ペニーフット・ホテル受難の日 (創元推理文庫) (創元推理文庫 M キ 6-1)
- 東京創元社 (2009年5月5日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488253028
感想・レビュー・書評
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1906年イギリス、上流階級の人々が利用する海辺のリゾートホテルが舞台のミステリ。夫を亡くし、ホテルの女主人となった主人公が、ホテルで起きた殺人事件の謎を解く。執事にたしなめられながらも葉巻を吸ったり、コルセットに文句を言ったり、婦人参政権運動に共感したりする主人公がよかったし、階級社会というものがかいま見えるのも興味深かったし、ホテルのイベントで使うヘビが逃げたりするドタバタぶりもおもしろかった。でも、謎解きが苦手で本格古典ミステリとか読んでないわたしがいうのもなんだけど、殺人現場に落ちていたものが謎解きのカギになるとか、ほかにもトリックがなんだかあからさまに古臭いような気がしなくもなく。1906年だからそれでいいのかな。クラシックな感じが楽しめて。
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1900年代初頭、イギリスの片田舎にある、隠れ家的ホテルを舞台にしたシリーズ1作目。
夫を亡くしたあと、セシリーは女一人でこのホテルを切り盛りしている。ホテルの客は上流階級の人間ばかりで、ホテルの信頼性は絶対的な条件だった。そんな中、舞踏会が催される予定の日にホテルの屋上から宿泊客のエレノアが墜落死した。もし事故であればホテルの過失は免れない。セシリーはその死に不信感を覚えたこともあり、支配人のバクスターを言いくるめ捜査を始めた。
まだ男性優位の時代背景の中すすむ話が、独特の雰囲気を香もしている。まだまだ女性が軽んじられる時代、その軋轢の中捜査に邁進(ばく進?)する姿が勝ち気なようで、またかわいらしくもある。
本作は1作目ということもあり、キャスト紹介の意味もあるのか少々ごたごた感があるが、ミステリー内容的には割とあっさりしている。 -
アガサ・クリスティっぽいものが読みたいと思って借りた一冊。
ヴィクトリア時代が終わり、エドワード朝、電話ができたり、女性の参政権運動等と、時代の変わり目。さりげなくそんな時代に触れられるのが面白い。
支配人のバクスターとオーナーであるセシリーのやりとりも、小気味よい感じ。
人気のあるシリーズらしく続きが沢山あるようなので、他のものも読んでみたい。 -
高級ホテルで墜落死した上流夫人。
ホテルの評判を守るため女主人の探偵が始まる。
20世紀始めのイギリスと言う舞台設定がステキだった。ミステリそっちのけで会話や風俗、衣装なんかを楽しんだ。
キャラクタも個性的で悪くなかったけれど、人の心が読めるマデラインがあれこれ(例えば逃げた蛇の居場所など)を当てておきながら、殺人犯にのみ追求なしと言うのが都合よすぎて笑った。
あとなんとなくだけど訳文が読みにくかったような…。
できれば次作はも少しミステリ色が強いといいなぁ。 -
舞台は1906年のロンドンより100キロほど離れたホテル。夫を亡くしたばかりのセシリーが切り盛りする、貴族階級御用達の隠れ家的ホテルミステリーシリーズの第一作で、原文では既にもう10作以上書かれているとか。時代背景による身分の違いとか、女性の地位とか、価値観とか、がいい具合にミステリーに味付けを加えていて面白かったです。謎解きをするセシリーの冷静な切り盛りには好感を覚えましたし、夫に先立たれた悲しさの描写には時代を超えたものがあってそこもよかったし。コージーミステリーが好きなので、これから先、続きがまた翻訳されたら楽しみに読んでいきたいと思います。
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「死をもちて赦されん」の後ろの広告で見て。
思ったより古い時代の話だった。
1906年の夏。
ロンドンから100キロほど離れた海辺の田舎町に建つホテル。
主人公は夫を亡くしたばかりのホテルの女主人エミリーで、
ホテルの宿泊客の女性が墜落して死亡する。
事故なのか?
前に読んだレディ・エミリーより時代は新しいが、
女性の行動にいろいろな制約があるのは相変わらず。
たのもしい執事の代わりに、支配人がいるのも似ている。
夫を失った状況は違うが。
面白いのかと、聞かれると微妙。 -
たまたま借りてみる。
いやー、これまでジーヴス的使用人て、ジーヴスしか知らなかったけど、対女性も良いもんですね。
ホテルですが、こういうお屋敷的小説て初めて読んだかも。これは古書店で探します。 -
田舎の高級ホテルを舞台にしたミステリ。
シリーズものみたいなんで続きも読みたい。 -
イギリスの田舎町に建つ上流階級に人気のペニーフット・ホテル。女主人セシリーと支配人バクスターは、ホテルで起きた事件を解決するために奔走する。
まだ女性がコルセットをつけていた時代のお話。
アガサ・クリスティー的コージーミステリー。
ホテルが舞台なだけに、登場人物も様々で飽きさせない。
さらりと読めて、頭を使わず楽しめる。