ストリート・キッズ (創元推理文庫)

  • 東京創元社
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本棚登録 : 748
レビュー : 102
  • Amazon.co.jp ・本 (512ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488288013

作品紹介・あらすじ

1976年5月。8月の民主党全国大会で副大統領候補に推されるはずの上院議員が、行方不明のわが娘を捜し出してほしいと言ってきた。期限は大会まで。ニール・ケアリーにとっての、長く切ない夏が始まった……。元ストリート・キッドが、ナイーブな心を減らず口の陰に隠して、胸のすく活躍を展開する! 個性きらめく新鮮な探偵物語。

感想・レビュー・書評

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  • このひとの小説は、重たい現実を下敷きにしながら、コメディと見紛うほど飄々としたキャラクタの活躍するものが好きです。その意味で、『ボビーZの気怠く優雅な人生』が一番好きなのですが、このストリート・キッズは、それに次ぐものでした。【2019年5月30日読了】

  • アメリカの今時の若者なのに(勝手な偏見でごめんなさい)
    私の新たな心のヒーローに一気に昇格してしまいました。
    頭はとびっきりイイし、探偵(掏摸の技・潜入捜査の凄味・人たらし・人望・度胸などなど)の才能、抜群だし、見た目平凡で腕っぷしはイマイチだけどもそこがまた魅力だし。

    ずっとお付き合いしたいニール・ケアリーなのでした。
    また、キャラ読みの癖が始まってしまいました。

    翻訳家の東江一紀氏が昨年ご逝去されたことを伺い、これを機に知人に紹介いただいた一冊でした。
    すぅ~と心にしみる文章が多く、翻訳モノは読みにくい・・・(これも勝手な偏見)という先入観吹っ飛びました。
    というか、何度も反芻したくなるようなところもありました。ずっと手元に置いておきたい本ですね。

  • 【相棒のいない私立探偵】第1弾。
    父はわからず、母は麻薬中毒。
    ローティーンからスリで生計を立てていたけれど、探偵に捕まり、見込まれて探偵のイロハを叩き込まれる。
    ボスにも目をかけられて大学院に進み、有能な探偵でありつつ英文学をこよなく愛す主人公ニール・ケアリー。
    そんなの好きに決まってるじゃん…!!
    いつも軽口を叩いて飄々としているけれど、心は若く傷つきやすくて、仕事と、虐げられる子どもたちや社会の格差に引き裂かれるニールが切なくてたまらない。
    ハードボイルドで青春小説。
    胸に突き刺さる。
    小粋な文章も最高だった!
    続編も是非読みたい。

  • 正直に、とても面白かった。少し落ち着いてから冷静に判断して減らしたのだけれど読了直後は勢いのまま☆5をつけたくらいにほんとうに面白かった。
    ミステリ要素は薄いがそんなことは関係ない。ものすごい力でぐいぐい物語に引っ張り込まれてハラハラドキドキが止まらなかった。多少、余剰な書き込みを感じたのが☆を減らした理由だけれど500頁を飽きずに読ませる力量は翻訳の良さもあるかもしれないが素晴らしい。
    それにメインキャラやらその関係やらもいい! 続き物だし、これから追っかけ読んでいきたい作品になった。

    最後に、こちらもディヴァインに引き続き談話室でニコル様からご紹介いただいた作品でまたまた当たりで本当に嬉しい出会いでした! ニコル様のセンスに感服しきりです。

  • 純粋におもしろかった。
    アメリカ×青春×ハードボイルド×新米探偵
    そして、せつない。

  • 前半は退屈だったけれど後半は楽しくなった。けれど、個人的には全体的にやはり退屈だった(そもそも海外文学が苦手な節があるのでどうしようもないのかもしれない)。主人公が片腕として成長していく様子は興味深かった。アリーとのひと夏も好きだった!

  • 組織の雇われ探偵に拾われ、探偵術を叩き込まれたNYの元ストリート・キッドは上院議員の【愛娘】の捜索依頼を受け、単身英国へと飛ぶ―。筋書き自体は意外にもシンプルだったが、精緻な描写にウィットで洒落た言い回し、それに加えてドラマチックな展開の連続で読み応え十分。普段は成熟した中年探偵を好む私だが、主人公ニールのキャラクターが絶妙。口減らずで一見豪胆に見えるが、その中身は英文学をこよなく愛するナイーブな普通の男子。グレアムとの擬似親子的な師弟関係といい、理想と現実の狭間での葛藤といい、青年探偵も良いものですね。

  • この本の主人公ニールが暮らす1976年、私は大学受験の真っ只中で、学園紛争は終結し就職難とともに「シラケ世代」と呼ばれた。
    当時の若者文化は、イギリスからやってきた。
    ビートルズが解散したあと、ブリティッシュからプログレッシブロックの全盛期で、ピンク・フロイドやクリムゾンキング、イエスのカセットを、エアコンの効かない車のカーステレオで窓を開けて鳴らして走っていた。

    ベトナム戦争が終結し南北統一されるとともに、長髪にベルボトムのジーンズが姿を隠し、映画は「イージーライダー」から「タクシードライバー」へ向かい、「スターウォーズ」はまだ流行っていなかった。

    ヘロイン、コカインの影、
    貧しく汚く破壊的で、
    自由でサイケデリックな人種から一歩離れたくて、
    それでもどうしたらいいのか分からずに、
    闇の中を手探り。

    それでいて、
    もがいていることをあからさまにするのは恥ずかしいと、表面的に繕っていた。

    ニールの迷い
    アリーの困惑
    コリンの崖っぷち

    物語の中でミキシングされて、
    この時代の独特の空気感を醸し出している。

    決して道徳的とは言えないが、何故か魅力を感じてしまう。

    もちろん、東江一紀の訳が素晴らしい。



  • なんとこれがドン・ウィンズロウのデビュー作。
    おそらく刊行された直後位に一度読みかけて、あまりにも軽いキャラにウンザリして読み辞めた記憶がある。

    確かにキャラは軽いし、今のウィンズロウを読んだものからするとストーリーも単調で冗長な部分もあるし、ドラマの骨子も子供っぽいところがある。

    ただ比喩やヒネリの効いたユーモアなどのウィンズロウ節の萌芽はあちこちに見受けられる。
    軽く読める意味ではエログロも少なくYA小説に近いかもしれないが、これはシリーズになっているので作者の変化を見るうえで読んでみるのも面白いかもしれない。

  • ハードボイルド?
    犬の力、カルテルと同じ作家とは思えないシリーズ。

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著者プロフィール

ニューヨークをはじめとする全米各地やロンドンで私立探偵として働き、法律事務所や保険会社のコンサルタントとして15年以上の経験を持つ。

「2016年 『ザ・カルテル 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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