メインテーマは殺人 (創元推理文庫)

制作 : 山田 蘭 
  • 東京創元社
4.02
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本棚登録 : 784
レビュー : 55
  • Amazon.co.jp ・本 (496ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488265090

作品紹介・あらすじ

自らの葬儀の手配をした当日、資産家の婦人が絞殺される。彼女は殺されることを知っていたのか? 作家のわたし、アンソニー・ホロヴィッツは、テレビ・ドラマの脚本執筆で知り合った元刑事のホーソーンから連絡を受ける。この奇妙な事件を捜査する自分を描かないかというのだ……。かくしてわたしは、きわめて有能だが偏屈な男と行動をともにすることに……。7冠制覇『カササギ殺人事件』に続く、ミステリの面白さ全開の傑作登場!

感想・レビュー・書評

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  • ミステリが読みたい!2020年大賞受賞。
    昨年の『カササギ殺人事件』に引き続き、手に取りましたが、これは文句なしの大賞だと思いました。

    自らの葬儀に手配をしたまさにその日に殺された資産家の老婦人。そして元刑事ホーソーンとともに事件を捜査し始める、ドラマ脚本家の「わたし」こと作者自身のアンソニー・ホロヴィッツがワトスン役を務めます。
    捜査中に第二の殺人が起こり、事件の果たしてどの人物が犯人かわかったところで、上手いっ!と思いました。
    アガサ・クリスティをやはり思い出しました。
    伏線の張り方も見事で、最後の解説の章ではうなることしきりでした。

    本編の続編The Sentence is Death、も来年刊行予定で、その続きも十作程ある予定だそうです。
    『カササギ殺人事件』の続編もあるそうです。
    古きよき時代のミステリーを彷彿とさせつつ、全然旧くない、このしてやられた感がまた味わえるのかと思うとものすごく楽しみです。

    • やまさん
      まことさん

      こんにちは。
      『蜻蛉の理 風烈廻り与力・青柳剣一郎』への、いいね!有難う御座います。
      小杉健治さんの本は、時代小説はよ...
      まことさん

      こんにちは。
      『蜻蛉の理 風烈廻り与力・青柳剣一郎』への、いいね!有難う御座います。
      小杉健治さんの本は、時代小説はよく読んでいますが、中には字が小さくて読めない本もあります。
      風烈廻り与力・青柳剣一郎は、2016.12.11に1巻目を、字が小さいですが最初なので無理して読みました。
      次は、何とか読める最小の字の大きさの12巻から読んで行きました。
      すごく面白いですよ。

      やま
      2019/12/08
    • くるたんさん
      まことさん♪
      こんばんは♪共読増えましたね♪
      文句なしの大賞に激しくうなずいちゃいました♪
      終盤はあー!そういうことか!!
      当たり前だけど、...
      まことさん♪
      こんばんは♪共読増えましたね♪
      文句なしの大賞に激しくうなずいちゃいました♪
      終盤はあー!そういうことか!!
      当たり前だけど、ちゃんと犯人いたんですよねぇ…(⁎˃ᴗ˂⁎)
      2019/12/08
    • まことさん
      やまさん♪こんばんは!
      こちらこそ、いつもありがとうございます。
      ご自分の、得意な分野の本があるっていいですね(*^^*)
      私は、あち...
      やまさん♪こんばんは!
      こちらこそ、いつもありがとうございます。
      ご自分の、得意な分野の本があるっていいですね(*^^*)
      私は、あちらこちら読んで、これというものがあまり、ありません。
      2019/12/08
  • 何度も膝をポン!面白かった。

    資産家の老婦人が自らの葬儀を手配した六時間後に絞殺された。
    そしてお約束の次なる殺人事件。
    老婦人の過去が関係するのか、興味を惹かれるトピック、構成にじっくり最後までひきずりこまれた。

    一つ一つ謎に迫っていく過程は文句なしに胸が高まるし、偏屈個性的な相棒 ホーソーンに対して、コロコロ変わる英国の天気のように七変化する、させられるアンソニーの気持ちも面白い。

    全ての謎が解かれていく時間は唸る。あぁ、そういうことか!と、何度も膝をポンと打ちたくなった。

    「カササギ…」よりもコンパクトで万人受けしそうなミステリに拍手。

    • くるたんさん
      まことさん♪
      こちらにコメありがとうございます♪
      そうそう、正統派ミステリですよね♪
      絹の家、出てきましたね。
      この作品は実在する人物はもち...
      まことさん♪
      こちらにコメありがとうございます♪
      そうそう、正統派ミステリですよね♪
      絹の家、出てきましたね。
      この作品は実在する人物はもちろん作家さんのお仕事も垣間見れて面白かったですね♪

      本と鍵の季節、検事の信義、良いですね♪♪
      ゆっくり楽しんでくださいね(*≧∀≦*)
      2019/12/08
    • まことさん
      くるたんさん♪
      スティーブン・スピルバーグも出てきましたね(*^^*)
      くるたんさん♪
      スティーブン・スピルバーグも出てきましたね(*^^*)
      2019/12/08
    • くるたんさん
      まことさん♪そうそう!そのシーン、じっくり読んだ記憶が(*≧∀≦*)
      まことさん♪そうそう!そのシーン、じっくり読んだ記憶が(*≧∀≦*)
      2019/12/08
  • 斬新な手法で読者をあっと言わせた『カササギ殺人事件』のアンソニー・ホロヴィッツが、今度は正攻法で読者に挑む、フェアな叙述による謎解き本格探偵小説。しかし、そこはホロヴィッツ。大胆な仕掛けがある。なんとホロヴィッツ自身がワトソン役となって作中に登場し、ホームズ役の探偵とともに事件を捜査し、身の危険を冒しつつ解決に導くというから愉快ではないか。

    ホームズ役をつとめるのは元ロンドン警視庁の腕利き刑事ダニエル・ホーソーン。過去に問題を起こして免職となったが、その腕を惜しむ元上司がいて、難事件となるとお呼びがかかる。警察の顧問(コンサルタント)として独自に捜査を行うというからまさにホームズそのもの。ただし、このホーソーン、口は悪いし、人付き合いも悪い。仲間内では鼻つまみ者で、妻とも離婚し、今は一人暮らしという、いささか剣呑な人格の持ち主だ。

    ホロヴィッツとの接点は『インジャスティス』というテレビ番組の脚本を担当した時、ホーソーンが警察のやり方を教える係として一緒に行動したことがある。そのときも、頑固で自分の意見に固執する融通の利かないやり方に閉口したホロヴィッツは、二度と組みたくないと思っていた相手。ところが、ある日、そのホーソーンから一度会って話がしたいと電話がかかってくる。その話というのが、今自分が関わっている事件が面白い。本にしないか、というものだった。

    しばらく会っていなかったはずなのに、会うやいなやホーソーンは作家の近況をすべて知っている口ぶり。不思議がる作家にホーソンがその推理を語って聞かせる。靴に砂が付着しているから別荘から帰ってきたばかり。ジーンズに犬の足跡がついているから犬を飼った。たぶんその犬は仔犬だ。靴ひもを噛んだ跡がある。と語り口がそのままホームズだ。はじめは断るつもりだった「わたし」も、ついつい話に乗せられて相棒役をつとめることになる。

    事件というのが、資産家の老婦人が自分の葬儀の契約のために葬儀社を訪問したその日の午後に殺される、という偶然にしては話がうますぎる事件。しかも、被害者の息子はハリウッドの人気俳優ときては話題性に事欠かない。しかし、夫人はその人柄ゆえ誰にも好かれていて殺される理由が見つからない。警察は物盗りの犯行とみるが、ホーソンの見るところ、これは泥沼案件。そうこうするうち、葬儀のためにアメリカから帰国した息子が殺される。母子二人が殺される理由は何か、という「ホワイダニット」のミステリ。

    実は十年前、夫人は眼鏡をかけるのを忘れて車を運転し、二人の少年をはねている。一人は死亡、もう一人は助かったものの脳に損傷を受けて障碍が残った。夫人は逮捕されたが裁判の結果無罪となった過去がある。殺される前、母が息子に送ったメールに「損傷(レスレイテッド)の子に会った、怖い」という文面が残っていたことと、脅迫状ともとれる手紙が残されていたことから、その子、もしくは親の犯行ではないか、と「わたし」は考える。

    本格探偵小説もいろいろあるが、ホロヴィッツはアガサ・クリスティがお好きなようだ。個人的にはクリスティは、好みではない。しかし、今回ホロヴィッツはフェアな叙述を心がけていて好印象。ただ、ホームズ物の新作を依頼されるほどの作家のはずなのに、実際の捜査に不慣れなためか、大事なところでホーソーンの注意をそらせたり、ミスディレクションを誘ったりする。これが効果的に用いられていて、容易に謎を解かせてくれない。

    面白い設定で、まず小説の第一章が置かれているのは当然のことながら、第二章は作家、脚本家としてのホロヴィッツの仕事について触れている。コナン・ドイル財団に依頼されて、ホームズの登場する探偵小説の新作『絹の家』を書きあげたばかりで、テレビ・ドラマ『刑事フォイル』の脚本の仕事も終わったところ、というのは事実。次の仕事にかかろうとしていた矢先、ホーソーンが現れた、というところから虚構となる。第一章は、その新作の初稿ということだ。

    「わたし」の仕事は、ワトソン役となってホーソーンに付き添って、現場に足を運び、目撃者や容疑者の話を聞き、メモを取り、事件解決後はそれを本に書いて出版するということだ。もちろん、読者が今手にしている本がその完成作、という設定。どこまでが本当でどこまでが虚構なのか、何やら番宣めいた、スピルバーグやピーター・ジャクソンと映画『タンタンの冒険』の続編を撮るという話まで出てくるが、どうやら本当にあった話らしく、驚いた。

    もちろん事件は虚構なのだが、その中に作家自身が関係する事実が混じるので事件がさも同じ頃に起きていたような錯覚が生じる。『カササギ殺人事件』でも、作中作が事件と絡み合っていたが、ホロヴィッツという作家は、こうした仕掛けがお気に入りのようだ。しかし、今回はホーソーンから、見たこと、聞いたこと以外は書いてはいけない、という縛りがかけられているので、読者は探偵たちとフェアな戦いができることは約束されている。

    現実に、手がかりは目立つように書かれている。ホーソーンが意味ありげに呟いてみせるのもヒントになる。ただし、頭のどこかには残るものの、最重要な手がかりが登場してくるまで、犯人を絞り込むことができない。前作でアナグラムを使用しているホロヴィッツのことだ。メールに残る「損傷(レスレイテッド)の子」というのが鍵なのだが<lacerated>で合っているだろうか。いつも思うことだが、こういう箇所は原文を記すくらいの配慮が欲しい。勘のいい読者なら、それで分かるかもしれないのだ。

    チェーン・スモーカーの探偵、ホーソーンという人物がよく描けている。個人的な話や世間並みの挨拶は一切抜き。一度口を閉じたら二度と開かない。ポリティカル・コレクトネスなど知ったことか。いつも単独で勝手な捜査をするため相棒がいない。裡に秘めた暴力性や同性愛者や小児性愛者に見せる憎悪、子どもに寄せるシンパシーからは、過去に何かある人物であることは伝わってくる。本人が考えた『ホーソーン登場』という題名からして、シリーズ物の第一作と考えられる。謎につつまれた探偵については、おいおい明らかになることだろう。次回作が楽しみなシリーズ物の誕生である。

    • goya626さん
      イギリスの推理小説らしい凝った物語のようで面白そうです。それにしても、ホームズとワトソンというのは永遠のテーマですね。
      イギリスの推理小説らしい凝った物語のようで面白そうです。それにしても、ホームズとワトソンというのは永遠のテーマですね。
      2019/11/20
    • abraxasさん
      goya626さん、こんばんは。
      作家自身がワトソン役として、ボケをかますところがいいです。またホームズ役がヤバ過ぎて、シリーズ化が楽しみ...
      goya626さん、こんばんは。
      作家自身がワトソン役として、ボケをかますところがいいです。またホームズ役がヤバ過ぎて、シリーズ化が楽しみですね。
      2019/11/20
    • abraxasさん
      goya626さん、こんばんは。
      作家自身がワトソン役として、ボケをかますところがいいです。またホームズ役がヤバ過ぎて、シリーズ化が楽しみ...
      goya626さん、こんばんは。
      作家自身がワトソン役として、ボケをかますところがいいです。またホームズ役がヤバ過ぎて、シリーズ化が楽しみですね。
      2019/11/20
  • カササギ、のゴシック調重厚さはそれほどないものの、本来ホロビッツ氏の作風はこっち寄りでしょう。ホーソーンに翻弄される「私」が滑稽に思えました。映画製作のリアルなシーンも出てきて、映画ファンもニヤリとさせてくれます。ひねりにひねった事件の様相に比して、結末はわりとあっけない感じ。それでもホーソーンと「私」のやりとりで収束していく過程にはのめり込めました。とても楽しい時間でした。

  • 企画で当選し、ゲラを読みました。

    前作の様な大掛かりな構造はなく、キャラクタが立ち、筋は寧ろクラシカルな王道ミステリ。
    好きでした。

    前作の謳い文句に引っ張られてるかもしれないが、やはり感じるのはクリスティ。設定もさることながら、一人一人のもとへ足を運び情報を集め、一人一人容疑者を排除していく様はまるでクリスティ作品を読んでいるように、きれいだった。

  • 自らの葬儀の手配をしたまさにその日、資産家の老婦人は絞殺された。彼女は自分が殺されると知っていたのか?
    作家の私、ホロヴィッツはドラマの脚本執筆で知り合った元刑事ホーソーンから、この奇妙な事件を捜査する自分を本にしないかと誘われる。
    自らをワトソン役に配した謎解きの魅力全開の犯人当てミステリ!
    7冠制覇の「カササギ殺人事件」に並ぶ傑作!
    (あらすじより)

    この作家さんは天才かな?
    すごい面白い。

    読みすすめると「まじで?!」ってなって、読み返してみて「なるほどね!」と何度も思わされた。

  • 海外ミステリーを読んでいてよかったとしみじみ感じるのは、こういう本に出会えたから。
    一ページめから、一行めからすべてが伏線となってそしてストーリーが展開して行く。見事なミスリードもあり、それが主人公のイヤな性格とも相まって良い味をだしてくる。
    作者の名(迷)ワトソンぶりもまた楽しい。
    今後、このシリーズ続くのかと思うと胸焼けと共にワクワク感がこみ上げる

  • ホーソーンとアンソニーのやり取りが面白い。お互いに自分のやり方が一番と思ってるみたいな気がする。最初はゴツゴツぶつかってたのに少しずつホントに少しずつ歩み寄って、チョッピリ慣れてきた感じ。このまま別れてもおかしくないんだけど??

  • ホームズ役の元刑事、ワトスン役は著者が本人として登場。その関係性、捜査を本にしろという契約。書くということも描かれていたりして作家の胸中が垣間見えるのも面白い。そして事件、捜査、推理の面白さ。隠されているものはなくフェアに提示される。犯人当てへの興味が掻き立てられる。捜査の過程で語られること、関係者たちの人生、人物造形にも引きつけられる。色々なものが絡み合っているように複雑に見えたり、実はシンプルだったりと見え方が変わったりと読み応え充分。シリーズとして続くらしいのでもっと読みたい。

  • ホーソーンのキャラと少し煩わしく感じるかき回しが味があって面白かった。

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著者プロフィール

1955年生まれ。イギリスの作家、脚本家。世界で1900万部の人気を誇る「アレックス・ライダー」シリーズや、コナン・ドイル財団公認のシャーロック・ホームズ・パスティーシュ『絹の家』『モリアーティ』を執筆するなど、多数の著書がある一方、「刑事フォイル」など脚本家として数多くのテレビ・ドラマ作品を手がける。18年『カササギ殺人事件』は年末ミステリランキング4冠を達成。

「2019年 『007 逆襲のトリガー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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