カササギ殺人事件〈下〉 (創元推理文庫)

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  • / ISBN・EAN: 9784488265083

作品紹介・あらすじ

名探偵アティカス・ピュント・シリーズ最新刊『カササギ殺人事件』の原稿を結末部分まで読み進めた編集者のわたしは激怒する。こんなに腹立たしいことってある? 著者は何を考えているの? 著者に連絡がとれずに憤りを募らせるわたしを待っていたのは、予想だにしない事態だった――。現代ミステリの最高峰が贈る、すべてのミステリファンへの最高のプレゼント! 夢中になって読むこと間違いなし、これがミステリの面白さの原点!

感想・レビュー・書評

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  • 下巻を読み始めて数秒で盛大な「なんやて工藤(CV.堀川りょう 名探偵コナン 服部平次Ver.)」をかますことになるとは。

    下巻へ持ち越しと思われたピュント探偵の推理お披露目がまさかのお預け...。だって原稿無いんですもの。とまぁ、読者のこの落胆はそのまま語り手なるスーザン・ライランド編集者様が完璧に再現してくれています。読者以上に憤ってくれています。
    つまりこの下巻は上巻の続き、「アティカス・ピュントシリーズ最新作のクライマックス」では無く、時は現代に戻り、この作品を産み出した作家アラン・コンウェイの訃報と、消えた「カササギ殺人事件の結末部分」をスーザンが執念の名のもとに我等読者の声援を盛大に受けながら追い求めるのが大きな道筋。
    しかしなんと言うか...しっかりと手の上で踊らされておりますなぁ。あぁ気持ち良き(小声)

    ここでの大きな疑問は、アランの死が「自殺」か「他殺」か。一人疑問を持ったスーザンは消えた結末を追う中、アランの周りの人間達と、「カササギ殺人事件」の登場実物の類似に気付く。「誰」が結末部分を隠蔽したのか。隠蔽されたのだとしたらアランの死には他人の介入が疑われるのではないか。
    上巻に続きステージを変えてもコッテコテのフーダニット作品であり、脳内キャパは勿論、ワクワクで心のキャパもはち切れ寸前です。
    ーーーーーーーーーーーーーーー

    カササギ殺人事件ピュント探偵が暴く結末と、アラン作家の死の真相の豪華コラボクライマックスでは、全ての言葉に目をキラキラさせていたものだったのだが、どちらも爆発度は低めに感じた。なにより、イリュージョン(後出し)で現れる動機、その他諸々は個人的にミステリの禁忌を犯してると感じてしまう。しかし、テンションゲージを無茶苦茶に振り回されるのは嫌いじゃない。

    この作品を読んでいて何が楽しいって、ミステリ愛の深さがこれでもかと言う程感じられた所だ。私個人は本の虫とは到底呼べないにわかお嬢ちゃんだが、それでも海外作品のオマージュが出るとそれなりに心躍るし、そんな作品を手に取っているだけで嬉しく感じる。スーザンに自身を投影できなくても、ミステリを愛す彼女の言動には一々魅力を感じてばかりだった。
    ーーーーーーーーーーーーー

    今月はどうも読書に時間が割けない日々を送ることになりそうだし、(上巻レビューの続きになりますが)残念ながら私の人生は私のまま晴天を迎える事となりましたが、フーダニットINフーダニットな欲張りセットのこの作品を手に取って大正解でした☆

  •  ページを繰る手が止まらなかった。っというか、目と手がページに吸い付けられて離れなかった。お陰で、朝の4時までかかって一気に読み終えた。連休で良かったあ。でも今日はゴミの日。何とか7時に起きて、ゴミだけ出してまた寝た^^。
     そりゃあ、だってね。上巻の最後で作中作「カササギ殺人事件」の殺人犯が分かったと言っているのに、下巻を開けてみれば、その肝心の最後の部分の原稿がない!!しかも作者のアラン・コンウェイが死んだとなりゃあ、この小説の語り手でありアラン・コンウェイの「アティカス・ピュントシリーズ」の出版社の編集者スーザンと共に血眼になって探すでしょう!失われた原稿を。
     ところが、スーザンが「失われた原稿」を探し始めるとどうしても違和感に気づく。作者アラン・コンウェイは本当に自殺だったのか?と。そしてどうしても真相を知りたくてアラン・コンウェイの身辺の人の話を聞くうち、その一人一人が作中作の「カササギ殺人事件」の登場人物に重なり怪しい。調査を重ねるうちに、スーザン自身にも殺意の手が伸びているような危機感を感じる。
     すっごい!これって「マトリョーシカ・サスペンス」じゃん!
     ひょっとしてアランは作中作「カササギ殺人事件」の中で、何か示唆してる?
     最後には栗饅頭の極上の皮と餡子の中から、大粒の栗にたどりつけた満足感がありました!

    • たださん
      まこみさん
      一気読みの完読、お疲れさまでした(^∇^)
      正直言って、事件の真相は全く覚えていないので、これ以上、深い話は出来ません(^^;)...
      まこみさん
      一気読みの完読、お疲れさまでした(^∇^)
      正直言って、事件の真相は全く覚えていないので、これ以上、深い話は出来ません(^^;)
      ただ、まこみさんのレビューをきっかけとして、昔の自分のレビューを読んだ時、アラン・コンウェイの作家性といいますか、結局、アランの真の素顔を知る人間っていたのだろうか? といったことを思い出し、それと、当時のイギリス社会の鬱屈した一面を書かれていた、まこみさんの前編のレビューとが響き合ったような気がしまして、改めて、色々と考えさせられました。ありがとうございます。
      最後は皮と餡子の件も納得出来て、良かったですね(*'▽'*)
      2024/01/08
    • Macomi55さん
      たださん
      なんだかねー。作家の内面って複雑なんだなと知りました。アンソニー・ホロヴィッツ自身もそうだったのかな?だからこそ、とうり一遍で終わ...
      たださん
      なんだかねー。作家の内面って複雑なんだなと知りました。アンソニー・ホロヴィッツ自身もそうだったのかな?だからこそ、とうり一遍で終わらせない、古典もオマージュした上質ミステリーを生み出したのかなっと。
      ところで、アンソニー・ホロヴィッツ、アラン・コンウェイ、アティカス・ピュント、みんな「あ」で始まるからややこしいですね。そこにまで何か隠されてるのかと思ってしまいます。
      2024/01/08
    • たださん
      まこみさん
      作家の内面の複雑さ、ありそうですよね。作家も人間ですし、他人に見せる顔と、一人になったときのそれとの違いもあるのかな、なんて気に...
      まこみさん
      作家の内面の複雑さ、ありそうですよね。作家も人間ですし、他人に見せる顔と、一人になったときのそれとの違いもあるのかな、なんて気になりましたし、アランの求めていたものなんか、まさにそれが関係あるのかなと感じました。
      それから、人物の名前について、推理ものではよくある、アナグラムとか勘繰ってしまいますよね。確かに何かありそうな気もしましたが、もはや覚えていない(^^;)
      ホロヴィッツの作品は、いずれも人気が高いから、却って、読むのを後回しにしている内に、何となく、もういいかななんて思ってましたが、ちょっと考えが変わってきましたよ。
      久しぶりに読んでみようかな(^^)
      2024/01/08
  • かつてない構成のミステリーに驚嘆! 現実と創作が交錯、究極の伏線回収が凄すぎる下巻 #カササギ殺人事件

    カササギ殺人事件の小説を書いたアランコンウェイが亡くなった。出版社の担当者は探し物とともに、アランコンウェイの死について調査するが、不穏な真相が見えてくる。物語と現実が入り交じり、主人公はカササギ殺人事件の驚愕な結末にたどり着く。

    なにこの下巻!
    もうミステリー2つじゃん。しかもこの2つ話の絡み具合が超絶アツいし。

    正直こんな構成のミステリーは読んだことありません。なんとなくの作中作ではなく、上巻、下巻が綿密に絡み合って、1つの大きな物語を形成しています。

    上巻は古き良き本格海外ミステリー、下巻からは一気に現代ミステリー&すべての真実解明。ぐいぐい引き込まれる展開がマジで凄い。ミステリー好きは仕事を休んでまで読み続けてしまう危険があります。

    上巻の伏線回収も素晴らしく、手のかけようがえげつない。こんなに深いお話だったとは!2つのミステリーの真相もビビりました、ホント面白い作品です。

    そしてなんといっても、ミステリー愛ですよ。間違いなく作者はミステリーマニアですし、面白い作品を作ろうとしている愛にあふれています。こんな物語を生きているうちに読めるとは幸せなことです。

    ただ正直海外ミステリーなので、ちと読みづらいのは否めません。人物リストを見ながらじっくり読めば問題ありません。

    本格ミステリーファンは必読の書ですよ。ヨルガオ殺人事件も必ず読みますっ

    • Kaniさん
      読みたすぎる、、、(✽´ཫ`✽)
      読みたすぎる、、、(✽´ཫ`✽)
      2022/03/08
    • autumn522akiさん
      Kaniさん、いつもコメントありがとう!

      ミステリー好きなら少なくとも死ぬまでには読むべき。断言。
      ぜひ読んでくれいっ
      Kaniさん、いつもコメントありがとう!

      ミステリー好きなら少なくとも死ぬまでには読むべき。断言。
      ぜひ読んでくれいっ
      2022/03/11
  • あれ?上巻の話は?登場人物たちはどこ?と彼らを探してしまった(せっかくカタカナの名前を覚えたのに…)。
    しかし!なるほど…。もう一つ物語が始まる。そしてここでも殺人事件が。
    この真相をある探偵役が紐解いていく。

    緻密な構成は見事だと思った。よく考えつく。
    でもちょっとうんざりし、読むのが面倒になってしまった。私には面白さが感じられず、合わなかったのかも。辛口ごめんなさい。

    (他)
    作中、アガサ・クリスティが生前、自分が生み出した名探偵エスキュール・ポアロを嫌い、罵っていた、という話が面白かった。
    こういう作家さんって他にも居そうだ。

    • なおなおさん
      1Qさん、待てコラ!出て来い!
      (・∀・ )o――<o―д-)oズリズリ
      1Qさん、待てコラ!出て来い!
      (・∀・ )o――<o―д-)oズリズリ
      2023/04/19
    • ポプラ並木さん
      なおなおさん、コメント遅くなりましたが、共読です。ダメでしたか・・・作中作、自分の中では楽しめました。疲労感たっぷりの読書でしたよね。。。
      なおなおさん、コメント遅くなりましたが、共読です。ダメでしたか・・・作中作、自分の中では楽しめました。疲労感たっぷりの読書でしたよね。。。
      2023/04/28
    • なおなおさん
      ポプラ並木さん、おはようございます。
      まさか作中作とは思いませんでした。思えば上巻の冒頭からそうでしたよね。この書き方は面白いなと思いました...
      ポプラ並木さん、おはようございます。
      まさか作中作とは思いませんでした。思えば上巻の冒頭からそうでしたよね。この書き方は面白いなと思いましたが、面倒になってしまった…^^;
      ごめんなさいっっ_| ̄|○))
      2023/04/28
  • 【感想】
    あれ、この本が下巻で合ってる?
    そう思って、冒頭のページから上巻のラストに何度か引き返してしまった。だが、間違いなく物語の続きはこの本から始まっていく。そして、これが本書の際立ったトリックである。

    カササギ殺人事件<下>では、上巻とはうってかわって、現代のロンドンの出版社を舞台とした第2のミステリが繰り広げられていく。
    上巻――ロンドンの片田舎で起こった事件をアティカス・ピュントが解き明かしていくミステリ――は、実はアラン・コンウェイというミステリ作家の新作の一部であった。新作の原稿(=上巻)が出版社に持ち込まれるのだが、結末がごっそり抜けていることが発覚する。しかし、著者であるアラン・コンウェイは自宅から転落死しており、結末のありかが分からない。編集者のスーザンは、結末部分を探すためアランの関係者を尋ねるのだが、アランにまつわる人間関係が、全てアティカス・ピュントの物語の設定と合致していることに気づく。こうして、「上巻のミステリの結末+下巻の新ミステリ」の2つの謎を、新主人公・スーザンの視点から同時に解き明かしていく、という作品になっている。

    非常に目新しいタイプのミステリであり、各所で高い評価を受けたのも納得である。
    だが、個人的な感想を言わせてもらうと、上巻がそれ単体で抜群に面白かったので、下巻でわざわざ新たな登場人物を増やして謎を追加したのは蛇足ではないか、と思えてしまった。本書は劇中劇の方式を取っているため、プロットが幾重にも重なってストーリーが複雑になっている。ここを「分かりにくい」と取るか「深みが増している」と取るか。私がメタ形式の作品を好きではないという理由もあるのだが、上巻のみで完結させたほうがシンプルにまとまって完成度が高かったのでは、と感じた。

    とはいっても、劇中劇を駆使したダブルミステリ方式、というのは他の作品では味わえない要素であり、新奇的なミステリ小説を求める人にはお勧めの一冊と言えるだろう。

    「ミステリとは、真実をめぐる物語である――それ以上のものでもないし、それ以下のものでもない。確実なことなど何もないこの世界で、きっちりとすべてのiに点が打たれ、すべてのtに横棒の入っている本の最後のページにたどりつくのは、誰にとっても心の満たされる瞬間ではないだろうか。わたしたちの周囲には、つねに曖昧さ、どちらとも断じきれない危うさがあふれている。真実をはっきりと見きわめようと努力するうち、人生の半分はすぎていってしまうのだ。ようやくすべてが腑に落ちたと思えるのは、おそらくはもう死の床についているときだろう。そんな満ち足りた喜びを、ほとんどすべてのミステリは読者に与えてくれるのだ。それこそが存在意義といってもいい。だからこそ、「カササギ殺人事件」はこんなにも、わたしの苛立ちをつのらせる。」

  • 下巻は一気読みでした。
    誰が犯人なのかをずーっと追っていくので、続きが気になり、ページをめくる手が止まりませんでした。
    最後には真相も分かるので、スッキリ。
    大満足で読み応えのある作品でした。

  • カササギ殺人事件の後半戦。今度は21世紀の現実を舞台に前半の作中作を手がけたアランの死の謎を編集者である、スーザンが結末の書かれた原稿を探しながら死の謎に踏み込んでいくという内容。
    上巻で作中作をやり通して、スーザンの気持ちを味わった後にアランが何を残したのかを探していくところがとても面白かった。まさかの自分が今まで書いていた小説にヒントが隠されているというところが面白かった。自分は嫌でも、周りが求めているから続けている、だけどもう耐えられないから最高の悪口とともに去ろういう発想は自分としては結構好みであるがそれを犯人に見つかり殺されてしまうのはとても悲しいなぁと思いました。また犯人の動機も怨恨等ではなく単に家族と自分の生活を守りたいからと言うところと小説の中の犯人の彼女との生活を守りたいという所がシンクロしており、とても完成度が高い小説であると感じました。ピュントとしての物語は終わってしまったものの、スーザンとしての物語は続くようなので次回作も読んでみたいと思いました。

    この作品をアニメ化した際の声優陣を自分なりのキャスティングしてみたので読む際に参考にしてください(敬称略)。
    スーザン・ライランド:日笠陽子
    アンドレアス・パタキス:櫻井孝宏
    チャールズ・クローヴァー:山路和弘
    ジェマイマ・ハンフリーズ:佐倉綾音
    フランシス・パイ/メリッサ・コンウェイ:田中敦子
    マーク・レドモンド:鳥海浩輔
    ドナルド・リー:松岡禎丞
    サジット・カーン:三宅健太
    ケイティ:茅野愛衣
    アティカス・ピュント:大塚明夫
    ジェイムス・フレイザー/ジェイムズ・テイラー:内田雄馬
    クラリッサ・パイ/クレア・ジェンキンズ:日高のり子
    ロバート・ブラキストン:花江夏樹
    ロビン・オズボーン/トム・ロブソン:置鮎龍太郎
    ジョージー・サンダーリング:本渡楓
    ジョニー・ホワイトヘッド/ジョン・ホワイト:小山力也
    レイモンド・チャブ/リチャード・ロック:堀内賢雄

  • 表紙裏の登場人物リストが、上巻とはすっかり別人に。
    え? マグナス・パイ殺人事件の謎解きではないの?
    数ページ読んで「な~るほど、そう来たか」と驚嘆。
    これは、上巻プロローグで登場した編集者 スーザンが語る
    『カササギ殺人事件』の著者、アラン・コンウェイの物語。

    最終章が見つからないまま、著者のアランが他界してしまう。
    遺書があり、自殺と思われる。
    しかし、スーザンは他殺ではないかと疑い
    失われた最終章を探しつつ、事件を探り始める。
    今度はスーザンが探偵の立場に。

    著者アラン・コンウェイを取り巻く情景と人間関係。
    それは上巻で語られたアランの作品と奇妙にシンクロする。
    様々な人間がそれぞれにアランに対する“憎悪”を語り出す。
    彼が亡くなったことを喜ぶ人ばかり。
    殺人だとすれば、容疑者だらけ。
    因みに、プロローグで登場したスーザンが付き合っている男性。
    彼は下巻で大切な役割を担う。

    そして、上巻の最初に敢えて記載されていた
    アランの著作の一巻から八巻までの題名。
    アナグラムが好きだという、著者アランのこだわりが明かされる。
    そのために、わざわざ記載する必要があったんだ。
    ほかにも、色々なところに遊びが隠れている。
    『カササギ殺人事件』の登場人物には鳥の名前がついているとか。
    殺された屋敷の主の名前はマグナス・パイだったが、
    magpieとは、カササギのことなのだそう。
    原題は “MAGPIE MURFERS” で、“殺人”は複数名詞。
    ふむ、ふむ、なるほど。

    スーザンが追っていたアランの事件は衝撃的な結末を迎え、
    上巻の最後にぷつんと切れていたアラン作品の最終章も提示される。
    上巻 プロローグの最後でスーザンが語った
    「この作品は私の人生をすべて変えてしまった」は
    決して大げさな表現ではなかったと、最後に納得でした。

  • 素晴らしいストーリー展開!Horowitzへの素直な称賛を送りたい。上・下巻でストーリーが一気に変わるがすべてがつながっている。上巻での殺人、さらに下巻でも上巻に関連する殺人。初めての体験でした。上巻での予想は勿論外れた。メアリブラキストンの死の真相には「えっ?」、サー・マグナスの死の真相には「なるほど~」となった。後者の死には多くの容疑者が一致したベクトルをなし、複雑な糸の絡みが紐解けた瞬間心地よさを感じる。下巻のアラン・コンウェイの出てくる探偵小説への想いには「ニヤニヤ、笑」。高評価には納得です。⑤↑

  • えぇ~?!
    まさか、上巻が丸々前振りだったとは。
    この構成に一番驚いた。
    主人公は編集者。カササギ殺人事件の小説の著者が死んだ。小説の事件の犯人は?著者を殺した犯人は?なぜ?
    現実と小説のふたつの事件が交差しながら、真相が明らかになる瞬間、見事に繋がる。
    カササギ殺人事件だけでも完成度は充分高いのに、それを前振りにして更に事件を起こすなんて…
    アガサ・クリスティ愛、ミステリー愛がいっぱい詰まった作品だった。

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著者プロフィール

Anthony Horowitz
イギリスの作家。1979年、冒険小説『Enter Frederick K. Bower』でデビューし、YA(ヤングアダルト)作品「女王陛下の少年スパイ!アレックス」シリーズ(集英社)がベストセラーとなる。ドラマ『刑事フォイル』の脚本、コナン・ドイル財団公認の「シャーロック・ホームズ」シリーズの新作『シャーロック・ホームズ 絹の家』(KADOKAWA)なども手掛ける。アガサ・クリスティへのオマージュ作『カササギ殺人事件』は、日本でも「このミステリーがすごい!」「本屋大賞〈翻訳小説部門〉」の1位に選ばれるなど、史上初の7冠に輝く。続く『メインテーマは殺人』『その裁きは死』『ヨルガオ殺人事件』(以上、東京創元社)も主要ミステリランキングで首位を取り、4年連続制覇を達成した。


「2022年 『ホロヴィッツ ホラー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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