェトランドの中心の町ラーウィックとたぶんそう遠くはない集落。住民の生活が互いに分かってしまうようなところ。ペレスは被害者、加害者、住民の実像を探り真相をつきとめる。
新年が明けた4日後の朝、「本土」から1年前に越してきた高校生キャサリンが首を絞められて雪野原に横たわり鴉に目をつつかれていた。近くには住民からうすのろとばかにされている老人マグナスが一人住んでいた。
しかもキャサリンは死の直前に2度も老人の元を訪れていたのだ。一度は年越し後、友人のサリーと、一度は1人で。そして老人は8年前の少女失踪事件の犯人ではないかと目されたが、遺体もなく釈放されていた。しかし数日後その少女の遺体も犬によって発見される。泥炭に埋もれた遺体はまるで生きているかのような保存状態だった。
マグナム老人への詮議が強くなるがペレス警部は、何か完璧でないものを感じて、キャサリン、その友人のサリー、マグナム老人、8年前に死んだ少女、その他関係者の人間像を探ってゆく。キャサリンは高校の課題で島の生活のドキュメンタリーを撮っていた。
被害者が何故殺されたか?、ここでは被害者のキャラクターと相対した加害者のキャラクターのぶつかりだった、と言える。殺人はきっと基本そうなのだろう。が、著者はここでは被害者のある行動に、加害者がブチ切れた、という描き方。特に少女殺害の真実が痛いし、ある意味よく分かる心理。ちょっとクリスティーとも通じるものがある。
ドラマの順番は本の出版通りではなく、本を読んだ直後、この本のドラマを見た。・・なんと少女殺害の真実が本と違っていた。これはないんじゃない? キャサリン殺害も痛いが、少女殺害の真相がよりう~んとうなった所だったのに。本作がゴールドダガー賞を取ったのもそこだった気がするのだが。
作者のアン・クリーブスはほかに「ヴェラ警部」シリーズの作者。こちらもBS11で「信念の女警部ヴェラ」として放映中。もちろんみてます。
2006発表
2007.7初版 2007.12.144版 図書館 -
イギリス最北端にあるシェトランド諸島を舞台に、それぞれの人生でこの諸島と何らかの関係を持ち続ける人々の間で発生する事件。ある女学生が死体で発見され、8年前に発生した少女失踪事件(その後死体で発見される)が想起されるなか、両方の事件の容疑者として知的障害のある老人が逮捕される。
事件の謎がクリアに解き明かされないなか、新たに少女失踪事件が発生する。犯人は誰だ?第三の連続事件か?と謎を膨らませて最終章へと向かう。
派手さはないが、事件の真相へと地道に捜査を進める地元の警部ジミー・ペレス。静かに進行していた犯人探しが、第三の事件発生と同時に急展開する。
犯人として絞り込まれた人物を追い求め、たどり着いたと思った矢先に待ち受ける、どんでん返し。
事件の背景にある人間関係、そこから生まれた犯人の心理、よく考えられた謎解きとして楽しめる。
本当に楽しかったです!クローズドサークル的な狭い町の様子や、四人の視点で見えてくる...
本当に楽しかったです!クローズドサークル的な狭い町の様子や、四人の視点で見えてくる人間模様など、大好物がこんなにてんこ盛りなんて‥。
ちゃんと順番通りに読んで楽しんでいきますよ♪
四重奏シリーズの一冊目、読み終わりました。ペレスの脳内モノローグ、おもしろかったです。
4冊目の感想に書かれていたことが気にな...
四重奏シリーズの一冊目、読み終わりました。ペレスの脳内モノローグ、おもしろかったです。
4冊目の感想に書かれていたことが気になります!薄目で拝見しました。
脳内モノローグ楽しめたようでよかったです。
そうそう、今後の話の皆さんのレビューは薄目で見るのが...
脳内モノローグ楽しめたようでよかったです。
そうそう、今後の話の皆さんのレビューは薄目で見るのが正解ですね!