- Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488254070
感想・レビュー・書評
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面白くて、上下一気に読了。イギリスのジメッとした暗い雰囲気、答えのわからない不気味な事件、少しずつズレて狂っていく人間関係…じっとりとスリリングです。原文で読みたいな。
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医師のファラディーは子どもの頃にエアーズ家の園遊会に出席してからこの一家に憧れを抱いていた。メイドの急患で呼ばれたファラディーはエアーズ家の人たちと知り合いになり、当主のロデリックの足の治療に通ううちに、一家とも親しくなった。しかしこのエアーズ家には小さな異変が続く。ハンドレッドズ領主館が不気味だ。
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ジップゥゥゥ。。。。
はっきりと幽霊が現れる描写はないけど(唯一下巻の最後にだけある)小さな異変が積み重なっていく。陰鬱な屋敷でくらすエアーズ家の面々を、ちょっとずつちょっとずつ追いこんでいく恐怖。察しのいいひとなら、上巻でその犯人がだれかわかるはず。
サラ・ウォーターズ。素晴らしい作家を知ることができて良かった。 -
最初に明言しますがこの物語の真の主人公は人間ではなく「館」です。
「レベッカ」「ねじの回転」さらには「ずっとお城で暮らしてる」など館を舞台にしたゴシックホラーは枚挙にいとまがありませんが、本作もまたその系譜に連なる意欲作。
主人公は田舎の中年医師。
子供時代に訪れた領主館に憧れを抱き続ける彼が、ふとした事から一家と知り合いになり……
中年医師と不器量な令嬢の初々しくもじれったい恋愛模様などロマンス要素もあるのですが、最大の見所はやはりこれでもか!と詳細な館の描写。
時代がかった洋館の外観・内装・調度の様子が作者の美質である流麗な筆致で綴られ読者を陶酔に誘う。
洋館で連続する怪奇現象、徐徐に精神に変調をきたしていく住人たち。
ネタバレになるので詳細は省きますが、きちんとした解決を望む方にはお勧めしにくいかも。
ジャンルボーダーと言いますか、読み方によって全体の印象はおろか結論そのものがガラリと変わってしまう。最終的な解釈は読者に委ねられます。それがまたじわじわと恐怖を演出する。
英国・洋館・一族・騒がしい霊。
これらのキーワードに魅力を感じる方にお勧めです。 -
人物描写が丁寧で、なかなか面白い。ロデリックの苦しみが読んでいて辛いくらい。この先どうなるのかなぁ
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いろんなミステリを読んできましたが、シリアスなタイプのミステリを書く作家さんの中で、一番文章が好きな作家さんです。ミステリ作家とは呼べないかもしれないですが・・・。
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ヴィクトリア朝、そして館……ツボにはまらないわけがない。空いた時間にちょっとずつ読んでいたのだが、その度にすんなりこの物語にのめり込める。
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ファラデー先生だいすき!エアーズ家の人たち大好き!
と、思っていたら最後のほうつらくてつらくて…
読んでてどきどきするほどでした。