夜愁 (上) (創元推理文庫)

  • 東京創元社 (2007年5月31日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (348ページ) / ISBN・EAN: 9784488254056

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

戦時下のロンドンを舞台に、登場人物たちの複雑な恋愛模様を描く物語は、時間を遡る構成によって切なさを強調しています。登場人物たちの過去が明らかになるにつれ、彼らの恋の輝きが永遠に戻らないことが痛感され、...

感想・レビュー・書評

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  • 第二次世界大戦後のロンドンが舞台。精神病院の二階の窓から放心して外の様子を見ているケイとその周りの女性たちに何があったのか。時間を遡って、さらにまた遡って最後にケイが何故そのような状態にまでなったのか読者に感動という贈り物と共に最高の説得力で読後の満足感を与える。

  • 上巻の物語は2つに時代が分かれています。
    最初は1947年。次は1944年。
    主な登場人物は5人。

    まず、最初に登場したのはケイという女性。
    彼女は男装して街を歩く。その姿を見た者は「ハンサムな青年」と見間違えるが、よくよく顔を見ると、白髪のある37歳の女性であると気づく。

    ヘレンは結婚相談所(多分)に勤めている女性。
    彼女はジュリアという女性と同棲している。二人の関係は冷めつつあるがレズビアンの関係だと思われる。(はっきりした性描写は出てこない)

    ヘレンの同居人、ジュリアは作家。
    独特な魅力をもつ女性で、ヘレンとジュリアの関係はどちらかというとヘレンの方がジュリアに首ったけな様子。

    ヴィヴはヘレンの同僚の女性。
    何故かある一線以上は心を開かない人で、特に弟について話す時は頑な態度をとる。
    彼女は家庭ある男と不倫をしている。

    ヴィヴの弟、ダンカンは何故か家族と一緒に暮らさずにマンディという老人と生活している。
    彼は美しい容姿の青年で、健康体であるにも関わらず、何故か身障者の働く工場で働いている。

    この物語は上記5人とそれに関連する人々を描いた物語。
    読んでいるとすぐに彼らは過去に心の傷をもち、何か秘密をもっているのだと分かる。
    そして、それを少しずつ共用している事も。
    だから、お互いが出会うことによって、その過去に向き合うこととなっていく。

    この本には同性愛がはっきりしない形で多々描かれていて、それが物語の大きなウェイトを占めているのだという事は何となく分かりました。
    ただ、上巻では全貌が見えてこない。
    それらしい事をちらつかせて、物語の核心部分を見えそうで見えなくしているという印象です。

    作品全体に漂う雰囲気は「倦怠感」や「閉塞感」、「低迷」した感じ。
    人だけでなく物も街全体も傷を負っていると感じる。
    そしてそこに拍車をかけて暗い影を落としているのは戦争の傷跡-。

    上巻だけ見ると、面白いと思える話ではありません。
    でも何故か下巻も読みたいと思わせる吸引力があります。

  •  1947年のロンドンの人々を描いている。そして、物語は時間をさかのぼっていく。

     読み始め、うーーん、ウォーターズもあかんか、と思っていた。とにかく出てくる人間が皆暗い。人間関係もわけわかんない。
     ま、それでも読み進めていけたのは、やっぱりウォーターズだからなんだろう。結構ポイントポイントで、上手いんだよね。
      
     戦争によって、狂わされている人生を描いているのであろうけど、反戦を声高々に訴えてるわけでも、戦争を描いているわけでもない。ただ地道に普通の(っても同性愛者がいるので心底普通とはいえないかもしれないけどね)人の生活を描いているあたりの気風のよさ。
     うむ。ウォーターズは気風の作家だったのかもしれない。

     物語はさかのぼっていく。
     登場人物が出会い、縁が語られていく。

     そして、最後のシーン。
     
     時間をさかのぼる構成は、なんだかなと思っていたが、このシーンで全ては氷解した。このシーンのためには、どうしてもさかのぼらなければならなかったのだ。
     それぐらい印象的なシーンだ。
     
     そして、そのシーンが呼び起こす登場人物たちの現状(小説の冒頭部分というべきか)
     切なさが、押し寄せてくるような読後感。

     いい作品なのか、どうかはよくわからない。
     けれど、やっぱりウォーターズはウォーターズで、彼女のほかに彼女のような作家はいないだけは、確かなのだ。

  • たぶん、ストーリーを語るだけだと何の変哲もない物語。でもちょっと変わっているのは、時系列が逆なんですね。結末が既に分かっている物語を逆に読む、というのは面白いんだろうかどうなんだろうか、と思うのですが。むしろはっきりと描かれない「過去の出来事」ってのは案外気になるもので。スムーズに遡って読めました。
    戦時中の暗い雰囲気もありますが、その中でそれぞれに生きていく登場人物たちの姿が、やや頽廃的な美しさで描かれています。格別大きな事件が起こるわけじゃないけれど、入り込めればぐいぐいと読まされました。
    やはりメインになるのは、女性たちの姿ですね。しかしそれにしても、いつの時代にも腹立たしい男っているものですね……っていうかいい加減別れろよ!と突っ込みっぱなしでした。どの時点をとっても、レジーにはむかつきました……最低だ~。

  • 戦時下のロンドンを舞台に、登場人物たちが織りなす群像劇。

    過去へと遡るごとに明らかになってゆく彼らの恋。
    この時系列の順番は、恋の輝きが永遠に戻らないことが強調されるようで、ひどく切ない。
    前作や前々作のようなミステリを期待すると肩すかしをくらうが、抑制された巧みな描写で読み手の気持ちをそらさず、牽引力は健在だと思った。

    恋に絡めとられた同性愛者たちのしっとりとしたシーンは、禁忌と抑圧あってのエロス。
    かぐわしく妖しくも美しい!
    ラストの奇跡的な美しさにも、胸が締め付けられてしまう。

  • ■夜毎ナチス・ドイツの空爆によって蹂躙されつづける1941年のロンドン。
    しかしかけがえのない愛は塵灰の中からも新しく芽生える。生き残った人々は黒煙の向こうに希望の光を見つけだす。
    ……新境地を開いたサラ・ウォーターズ渾身の傑作長編第三弾。

  • 1947年的倫敦,故事中的人物過得低調、平凡,然而人人似乎都帶著什麼樣不願回顧的過往與傷痕,接著倒敘1944年書中各人物在戰中的情景。故事寫作手法感覺很像展開卷軸的步調(但是倒敘),緩慢,帶著秘密性,小心翼翼地,靜靜地慢慢揭開的感覺。只讀上卷許多謎團都尚未解開,因此還無法評價,目前來說,有點沉鬱的步調,讓閱讀有時停滯不前的感覺,希望下卷能夠有一個精緻的開展。

  • 下巻の方にまとめます

  • 結婚相談所のヘレンは同僚のヴィヴィアンとお客に対応していた。女性の写真が貼ってあるアルバムを見せて紹介するのだ。ケイは借りている屋根裏部屋の窓のはたに立って、一階のレオナードさんの患者の出入りを見ていた。レオナードさんは霊感で治療をするという。今は1947年。戦争から2年たった。色々なものが変わっていく。人の心も。現在から遡るように人の過去を描く。それは戦火の日々の生活を思い起こすことだ。

  • 初読みしたときは登場人物が多く、話が立ち代わり出てくるわりに関係が見えないので苛立つ。最初の章が終わりかけの頃に、なんとなく方向性が見えてくる。最初にレヴューなどで人間関係を掴んでから読まないと読みづらい。

  •  淡々と。
     静かに、(登場人物たちにとって)あたりまえのような日常。けれども読み手にとってはなぜか引き込まれてしまう。

  • 登場人物の関係がイマイチ掴めないまま、
    読み進めていく。

    同性愛の三角関係は、僕の理解力の範疇を超えている。

    1947年から始まった物語は、1944年に後ずさる。

  • レズビアン同士の複雑な恋愛を描いた作品です。ミステリーかと思って読んだのですが、何がいいたいのか、よく分かりませんでした。

  • 戦後間もないロンドンの人間模様。
    暗く静かに流れるような時間。
    同性愛者を含む何組かのカップルのそれぞれの日々。それぞれの人間関係が少しずつ繋がっている感じ。
    とりとめが無く、結末がどうなるのかよく分からなかったけれど戦時中の過去の話になってようやく戦後の人間模様の複雑さが分かってきた。

    下巻でどうまとまるのだろう。

  • LONDON
    この街をテーマに、いくつもの作品を描くサラ・ウォーターズ。
    ヴィクトリア朝のロンドン、WWII後のロンドン…
    ロンドン、行ってみたい!!

    (図書館ピアサポーターLiLiA)

  • 内容
    1947年、ロンドン。第二次世界大戦の爪痕が残る街で生きる
    ケイ、ジュリアとその同居人のヘレン、ヴィヴとダンカンの姉弟たち。
    戦争を通じて巡り合った人々は、毎日をしぶとく生きていた。
    そんな彼女たちが積み重ねてきた歳月を、夜は容赦なく引きはがす。
    想いは過去へとさかのぼり、隠された真実や心の傷をさらけ出す。
    第二次世界大戦を背景に、赤裸々に活写されるのは人間の生と業、そして時間の流れと過ぎゆく夜。
    大胆な手法を駆使して、人間という存在の謎に迫る、ウォーターズ渾身の傑作。
    ブッカー賞最終候補作。

  • 図書館の本

    内容(「BOOK」データベースより)
    1947年、ロンドン。第二次世界大戦の爪痕が残る街で生きるケイ、ジュリアとその同居人のヘレン、ヴィヴとダンカンの姉弟たち。戦争を通じて巡り合った人々は、毎日をしぶとく生きていた。そんな彼女たちが積み重ねてきた歳月を、夜は容赦なく引きはがす。想いは過去へとさかのぼり、隠された真実や心の傷をさらけ出す。ウォーターズが贈るめくるめく物語。ブッカー賞最終候補作。

    やはりサラ・ウォーターズはレズものがおおいのか?
    ただ2次大戦後にズボンをはくのがどれくらい奇妙なのか、わからないのが残念。
    年代がだんだんさかのぼるから、
    だんだん謎解きされていく形なんだけど
    どうもグロテスクで。
    別に血なまぐさいわけではないのですが、グロテスク感がぬぐえないのはなぜでしょう?
    最後まで読んで、また最初から読み直せばいいのでしょうがそんな気分にもならない。。。。

    読んでいるときは人間関係を紐解こうと思って読めてずんずん読みすすめられておもしろかったけど
    もう読まなくていいかなぁと思うそんな作品。
    でもサラ・ウォーターズの作品はもうちょっと読んでみたいと思います。

    The Night Watch by Sarah Waters

  • 今までのウォーターズを知ってる人は驚くと思う。地味過ぎて。
    前2作はラストのどんでん返しが鮮やかで、むしろそこに注目が集まってた感があった。
    次はどんな仕掛けでくるんだろうって。

    で、今回。
    どんな技を仕掛けてくるのかとドキドキしながら読んでくと

    どんでん返しどころか事件らしい事件もほぼ起こらず。
    しかも物語の視点は過去へと遡るのでぶっちゃけ最初に結果が書かれちゃってる。

    …こうみるとなんかすごくつまんなそうですが(汗)

    いやいやいや、深いんですよこれは。
    下巻へ続く。

  • 第二次大戦前後のロンドンが舞台。これまでとはかなり作風を変えて、文学の領域へ。ムードがあり、登場人物の抱えた秘密と関わりを知っていくミステリ的な要素もあります。歴史物が好評というのが嬉しかったデビュー作「半身」、少女2人が主人公のディケンズ風味のエンタテインメント大作「茨の城」を期待すると、ちょっと違うかな〜。筆力の証明ではあります。次はどんな手で行くのか、興味あり。

  • 【所持有無】
    【読了日】090607
    【キーワード】
    【所感】
    【備考】

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