ホームズのジャーナル: シャーロック (創元推理文庫 M ト 2-3)
- 東京創元社 (1996年10月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (338ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488272036
感想・レビュー・書評
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ホームズ贋作第三弾。「ウォーバトン大佐の狂気」などワトソンが発表を控えた原稿の数々、全7篇。推理小説として純粋に面白いのだ。さらにワトソン夫人の正体を探るエッセイ付き。
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※図書館
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ホームズパスティーシュ第3作…から読んでしまった…他の2作のが読みごたえがあるのか。
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シャーロックホームズ贋作シリーズ第3弾!
他の方もレビューされてますが訳者の方のおかげで正典を読んでる錯覚に落ち入る。
ワトスン博士の第2夫人の説もあり得そうで面白い。少なくとも高名な依頼人に出てきたお嬢様よりは説得力あります。 -
正統派ホームズパスティーシュ第三段。
今回も安定して面白かった。本当に聖典にあってもおかしくない話ばかり。ホームズとワトソンの関係性も良い。 -
コナン・ドイルの新作はもう出ない。シャーロック・ホームズシリーズは長編4作、短編56作でおしまい。当たり前だ。
……でも、もっと読みたい。読みたい読みたい読みたい。
そんなファンの希望に応えてくれるのが後世の作家たちによるパスティーシュだ。なかでもこのトムスン女史のシリーズは最も「正典」に近い作品の一つだと思う。プロット、人物造形、そして文体(これは訳者さんの功績も大きい)どれをとっても実にうまくできていて、ほらドイルの作品だよって言われたら信じちゃうくらいの優れた出来栄えである。小学生の頃にわくわくしながら夢中で読み耽った、あの感動をまた味わえるなんて、嬉しい限りだ。
本書は第三作。ようやく古本で手に入れることができた。
集中の白眉とされている「スミス=モーティマーの相続」が面白かった。突飛なトリックには笑ってしまったけど、ホームズ物はその辺もご愛嬌だよね。ホームズとワトスンの変わらぬ友情には心温まる。どの短編もオーソドックスで落ち着いた雰囲気で、安心して楽しめた。次作も楽しみ。 -
ジューン・トムスンによる贋作ホームズ物三作目。
聖典に限りなく近いパスティーシュと言えると思う。が、ホームズの印象が聖典よりやわらかめ。
二人の友情が強調されてたり、ワトスンが活躍するシーンがあったりとファンには嬉しい。
七つの短編全て面白いが「スミス・モーティマーの相続」はありがちな事件でありながら、事件の展開・居直る犯人がホームズ物としては新鮮に見えた。
毎度のことながら、ホームズの自作自演というかちょっとした演技は微笑ましくて好き。 -
トムスン女史による正統派ホームズパスティーシュの第三弾。
今作も原作に近い語り口で、安心して読める。ワトスン好きにとっても、彼が活躍してくれる話があるので楽しめるだろう。「モウペルトイスの醜聞」での「恐喝王ミルヴァートン」を彷彿とさせるワトスンとホームズの友情にも注目。
なお付録に二人目のワトスン夫人に関する考察が収録されているが、「ワトスンは生涯モースタン嬢を愛し続けたに決まってら」と思う方は読まなくていいと思う。興味深い考察ではあるんだけど。 -
『脅迫された百万長者』
『ウォーバートン大佐の狂気』
『アドルトンの悲劇』
『エブラハムズ老人の恐怖』
『フリーズランド号事件』
『スミスーモティマーの相続』
『モルペイウスの醜聞』
2009年12月3日読了 -
トムスンによる正統派パスティーシュの三作目。
正統派だけあって、今までどおり楽しめる。
無論、ミステリとしては弱い(というか証拠自体出てきやしないのもある)けど、ホームズ物としては佳作だらけ。
扱われる「謎」も面白い。
個人的には「モウペルトイスの醜聞」の犯罪規模が、原典っぽくてよかった。