カササギ殺人事件〈下〉 (創元推理文庫)

  • 東京創元社
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レビュー : 312
  • Amazon.co.jp ・本 (382ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488265083

作品紹介・あらすじ

名探偵アティカス・ピュント・シリーズ最新刊『カササギ殺人事件』の原稿を結末部分まで読み進めた編集者のわたしは激怒する。こんなに腹立たしいことってある? 著者は何を考えているの? 著者に連絡がとれずに憤りを募らせるわたしを待っていたのは、予想だにしない事態だった――。現代ミステリの最高峰が贈る、すべてのミステリファンへの最高のプレゼント! 夢中になって読むこと間違いなし、これがミステリの面白さの原点!

感想・レビュー・書評

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  • 上巻冒頭の仕掛けが効果を発揮する下巻。
    今まで読んできた『カササギ殺人事件』の《外》の、もう一つの事件の謎と、本来の?殺人事件の謎。本の中の本での謎と、本の外の謎。2つ(小説と現実)の事件の奇妙なシンクロと、2つの謎解きが一冊で味わえる面白さに唸りました。

    面白かったです。

  • アガサ・クリスティへのオマージュ作品のような雰囲気たっぷりの上巻から一転、下巻は現代へと舞台を変える。
    しかも上巻に終了されていた『カササギ殺人事件』の原稿は結末部分が欠落していたのだ。
    編集者のスーザンは困惑するが、さらに『カササギ殺人事件』を書いたアラン・コンウェイが自宅の敷地内で転落死するという驚愕の事件が起きて…。

    ここからはネタバレにも関わるので読みたくない方はレビューを閉じて下さい。




    なるほど、これは作中作の『カササギ殺人事件』と、その作家アラン・コンウェイの転落死、二つの事件が巧妙に絡み合っている二重構造になっているのか。
    様々な仕掛けは作家アラン・コンウェイのものと、この作品そのものの作家アンソニー・ホロヴィッツによるものとのこれまた二重構造になっている。
    これだけの仕掛けを考えるのは大変だっただろう。

    ただ個人的好みを言えば、作中作の『カササギ殺人事件』を素直に読みたかったかな。そちらの方はミステリーとしてはもちろん、それなりに汲むところ納得出来るところがあったが、現代バージョンの方は主人公含めて共感出来るキャラクターがいなかったこともあり、読み進めるのに苦労した。
    せめて『カササギ殺人事件』みたいに実は…みたいな展開があったら良かったのだが。

    ミステリーとしては楽しめた。英語が得意ならこの感じをもっと楽しめただろう。

  • ー こんな腹立たしいことってある?

    と、名探偵アティカス・ピュント・シリーズの編集者スーザン・ライランドの怒りが炸裂して始まる下巻。
    確かに上巻のあれはない。スーザンは気の毒だけど、我々読者は確かに最初に「警告」は受けていたからね。仕方がない。

    下巻は、そんなことになってしまった原因を追求するスーザンの探偵物語。腹立たしさは解消するのか?

    一筋縄でいかなさ加減が半端でなく、英国らしいというか何というか…。余計に引き込まれて読んだ下巻。
    作中作と現実と2つのミステリーが密接に絡まって交錯する。精緻な内容に「見事!」としか言いようがない。
    複雑さに心配したけど、最後はスッキリとさせてくれました。とても楽しめました。

    因みに、作中作の犯人はわからなかったけど、現実の方は最初から怪しい…と睨んでいた人でビンゴ!でした。

    アンソニー・ホロヴィッツさんは、もともとヤングアダルト系の作家だそうで初めて読んだけど、他のも読んでみたい。この秋に日本での新作「メインテーマは殺人」出てるけどなかなか評判良いですね。

  • (上巻より続く)
    下巻の現代に場面が変わり、『カササギ殺人事件』の編集者のスーザン・ライランドの視点に変ってからは、本当に一気読みでした。面白かったです。
    どういうところが、クリスティ作品へのオマージュなのかも、丁寧に説明されていて、納得しました。確かにひどい残虐なシーンなどもなく安定して落ち着いて読める趣のあるミステリーだとは思いました。
    でも、最後の解説にあるような、21世紀の謎解きミステリーの最高峰とまでは思わなかったです。

  • 上巻読了後すぐに読み始めた下巻の冒頭、「!!??」という衝撃は忘れられません。
    衝撃の余韻が覚めぬまま読みはじめ、状況が理解できてくるにつれ、今度は「やられた…!」という悔しさとそれを上回るわくわく感が押し寄せてきました。

    これから読もうとしている未読の方のお楽しみを奪わないよう、詳細なレビューは自分だけの備忘録にメモ。

  • この本が出たときはみんなキャッキャと大騒ぎでしたね。

    ワイワイしているのを目にすると、
    何故か反感を持つひねくれ者の私は、
    ちょっと距離を置いてみていましたが、
    やはり堪えきれず、購入し読みました。

    面白かった、面白かったけれど、
    決してミステリ界をぬりかえる傑作とか
    そういうのじゃないと思う。

    また、読み返したくなるタイプの本ではない。

    やっぱり私は、トリックとか謎解き以上に、
    素敵に格好良い人物が、
    相棒とともに事件を解決する、みたいのが好きなんだな。

    だって、この「カササギ…」に出ている人って、
    出てくるだけで、
    感情移入できるほど人物が描かれていないでしょ。

    謎を解き明かしながら、登場人物に深みをもたせるって
    実はすごく大変なことなんだとわかった。

    だから、ホームズやモースやフレンチって
    やっぱり『奇跡』なんだね。

    このカササギを読んで、いろんな人がクリスティを
    読み直したくなった…と書いていたけれど、
    私が読み直したくなったのは、ウィリスの「ブラックアウト」と「オール・クリアー」、
    これにずっとクリスティを読んでる女の子が出てきたよね。

  • 読み始めてすぐ、「わたし」に渡された原稿は結末部分がなかったことが判明した。ほどなくして著者であるアランが亡くなったこと、出版社にアランからの遺書と思しき手紙が届いていたことが判明する…ここまでは想像の範疇であったものの、謎解きを行うのが一般人である「わたし」であることがかなり意外だった。

    あくまで「わたし」は一般人なので、容疑者を絞り込む際の思考の流れが丁寧に書かれていて、欠落している謎解き部分で触れられるはずの伏線となる箇所も早くから読者に提示していることにも驚かされ、また作者の自信を感じた。

    ある箇所を読んでおかしいなとは薄々思っていたものの、作中作と「わたし」のいる世界が×××を×××××ことでつながり、なぜこの小説が入れ子構造になっているかが明らかになるくだりはやられた!と思わずにいられなかった。上巻のプロローグにある通り、「最後にすべてをすっきりと説明してくれて、どうして最初から気がつかなかったのだろうと地団駄を踏まずにはいられない、満足のいく種明かし」だったと思う。

    総じて満足度が高い本だったけれども、2つの事件のどちらも後味が少し悪いので、スッキリした後味が欲しい方はその点を心しておくといいと思われます。

  • 高揚した気持ちのまま下巻に移った時、え!?
    っと固まってしまう。
    私には衝撃的だった。
    えっ!?どういう事!?

    それこそがこの作品が大絶賛されている仕掛けなのだと分かるまで、私の頭は、え!?え!?えーーー????

    こんな展開は私が読んだ本では初めてだったな。

    フーダニットは大好物の私。
    謎解きの方は、伏線をおさらいしてくれるのが有難い(笑)
    探偵役と一緒になって考える面白さも十分×2味わうことが出来た。

    自分に英語が出来たのなら、原作で読んでみたい作品だったな。

  • アンソニーホロヴィッツ?
    荒木飛呂彦のイラストで覚えてた。

    ストーム・ブレイカーシリーズの人だよね?

    そのあとホームズのパスティーシュを
    やって、公認のジェームズ・ボンドをやってと…
    ティーン向け作家をしていた反動か、やたらと「箔」のついた物件を攻める作家なのか?
    と疑い
    「次はクリスティいったれ!…でもクリスティっぽいのをただ書くのじゃつまらんので、一小説丸々別の話で包んでみたらどうか?」とか、考えたんじゃないの?と更に疑惑を募らせ

    なかなか手に取らなかったのだけど

    逆に考えると「ミステリー愛」無くしては出来ない。なかなかプレッシャーの大きな作品を書いてきたって事なのかも?とか考えつつ読み始める。

    (読み終えて)
    物語は、主人公の編集者が小説「カササギ殺人事件」を読みだすところから始まる。
    このある作家の新作「カササギ殺人事件」を読んでると、たびたび
    「アレ?今何を読んでるんだっけ?」と思うくらい、クラシックで王道なクリスティっぽい雰囲気の探偵小説が続く…

    そして上下巻には理由が…
    全体的にド王道ミステリーとしか言えないのですが、出版業界、作家志望あるあるやらを絡めて来て面白い。

    もう一度読むと気づきもあるようなので、またしばらくしたら読む予定

  • 「ミステリーとは何か?ミステリー好きは何を求めているか?」
    の答えがぎっしり詰まっているのが、解き明かしてくれるのがこの本でしょう。
    「ええっ!?うそ、それ無いよ、だまされた、初めから言ってよ、僕はそれが嫌いだ!」というのが夫です。そんな人はほっときましょう~~(笑)
    ミステリー好きはそれがたまらないのです。喜んで騙されましょう。登場人物をくまなくチェックして、ヒントを見つけたらほくそえんで、悦に入りましょう。作家は執筆の際そこに呻吟しているのです。
    この本はミステリー好きなら誰でも知っている、過去の作品の人物の名前、土地、風景、タイトル、ストーリーなどなど数知れず散りばめられ、それを意識するのも楽しいものです。
    もちろん、謎解きも王道です。

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著者プロフィール

1955年生まれ。イギリスの作家、脚本家。世界で1900万部の人気を誇る「アレックス・ライダー」シリーズや、コナン・ドイル財団公認のシャーロック・ホームズ・パスティーシュ『絹の家』『モリアーティ』を執筆するなど、多数の著書がある一方、「刑事フォイル」など脚本家として数多くのテレビ・ドラマ作品を手がける。18年『カササギ殺人事件』は年末ミステリランキング4冠を達成。

「2019年 『007 逆襲のトリガー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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