荊[いばら]の城 上 (創元推理文庫)

制作 : 中村 有希 
  • 東京創元社
3.88
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本棚登録 : 814
レビュー : 80
  • Amazon.co.jp ・本 (434ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488254032

作品紹介・あらすじ

19世紀半ばのロンドン。17歳になる少女スウは、下町で掏摸を生業として暮らしていた。そんな彼女に顔見知りの詐欺師がある計画を持ちかける。とある令嬢をたぶらかして結婚し、その財産をそっくり奪い取ろうというのだ。スウの役割は令嬢の新しい侍女。スウは迷いながらも、話にのることにするのだが…。CWAのヒストリカル・ダガーを受賞した、ウォーターズ待望の第2弾。

感想・レビュー・書評

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  • 映画『お嬢さん』が面白かったので原作も。映画は韓国と日本のちゃんぽんでしたが、原作の舞台はもちろんイギリス。小悪党一家の養われ子スーザン(スウ)が、詐欺師の<紳士>の策略で、莫大な遺産を持つモードお嬢様の侍女としてお城のような邸宅に潜入する。騙すために近づいたのに次第にモードお嬢様に惹かれてしまうスウ。ついに計画通りお嬢様と紳士は駆け落ちするが・・・。

    映画は場所こそ違えど基本設定と展開は原作にほぼ忠実だったので、すでにドンデン返しを知っていながら読み進めましたが、それでも十分ハラハラドキドキ、実はこのとき裏側では・・・という、映画の2回目を楽しむような感覚で読めました。上巻は、スウ視点の第一部で驚愕のラスト、そしてお嬢様視点の第二部の途中まで。

    余談ですが小説の原題は「FINGERSMITH(フィンガースミス)」=日本でいう「スリ」のこと。日本語タイトル「荊の城」は全く別ものだけど、作品のおもな舞台になるブライア城のブライア(brier)は茨のことらしく、童話の眠り姫=茨姫(Briar Rose)も彷彿とさせてこれは良い改題例かも。映画は韓国語の原題「아가씨(アガシ)」は邦題の「お嬢さん」と同じ意味。英語タイトルの「THE HANDMAIDEN」は真逆の「女中さん」つまりスウ=スッキのほうの立場のタイトルになってる感じなのかな?

  • 顔見知りの詐欺師「紳士」から、貴族令嬢であるモードを騙して結婚する計画の協力を求められたスウは、報酬に惹かれて引き受ける。19世紀半ばのイギリスの生活の描写が丁寧で、陰鬱な貴族の館の情景が目に浮かぶよう。スウと紳士が城館に入ってからは物語が動き出し、目が離せなくなりました。スウとモードの2人の間に友情とは言えない感情が芽生えてからの文章が、なまめかしく、色っぽい。そして、驚きの展開で……下巻に続く。

  • ペテン紳士と元掏摸の侍女とお嬢さま。
    この三人の間で陰謀が渦巻き、ふたりの揺れる感情が迷いを生む。

    一部と二部で視点が変わり、スウとモードのお互いの心境の変化が見れて良かった。
    愛ゆえに欺く決心って切ない。

    長いけどあっという間だったので下巻も期待。

  • 『半身』もそうだったけど、この人の作品は前ふりが長い。途中で盛大などんでん返しがありそうな気配に、それまでのじわじわとしか進まない展開を読者は辛抱強く待たなければいけない。その辛抱がつまりスリルであり、サスペンスであり、ミステリーなのだけれども。
    舞台は英国。ロンドンっ娘の気性がなんとも愛らしくて惹かれる。登場人物の誰もが一癖二癖ありそうで、一気に読んでしまう。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「この人の作品は前ふりが長い」
      その所為で評価が分かれますね。私は好きです。
      「この人の作品は前ふりが長い」
      その所為で評価が分かれますね。私は好きです。
      2012/08/28
  • 素晴らしい!の一言です。
    独特の文体には、多少慣れが必要ですが、後からそれほど気にならなくなります。この巻の最後は、久々「やられた!」と感じました。それが何かは、読んでからのお楽しみです。

  • ホラー風味のミステリというよりミステリ仕立てのホラーものといった趣で
    あいかわらずミステリ読者のミステリ認定幅の広いことよということと
    ヴィクトリアンに限らずこういう旧家の因習的な素材はなぜイギリスなのか
    フランスとかアメリカとかイタリアとかドイツとかロシアとかアラビアとかでないのは
    やはり各国の文化なのか
    というか英語のせいか
    日本人の好みか巧みな描写を大量に畳みかけてで読み続けさせる
    ディケンズ以来のの娯楽小説作法の定番か
    と思ったが下巻に続く

  • ブックオフ
    【Great】

  • うわあ……
    息を呑む展開と濃密なエロスにくらくらする。
    これは凄い小説だ……!
    映画もいいけど、舞台でも観てみたい。

    結末は果たしてどうなる?
    下巻、ハラハラする……

  • 映画「お嬢さん」を見ているので、何が起きるのかわかっているのに、映画とはまた違う心理描写もあり、ページをめくる手が止まらない。下巻も早速引き続き読み進めたい。

  • スウとモードの視点の交代が面白い。

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