- Amazon.co.jp ・本 (334ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488282189
感想・レビュー・書評
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今作はデッカーの義理の息子の深刻な問題も出てくるし、事件も教団絡みとあってデッカーは大変だったが、何よりマージの活躍が素晴らしい。マージってそんな年齢になってたんだ?!という驚きもあったし。
ただ、なんとなく古いのかなという気がしたが、骨太の物語には満足。次作が待たれる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
シリーズ11作目、後半。
前半ではデッカーと妻のリナ、思春期になった義理の息子達との関係が印象深かったです。
後半では、教団で怪しい動きを見せる指導者たちの関係を探るデッカーらの目前で、相次いで事件が起こり、想像以上の濃いドラマに。
初期のしっとりと丁寧な作風とはかなり違う骨っぽさが出て、立体的で動的とでもいうか。
フェイ・ケラーマン、ここまで書くようになったのか!
いや私としては正直こういうのは期待していなかったかも‥ですが。
初期の雰囲気が失われたので読まなくなっていたんですが、もう少し違う方面にも伸ばしていこうとしていたのかな。
こういう興味や志向も内包していたんでしょうね。
丁寧に書き込むだけでは、読む人が限られたとか‥?
なるほどねえと納得してしまいました。
ラストへ向けては、映画ばりのアクション・シーンともいえる展開に。
でもそこで活躍するのが女性刑事のマージや、案内に立つ若い娘なんです。
静と動を併せ持つ上にこう来るか、と。
今回の女性陣の活躍ぶりには目をみはるものがありました。
すっきり解決とは行きにくい、嫌~な事件の後口を良くする、マージの大胆な決意。
デッカーの誠実さも合わせて、あっぱれな結末。
面白かったです☆ -
新興宗教の教祖が死亡する。
他殺か自殺か、混乱する捜査と、混乱する教団。
デッカー家でも、ティーンエイジャーになった子供たちがそれぞれに悩みを抱えていた。
教祖が死んだ=教団の暴走、ってなってるので、ちょっとそんなに極端なものなのかと感じたんだが、閉鎖的な教団って強調されてるから、アメリカではそういう図式になってるのかもしれない。
にしても、物理学者から教祖になった男の論理とか、教義とか、難しかったですよ。
まぁ。数学が行き着く先は、究極の抽象論で宗教っていうベクトルは、すごくよくかわったけどね。
リナの息子たちも、それぞれ悩みを抱えてるんだけど…。
友達で、父親が突然ユダヤの教えに目覚めて、娘を宗教学校に転校させて、っていうのがあって、宗教についてフラットになりきれない、でもそれをきちんと受け止めて行こうとしているケラーマンを感じたりしたのである。
教えをきっちり守ろうとしているリナも、戒律で縛ろうとしている教団と、方向性は同じなのかもしれない。
というのを、いや、リナは違うんですよ、というのではなく、それは誰にでも起こりえることであると、デッカーの主観で描きながら客観的にのべようとしている、まぁ、矛盾しているといえばそうなんだけど、それは誠実さであるといえると思う。
そう。
ここにあるのは、デッカーたちの誠実さなのだと思う。
にしても、マージの決断には頭が下がりました。
いやあ、最高に格好いいよ、マージ。 -
解説に感心。
でも、デッカーの活躍を期待してしまう。
対FBIのあたりは、結構溜飲ものだったのだけれど。
一番うれしいのは、翻訳刊行ペースがあがりそうだとのこと。 -
上巻にまとめて記載。
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前作までの、丁寧な筆致で現代アメリカ社会の問題点を深くえぐる、衝撃的な作風が少々薄まってきた印象を受けた。中休み? 次作に期待。
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G 2011.12.9-2011.12.19