- Amazon.co.jp ・本 (348ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488274054
感想・レビュー・書評
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おもしろかったー。キノコの話にやられて本筋が脇においやられるほどw 「そこにあるものより、ないもののほうがはるかに重要な意味を持つことがある」なるほどね。
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英米における死因審問の一例(?)を描いた『検死審問~インクエスト』の続編。
コネティカット州の田舎町の名士、
スローカム氏が検死官として担当する第二の事件。
序盤で「インクエスト」の軽~いネタばらしがあるので、
これからお手に取る方は順序を間違えませぬよう。
構成は前作同様、審問記録の開示形式。
もう新鮮な驚きもなく、タネにも察しがついてしまうのだけど、
検死官と陪審員たちの会話がやっぱりおかしくて笑える。
ところで、第一回公判「熱心な菌類学者の冒険」で
マラスミウス・オレアデスの名が出てきたとき(p.114)は
ブラッドベリ「ぼくの地下室へおいで」を思い出して「侵略者だ!」と
叫んでしまった(笑)関係ないけど。 -
田舎町トーントンの全焼した山荘から発見された、パルプ作家ティンズリー氏のものと思われる遺骨。かくして、リー・スローカム閣下を検死官とする検死審問が再び開かれることにとなったのだが……。
『検死審問 ―インクエスト―』の続編。事件に無関係なことをしゃべり倒す証言者、案件の引き伸ばしにやっきとなる陪審員と、前作同様のとぼけた味わいに、陪審員長イングリス氏のピントはずれの"活躍"が加わって笑撃度が大幅アップ。伏線の巧妙さや、ラストの鮮やかさも相変わらず見事。 -
小さな町での不審な死。
検死官リー・スローカム閣下のとぼけた大岡裁き、再び。 -
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前作と同じようなメンバーと手法にも関わらず、ひとりの陪審員を表に持ってきたことで、別の角度からおもしろくなりました。
笑いの面では今作の方が好きです。
謎解きよりも、その構成と展開の巧さが光ります。 -
今回も、前回と同様、一見まったく関係ない証人の話から薄いベールを剥ぐように真相を暴いていくのは変わらない。
ただ二度目となると、最初の、やられた!って気持ちが少しばかり薄まってしまうのは仕方がないことだよなぁ。
ともあれ、面白くて一気に読みました。
読みすすめるにつれてイングリスのうざさが際立つ素晴らしさ。エクス・エフェメリデ・エウェラルディ・エクスプロラトリスのうざさは逸品。
キノコの話が面白かったな。 -
やっぱり古い推理小説はおもしろい。もう、作家が調子に乗りまくってるなあ。なぜかイングリスさんをちょっと小太りのおじさんだと思っていたのだけれど、実は細身の神経質そうなご隠居タイプ?それはそれで大冒険のところなどを想像すると楽しい。
こういう作品を読むと本を読むっていいなあと思う。 -
本書は検死審問の続編的位置づけである。
前作と同じように、検死官と陪審員らがある事件に対してああだこうだと意見を述べていく。
事件の証言者はことあるごとに召喚され、あるものはてきぱきと、あるものは冗長に。法廷という、ともすれば堅苦しいと言うイメージを持ちがちな場所で、証言者達は好き勝手に(検死官が許す限り)証言していく。
前作のレビューでも、喜劇性がどうのと書いたが、本作も喜劇性にあふれる。
今回の事件は、ある作家の焼死事件である。普通であるならば、失火で片付けられる事件であるが、検視官リーはある噂から検死審問を開く必然性を見出し、半ば強引に検死審問をスタートさせる。
前作同様、小さな伏線も大きな伏線も、大胆にただしさりげなくおかれ、終りにかけてまとめてくる手腕は多少個人的な掛け値があるかもしれないが、賞賛に価すると思う。
ぜひぜひ読んでもらいたい本であるし、少しばかり時間をおいてから、再読をして欲しい一作でもある。