- Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488254070
感想・レビュー・書評
-
いろんなミステリを読んできましたが、シリアスなタイプのミステリを書く作家さんの中で、一番文章が好きな作家さんです。ミステリ作家とは呼べないかもしれないですが・・・。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
これがミステリといえるか否か解釈は微妙かもれない。
多くの方はゴシックホラーとして読むのではないか。
最後に全ての辻褄のあうようなミステリーがお好きな方の好みではないかも。
原題はThe Little Stranger。
邦題の『エアーズ家の没落』として"まるっと"読むならば、これは滅びの物語だ。
ラストに向けて、館はその不気味さを増していき、物語は怪奇ホラーの色を強く帯びていく。
これだけでも充分楽しめると思う。
だが、原題に意図される物語として読んでいけば、どこか”ひっかかり”を感じるはずだ。
そして、それはなぜかと問うていくと、この物語はもっと恐ろしい抑圧された執着と憎悪の物語となる。
そのことは、『エアーズ家の没落』という物語が持つ”遠い国の遠い昔の名家の伝説”から、急に現実感を伴うスリラーとしての意味合いを持たせるだろう。
著者が望むように"深読み"をし、読後にこの物語に"欠けているもの"を推理によって補っていく。
これこそが本書の醍醐味。 -
先の展開が全く読めない。
ゴシックホラー?超常現象モノ?実は人為的に企てられたモノ?
どうとも取れる展開で泥沼の中に引き摺り込まれる感じがする。
巻末に近づくにつれて精神的に追い詰められて壊れていくロデリックが下巻でどうなってしまうのか、どんな結末を迎えるのか…予測がつきません。 -
読むのに時間かかったぁ・・・
-
ヴィクトリア朝、そして館……ツボにはまらないわけがない。空いた時間にちょっとずつ読んでいたのだが、その度にすんなりこの物語にのめり込める。
-
イギリスの地方にある、かつての大領主家。荒廃し見る影も無くしたその大邸宅に身を寄せ合って暮す領主家家族。時が止まったように、暗い闇、湿った空気、くすんだ埃が屋敷内を覆いつくす。妄想なのか、何者かの悪意の所業なのか・・・ああ、なんなのなんなの??先が気になる・・・!!!