蹄鉄ころんだ (創元推理文庫 246-2)

  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (331ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488246020

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  • コージー・ミステリの元祖とも言うべきシャーロット・マクラウドのシャンディ教授シリーズ第2弾。

    シャンディ教授と結婚してまだ新婚のヘレンは、バラクラヴァ大学の広大な構内を今日も散策中。
    畜産学部で、「蹄鉄工のフラックレー」と呼ばれる有能な女性と知り合い、気が合いそうなので食事に招く。
    フラックレー一族は先祖代々、ここの蹄鉄工を務めてきたという。

    1作目で妻を亡くしたエイムズ教授のところには、家政婦が来ている。
    口うるさい妻を亡くした男にありがちなことで、口うるさい家政婦を雇ってしまい、近所の人は頭を痛めているのだが。

    ヘレンの友人イデューナが訪問。
    ものすごく大きいのだがきれいな金髪でかわいらしく、男性陣は次々に好意を持つ。見るからにクッキーつくりが上手そうで、しかも喜んで分けてくれるタイプなのだ。
    シャンディは、エイムズ教授にどうだろうと考えるが‥?

    畜産学部のストット教授が大事にしている貴重な血統の雌豚ベリンダが盗まれ、行方不明に。
    しかもそれに関連してか?蹄鉄工のフラックレーまでが事件に。
    跡継ぎとして甥が登場する。
    ベリンダのことは、学生の悪ふざけに思える節もあったのだが‥

    おそるべきスヴェンソン学長の命を受け、シャンディ教授の推理が始まります。
    折りしも、バラクラヴァ郡の馬の年次競技会も迫っていた。
    近隣の組合が集まる馬のオリンピックのような大規模なもので、毎年、スヴェンソン学長が指揮する巨大な荷馬車にバンドを乗せて行進するのが始まり。
    ところが、その伝統ある荷馬車が何者かに壊されていた。
    学長の娘ビルギットの様子がおかしい‥?

    にぎやかで面白い。
    いかにもこのシリーズらしい大学町の行事が楽しめます。
    探偵役は男性だけど、視点はヘレンのほうも多く、夫婦探偵に近いかな。

  • 図書館で。
    天野さんの絵みたいだなぁと思ったら天野さんだった。ベリンダだったかな?可愛い。

    というわけでシリーズ二作目。いけ好かない人が大体悪い人っていうパターンは読んでいて安心ですが出来過ぎている気もしないでもない。そして70過ぎた爺さんと40だか50の女性をくっつけようとするのはいかがなものなのか。それを言うなら孫が何ダースか居そうな教授ともどうかなと思うけど。鋼鉄の学園長がなんか好き。そしてそれまで一向に進まなかった話が一気にご都合主義的に進むのは何故なんだろう?彼はいつどこであの脅迫状の確証を得たのか理解に苦しむなぁ。でも登場人物が中々魅力的なので続きも読むとおもいます。
    主人公よりは奥さんとか脇役の方が素敵な人が多いのはいかがなものか。

  • 原題:The Luck Runs Out
    著者:Charlotte Macleod
    訳者:高田恵子
    初版:1979(US),1988(JP)
    シャンディ教授シリーズ第2弾
    何故殺したのかという動機がメイン。トリックは特になし。
    数々の謎が最後にはキッチリ解決するので読後感はスッキリ。

  • 2
     ヘレンと結婚して幸せそうなシャンディ教授。
    「金は奥歯と同じで、ないようりはあったほうがましもの、必要なときには役に立つが、いつも管理を怠らないようにしなければならないものという程度にしか考えておらず、ことさら金について考えたことはなかった。しかしいま、金があることはよろこびだと発見するにいたっていた。なぜなら、その金でいろいろなものを買ってヘレンを喜ばせることができるからだ。」なんて、当てられっぱなし。
    1作目に引き続きバラクラヴァは飽きないところ。次から次へと個性的過ぎる人が出てくるし、金強盗あり、豚は誘拐?されちゃうし、殺人までおきる。シャンディ教授は休む暇もないくらいなんだけど、一緒にクタクタになりながらも最後までニヤニヤがとまらない。
    前作よりも面白かった!

    「わたしの給料じゃ、あれだけのサイズの女性を食べさせていくことはできません。私はキュートで小柄な女性をみつけて、ゆっくりと準備を進めていくつもりでいるんです。」この台詞!ラボック部長刑事が好印象。こういう自分の分をわかってる人って好き。あまり出て来ないだけに印象深い。ちょっと女心には疎いんだけど。
    大活躍、大迫力のスヴェンソン学長には惚れる!
    嫌な人はとことん嫌な人なんだけど、外見にかかわらず、魅力的な人は会ってみたくなるほど魅力的。

  • 相変わらずそれぞれのキャラクターの個性が光っていてミステリーとしてよりも話として楽しめました。

  • 久々に再読したシャンディ教授シリーズ。どたばたが可笑しくて、シャンディ教授とヘレンの夫婦円満ぶりが微笑ましい、安心して読めるコージーミステリです。今回はヘレンが強盗の人質に取られる事件に始まって、豚の誘拐事件に鍛冶職人の殺人事件と立て続けに騒動が…。読むたび、大学町バラクラヴァに魅力を感じます。大迫力の学長も好き。

  • シャンディ教授シリーズ第二弾。

    ユーモア・ミステリーなお話しです。
    競技大会の日に金銀強奪・雌豚誘拐・挙句の果てには
    殺人事件まで起こってしまう!?


    中学の頃に表紙の絵に惹かれて読みました。
    キャラクターもユーモア溢れる人ばかりで、
    面白かったです(´ω`)

    ただ第一弾を読んでいないという
    ミステリー・・・

  • おっもしろーーい!一作目よりさらにおもしろかったような気が。わたしがなじんだから?そもそも、農業大学が舞台ってのがユニークで、カブの栽培とか豚の飼育とか、馬がどうしたとかいう話題ばっかりなんだけど、なんでこんなにおもしろいんだろう。登場人物も、農業オタクって感じのさえない年とった教授や、その奥さんや家族なんだけど、それなりにロマンスなんかもあって、みんながすごくキュートに思えてくる。なにかあると農業大の大学生たちが協力したりするのも楽しく、この物語世界に入り込みたい!みたいな。謎解きもそれほど複雑ではなく、ちょうどいい感じ。長さもちょうどいいのか、だれない、飽きない。シリーズ制覇しなくてはー。

  • シャーロット・マクラウドのシャンディ教授シリーズの第二弾。年に一度のパラグラバァ農大の競技大会を前に、何者かに馬房の蹄鉄がひっくり返され(つきが逃げる、という意味もあって)不穏な気配が漂う、価値のある大事な雌豚ベリンダまで誘拐され、ついに殺人事件までが起こってしまい、シャンディ教授の活躍やいかに…。前作「にぎやかな眠り」ですっかり御馴染みになった個性的な登場人物たちの魅力に、何とも味のある可笑しなやりとり、美味しそうな食べ物の描写、年配カップルのロマンスさえも配されて、ユーモア・ミステリーにふさわしいテンポの軽やかさと、後味の悪さがない荒唐無稽さがうまくブレンドされ、気楽に愉しめます。それにしても、今は絶版のため、図書館か古本で手にするか、という状況だけが読者には何とも残念ですよね。

  • シャンディ教授シリーズ2

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