雪の女 (創元推理文庫)

制作 : 古市 真由美 
  • 東京創元社
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本棚登録 : 144
レビュー : 22
  • Amazon.co.jp ・本 (472ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488280048

感想・レビュー・書評

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  • 珍しいフィンランドのミステリ。
    あちらでは大人気のマリア・カッリオ・シリーズ。

    マリア・カッリオは赤毛で、フィンランド人にしてはとても小柄な160センチちょい。
    エスポー警察の巡査部長。
    この作品は、シリーズ4作目。
    それまでは色々職業的立場が違い、ここでエスポー警察に腰を落ち着けたところだそう。

    32になるマリアの結婚式から、始まります。
    友達の裁判官につかさどってもらう民事婚。
    30まではずっと結婚などしないつもりでいたので、夫になるアンティを愛してはいても自分が結婚するのが不思議な気分。
    アンティは2メートル近い身長。夫婦別姓だそうです。

    12月、マリアは女性限定のセラピーセンター、ロースベリ館での講演を依頼される。
    館の主であるセラピストのエリナは中年だが、マリアより20センチは背が高い、すらりとした金髪の美女だった。
    数週間後にエリナが行方不明となり、後に雪の中で遺体となって発見される。
    自殺か事故の可能性もあったが‥?

    ロースベリ館には、家を出てきたヨハンナ、ストリッパーのミッラ、音楽講師のニーナという女性達も滞在していた。
    ヨハンナは厳しい宗派に属する村で暮らしていた主婦で、9人も子がいるが、夫に追い出されていた。
    フィンランドというと~福祉国家で開明的な気がするけど、マリアの目に映るフィンランド男性はかなり旧弊なよう。
    犯罪を通して悪い例を知っているからかもね。

    マリアと同僚が逮捕した凶悪犯が、脱獄。
    復讐の危険に晒されつつも、果敢に捜査を続けるマリア。
    思わぬ妊娠にも気づき、動揺しながら、人生の大きな変化に直面することに。

    エスポー市は、首都ヘルシンキの西にある人口25万の都市。
    警察の生活安全課には女性も多いが、マリアのいる犯罪課には一人だけ。
    同僚には女性蔑視発言も多くて気の合わない男ペルツァもいるが、上司タスキネン警部はきちんとした男性で信頼できる。
    毒舌を吐くペルツァも、危機にはとっさにマリアをかばってくれたり。

    著者は1964年生まれ。
    1993年にこのシリーズを始め、11作刊行されているそう。
    気が強く生き生きしたヒロインに、魅了されます。
    事件の内容も過不足なく、スリルと人情をあわせもつ展開。
    面白かったです。

  • 『極夜』に続けてフィンランド舞台のミステリ。いや~レベル高いわ、フィンランドにはまりそう。
    訳者あとがきが非常に分かりやすかったのも好印象。

  • (No.13-11) ミステリです。

    内容紹介を、表紙裏から転載します。
    『エスポー警察の巡査部長マリア・カッリオは、女性限定のセラピーセンター、ロースベリ館での講演を依頼された。だがその講演から数週間後館の主であるセラピストが行方不明になり、雪深い森でガウンとパジャマのまま死体で発見される。当時館に滞在していたのは、訳ありげな女性ばかり。北欧フィンランドを舞台に、小柄な女性警官マリアが事件を追う。』

    最近私はスゥエーデンミステリに少し馴染みが出来ましたが、これはフィンランドミステリ。
    あとがきでフィンランドという国について説明がされていたので、北欧諸国としてひとまとめだったイメージから少し分離することができました。
    きっとあちらの国から見たら、日本、中国、韓国だってひとまとめにしか思えないだろうなあ。

    主人公マリアは自分のことを「ずいぶん小柄」と言っていますが、160センチを少々上回る程度の身長。日本で身長がそのくらいある女性は、ずいぶん小柄とは言わないよね。日本人との違いを感じます。

    この話はシリーズ物で、シリーズ第4作目だそうです。でも、主人公も内容的にも飛躍した作品だからこれから翻訳出版することに決めたらしい。話の流れで以前のことが時々出てきますが、特に不都合はなく読めました(まあ、だから出版社はこういうことにしたのでしょうが)。

    スゥエーデンミステリの時も思ったのですが、北欧の高福祉や女性が活躍しているという日本でのイメージと、小説の内容のギャップには戸惑います。
    男性優位で、男は、女は、こうあるべきという不文律のようなものを持っている男性がすごくたくさんでてくるから。
    もちろんそうでない男性もいて、マリアの夫もとっても良い人なんですが。
    警官仲間では、上司の警部はなかなか出来た人。同僚も女性に対等に接してくれる人もいるんだけど、もうめちゃめちゃマッチョ信仰の同僚もいて腹立たしいこと!毎回マリアが口げんかしてるペルツァです。
    なんてやなやつ!とずっと思って読んでましたが、そのやなやつぶりは最後まで変わらなかったのに、終わりの方になったら何となく許せる感じになっちゃった。これからも彼は変わらないだろうけどね。

    半分くらいまで事件の解明が進まず、何となくそもそもこの事件って何なのって感じだったので読むスピードが上がりませんでした。
    それが他の大事件が起こりマリアや同僚は心に大きな傷を負い、それでもというよりそれだから仕事に没頭していくあたりから、読んでいる私もこの話の中に取り込まれていきました。

    真実を知ることで逆に不幸を引き寄せることもあるんじゃないか、そんなことも思いました。それとも真実を知らせたことそのものが復讐だったのか。
    最後、真相はこうだったのだろうということは分かりましたが、すっきりした解決にならず不満感も残ります。
    でも、とっても心配だったあることは良い方向が見える感じで終わるので、それには満足しました。

    次の作品は、この事件後数ヶ月のことだそうです。近く出版の予定とか、楽しみです。

  • 男性立ち入り禁止の館の主である女性限定のセラピストが、雪深い森の中でガウンとパジャマ姿のまま死体で発見される。
    当時館に滞在していたのは訳ありの女性ばかりで…。

    まず主人公のマリアがいい。
    猪突猛進型で、相手の鼻を折って得意気な様などにやけてしまう。
    シリーズの途中からの訳出だけど、人間関係なんかも割とすんなり受け入れることができた。
    基本となる事件の途中にかなり大きな別件が挟まれているけれど、警察小説だからね。気になるほどではない。
    むしろ気がそがれてしまうのは捜査の大詰めがマリアのひらめきに頼ってしまって、唐突だったこと。
    最後のオチも予想はついたけど、え?そこいっちゃうの?って感じだったし。
    この話は事件とは別に女性がおかれている立場の厳しさ、辛さも読みどころ。
    それは容疑者や関係者だけでなく、マリアについても。
    所々にさりげなく描かれているフィンランドの情景も良かったよ。
    やっぱり課題はミステリ部分だね。

  • なんか惜しい。作品自体に好感は持てるものの、イマイチ楽しめないような…。

    一人称の語り口に最初は違和感を覚えたが、徐々に慣れてくる。そして気付く。このシリーズはヒロインのためのお話なんだということに。警察ミステリというジャンルの中では、それはフェアではないように思う。ヒロインの公私ともこってり書いてあるが、微かなフェミ臭と、作者の思い入れがじわじわと染み込んできて若干の胸焼け。ゆえにストーリーも長くなる。

    そんなヒロイン重視の展開なので、謎解きが肩透かしに終わるのも当然と言えば当然か。前進しない捜査の中、それらしい手掛かりが出てきても、長らく放置される。そしてヒロインの奮闘ぶりや私生活にページは費やされ、諦めかけた終盤に手掛かりにスポットが当たる。もう少し粘りと執念があるかと思ってたのに、こんなものなのかしら。

    話とは無関係だが、個人的にフィンランドには根拠のない好印象を抱いているので、作品を通してお国柄が知れて楽しかった。ホントに余計なお世話だが、マリアよりも同僚の嫌味な刑事を主人公にした作品を読んでみたい。

  • フィンランド、警察官マリアが主人公

  • 帯によると”フィンランドで一番人気のミステリ”

    ただし女性向け、とは続かないけれど。
    主人公は女性巡査、舞台は女性限定のセラピーセンター、フェミニズムな要素ふんだんの女性目線な警察小説。
    フーダニット色が強かった。

    シリーズ4作目、とのこと。

  • 2014.12/2 順番が逆になってしまったが、マリア・カッリオシリーズ1作目。2作目で含みのあった夫との出会いになった事件が描かれているかと思いきや、やはり既に結婚してからの物語なんですね〜。不思議。面白いけどちょっと物足りないのは、本の厚さの割にストーリーの展開が少ないせいか。それでも読み始めたからには3作目にも行かねばっ!

  • フィンランドのシリーズ物ミステリ。主人公の女性刑事マリアはすごく人間的というか、良くも悪くも単純な性格。事件や周囲の出来事への反応も分かりやすい。フィンランドの実情なんかは珍しくて面白いし周囲の人間もそれぞれキャラが立っているけど、読みやすすぎてすぐに内容忘れちゃう気がするな。

  • これはおすすめ。単純にミステリとしてみれば飛び抜けたところがあるわけじゃないけど、物語として好感が持てる。変に読者を意識した過剰なサービスや悪趣味さがないのもいい。あとがきによると、シリーズの次の話も近いうちに刊行予定とのこと。そちらもぜひ読みたい。一応誤解のないように書いておくと、ミステリにおける過剰なサービスや悪趣味さを否定しているわけではない。(むしろそれは愛すべき遊び心であることも多い) 要するに物語の色に合っているかという話。

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