- 本 ・本 (494ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488254025
作品紹介・あらすじ
【サマセット・モーム賞受賞】
1874年の秋、監獄を訪れたわたしは、不思議な女囚と出逢った。ただならぬ静寂をまとったその娘は……霊媒。戸惑うわたしの前に、やがて、秘めやかに謎が零れ落ちてくる。魔術的な筆さばきの物語が到達する、青天の霹靂のごとき結末。魔物のように妖しい魅力に富む、ミステリの絶品!
感想・レビュー・書評
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前半はめちゃくちゃ退屈、中盤で結末はハッキリと予想出来る(実際に何から何まで予想通りでした)
こんなんもう駄作確定じゃないですか
でも面白かったんだよなぁ
なんていうか凄い高級車な感じなんですよね
お、なんか上手い例えかもしれん
サラ・ウォーターズの文章は高級車を思わせる
洗練されていて美しくゆとりがある空間
スピードを上げる場面では力強く加速するけどスムーズでバタつかない
サスペンションも高性能でどんなデコボコ道でもそれを感じさせない
そんな文章
あれ、伝わる? -
久しぶりの帰省で見つけた本を備忘録として登録。
自分でも内容をよく覚えてないのでレビューが書けません。-
思い出した!
土瓶さんのレビューを読んでサラ・ウォーターズを読みたいと思ったんだ!
それにしてもこのレビューで(失礼)読みたいって思うなん...思い出した!
土瓶さんのレビューを読んでサラ・ウォーターズを読みたいと思ったんだ!
それにしてもこのレビューで(失礼)読みたいって思うなんて土瓶さんへの信頼感半端ないなw2022/07/05
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ブクログを始める前に読んだのか?アップしていなかったのに気づいたので…
サラ・ウォーターズのデビュー作。
歴史ミステリ大好きなので、いい作家が出たと喜びました!
内容的には長編にのばしてあるけど、短編みたいな作りなので。ちょっと読み終わるとガクッと来るのが難点で☆4つ。
このミス1位になったのにはやや驚きましたが。
色んな人が1位でなくとも必ず上位にはあげていたんでしょうね。 -
後半4分の1の面白さとそれまでの退屈さと極端な作品。以前読んだ『荊の城』が面白くて読んだのですが。1800年代半ばのヨーロッパの監獄に収監されている女囚の慰問を行う、平たく言えば、愚痴を聞く高貴な女性の話。愚痴を聞いているうちに、霊媒師の女囚を好きになって、二人で逃亡を企てる。ここまでが4分の3で、ここに至るまでが無駄に長くて退屈でした。でも残りは目が離せない展開でしたので、まあまあというところです。監獄内の表現が不気味でリアリティがありました。
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途中から薄々気づいていた通りのオチで、切なかった。
あたしは現代に生まれてよかったナーと思う。 -
真相の残酷さにもんどりうつ。
過酷な状況でも、霊媒師の女の決して手折れない美しさが印象的。
そしてその強さがどこからきたのかを知ると、「ヒィ!」と息を呑んでしまう……
確かに長いけれど、途中から止められなくなった。
ラストのあの人物のセリフ、恐ろしいけど、シビレル。 -
静かな牢の描写が素敵でした。
あの時代のイギリスの重っ苦しさがたまらない。 -
19世紀イギリス。良家の子女であるヒロインは、奉仕活動として監獄を訪問する。そこで出会ったのは、妖しくも魅力的な霊媒の少女だった。
父の研究を支え続けた結果、婚期を逃した良家の令嬢が出会う霊媒との語らい。彼女の魅力に取り付かれたヒロインは彼女を救い出そうとするが、思いもしない結末が待っていた。ビクトリア朝時代の憂鬱で退廃的な空気を味わえる作品。だけど、私にとってはものすごく後味の悪い結末でした。鮮やかといえば鮮やかだけど……、それはないだろう、という何とも言えないもやもやとした感触。その感触こそが作者の狙いなのだと思うと少し悔しい。
ゲーム「BAROQUE」のプロデューサー、米光一成氏がBAROQUEの世界観や空気に似ていると評していたので読んでみました。確かに、あのどんよりとした重苦しい鉛のような空気感がそこにあります。 -
なんという……半端なさ。
サラ・ウォーターズは「茨の城」から入ったので、
てっきりああいう落ちだと思ってたんですよ。
なのに今回ミステリー要素が少なくて……なんていうか……
怪しげなスピリチュアルの匂いがぷんぷん。
正直「霊媒にハマりすぎた典型的なヤバイ人」な感じ。
それでも「茨の城」を先に読んでいたから、
どこか信じていたのかもしれません。あの結果だと。
ところがどっこい。
すさまじい結果でした。もう、本当にお見事。
普段なら投げ捨てているところですが、
見事に騙されすぎてそれすら出来ない。
しっかしこの作者、本当に精神的に「痛い」の大好きだよなあ。
あとこの人が騙すのに使うパターンも把握した。
しかしほんと……納得することとスッキリすることとは別なんですね。 -
ノブレス・オブリージュで女囚刑務所へ傾聴慰問を始めた精神的不安定で引きこもりのマーガレットは、慰問先の刑務所で詐欺罪で収監されている美しい霊媒師シライナと出逢う。
こうなるんじゃないかな、こうなるんじゃないかなという嫌な予感と、恋という形を取った依存がじりじりと強くなっていく状態を、「良くない、ああ、良くない」という不安と焦燥でもって読ませる一冊だった。
ゴシックホラーとも違う、ミステリとも違う、ラブロマンスとは言えない、カテゴライズしにくい作品。
マーガレットがシライナに入れ込んでいく様は、モリエール著「タルチュフ」のタルチュフに騙される金満家オルゴンと同じで、古今、詐欺師に騙される人の心情とはこうしたものなのだろうなと思う。
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「あなたがいつ世間なんて気にした?なぜいまさら気にするの?」
サラ・ウォーターズの作品






どんだけ早いんですか。ホント。ヒトですか(笑)
う~ん。よくおぼえてませんけど、ラスト近くで「あ~。そうだ...
どんだけ早いんですか。ホント。ヒトですか(笑)
う~ん。よくおぼえてませんけど、ラスト近くで「あ~。そうだよな~。やっぱり、そうなってしまうんだよね~」って、哀しい気分になったような。
なんかね。
じわじわ風船が膨らんでいくような感覚があったような。
当然の破裂を予想しながら、万が一のそうではない結末を半分期待しながら。
そんな感じだったと思います。
予想を覆して欲しかったな〜
とは思いましたよね
予想を覆して欲しかったな〜
とは思いましたよね