ストリート・キッズ (創元推理文庫)

  • 東京創元社 (1993年11月12日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (514ページ) / ISBN・EAN: 9784488288013

作品紹介・あらすじ

1976年5月。8月の民主党全国大会で副大統領候補に推されるはずの上院議員が、行方不明のわが娘を捜し出してほしいと言ってきた。期限は大会まで。ニール・ケアリーにとっての、長く切ない夏が始まった……。元ストリート・キッドが、ナイーブな心を減らず口の陰に隠して、胸のすく活躍を展開する! 個性きらめく新鮮な探偵物語。

みんなの感想まとめ

青春とハードボイルドが交錯する物語が展開され、読者を引き込む魅力が詰まっています。主人公の少年探偵ニールは、行方不明の娘を捜す依頼を受け、危険な世界に足を踏み入れます。彼の成長や師匠との関係が描かれ、...

感想・レビュー・書評

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  • さあ講義を始めよう

    ハードボイルド小説の定義についてだ
    世間一般で言うところの定義については僕の知ったことではない
    そんなことはグーグル先生にでも聞いてくれあるいはSiriに
    僕の思うハードボイルド小説は自分が信じるもののためにやせ我慢を続ける男たちの物語のことだ
    もちろんそれは女たちでもいい
    そしてその男たちは概ねナイーブで恥ずかしがり屋で思ってることの反対の意味の言葉が口を出る
    繰り返すが女たちでもいい
    その意味で言えばこの『ストリート・キッズ』はとても良質なハードボイルド小説といえる
    いや、かなり控え目に言って最高のハードボイルド小説のひとつだ

    ★5じゃ足りない大傑作だ!


    なんだよもう!めちゃくちゃ面白かったジャマイカ!(6ヶ月ぶり2度目)
    こないだ読んだ『犬の力』も面白かったけど断然こっちのほうが好みです!
    もうこっちから読み始めれば良かった
    早く教えてくれればいいのに!(身勝手)

    それにしてもドン・ウィンズロウ…とんでもない作家さんですよこれは
    とても『犬の力』と同一人物が書いてるとは思えません
    なんですかこの振り幅の広さ

    ニールとグレアム親子の延々と続く「へらず口」の叩き合いが面白くて、楽しくて、イライラして、それでいて信頼感に満ち溢れていて、悲しくて、ちょっぴり切ない
    最高の師弟でもある二人ですが、常に少しだけ師匠が上回っていて守られてる感じも心地よいです

    ハードボイルド好きなら絶対に手に取るべき至極の一冊です!
    ありがとう土瓶さん!

    • 土瓶さん
      でしょう。良いんですよ、これ。
      と、なぜか自慢気な私(笑)
      チャンドラーを柔らかくしたような……。
      あ、しまった。チャンドラーまだ1冊...
      でしょう。良いんですよ、これ。
      と、なぜか自慢気な私(笑)
      チャンドラーを柔らかくしたような……。
      あ、しまった。チャンドラーまだ1冊もよんでないや(笑)
       
      しかし、このニール・ケアリーシリーズ。
      何作まででてるか知りませんが、私は3冊めでおさらばしました。
      上手く言えませんが、すこしずつ「らしさ」が無くなっていって、3冊目で普通になってしまったような……。
      でも、3冊目が最高だと感じる人もいるでしょうから、わかりませんけど。
      結局は、相性、なんでしょうか?
      あまりハードルを上げずにどうぞ。

      そういえばドン・ウィンズロウって、確か元探偵さんじゃなかったかな。
      おもしろい経歴の作家さんですよね。
      2022/05/21
    • ひまわりめろんさん
      土瓶さん
      こんにちは!

      やっぱり土瓶さんの本棚には自分の感性を大いに刺激する特大ホームランが混じっている
      そんなことを思った一冊でもありま...
      土瓶さん
      こんにちは!

      やっぱり土瓶さんの本棚には自分の感性を大いに刺激する特大ホームランが混じっている
      そんなことを思った一冊でもありました

      ニール・ケアリーシリーズの順番を調べようと思って検索したら訳者である東江さんのページを見つけて東江をあかりえって読むことに衝撃を受けました(今またあかりえが一発で変換されることに驚いています)
      ってそっちじゃなーい!w

      東江さんによるとこのシリーズは一冊ごとに全く趣きが変わるそうです
      変えなくていいのに…
      とりあえず2作目行ってみますが
      土瓶さんがおさらばした3作目は近隣図書館にほ蔵書がないのがはっきりしてるのであまりにガラっと変わっているようなら自分は2作目でおさらばになるかもです
      2022/05/22
  • めっちゃ満足。

    少年探偵ニールの元に副大統領候補に推されるはずの上院議員からの内密の依頼が...「行方不明の娘、アリソン(アリー)を探してくれ」と。

    精神安定剤に始まり、薬物、セックスに溺れ、廃人まっしぐらに進んでいたアリー。そして行方不明。副大統領を狙う上院議員にとってアリーの存在は爆弾みたいなもの。手がかりが少ない中でニールはアリーを見つけることができるのか...。

    ニール少年が探偵になるに至った経緯や、師匠、第二の父でもあるグレアムの元で修行している描写がとても楽しかった。ニールやアリーを始めとした人物描写、キャラの付け方もよかったし、一文一文の言い回しや表現がとても面白い。訳も丁寧に滑らかにそれについていっているように感じた。物語が面白いのは言うまでもなく、こういった細かな描写が素晴らしく、2倍、3倍に楽しめ、充実した気持ちになった。

  • 純粋におもしろかった。
    アメリカ×青春×ハードボイルド×新米探偵
    そして、せつない。

  • アメリカの今時の若者なのに(勝手な偏見でごめんなさい)
    私の新たな心のヒーローに一気に昇格してしまいました。
    頭はとびっきりイイし、探偵(掏摸の技・潜入捜査の凄味・人たらし・人望・度胸などなど)の才能、抜群だし、見た目平凡で腕っぷしはイマイチだけどもそこがまた魅力だし。

    ずっとお付き合いしたいニール・ケアリーなのでした。
    また、キャラ読みの癖が始まってしまいました。

    翻訳家の東江一紀氏が昨年ご逝去されたことを伺い、これを機に知人に紹介いただいた一冊でした。
    すぅ~と心にしみる文章が多く、翻訳モノは読みにくい・・・(これも勝手な偏見)という先入観吹っ飛びました。
    というか、何度も反芻したくなるようなところもありました。ずっと手元に置いておきたい本ですね。

  • この本の主人公ニールが暮らす1976年、私は大学受験の真っ只中で、学園紛争は終結し就職難とともに「シラケ世代」と呼ばれた。
    当時の若者文化は、イギリスからやってきた。
    ビートルズが解散したあと、ブリティッシュからプログレッシブロックの全盛期で、ピンク・フロイドやクリムゾンキング、イエスのカセットを、エアコンの効かない車のカーステレオで窓を開けて鳴らして走っていた。

    ベトナム戦争が終結し南北統一されるとともに、長髪にベルボトムのジーンズが姿を隠し、映画は「イージーライダー」から「タクシードライバー」へ向かい、「スターウォーズ」はまだ流行っていなかった。

    ヘロイン、コカインの影、
    貧しく汚く破壊的で、
    自由でサイケデリックな人種から一歩離れたくて、
    それでもどうしたらいいのか分からずに、
    闇の中を手探り。

    それでいて、
    もがいていることをあからさまにするのは恥ずかしいと、表面的に繕っていた。

    ニールの迷い
    アリーの困惑
    コリンの崖っぷち

    物語の中でミキシングされて、
    この時代の独特の空気感を醸し出している。

    決して道徳的とは言えないが、何故か魅力を感じてしまう。

    もちろん、東江一紀の訳が素晴らしい。

  • 正直に、とても面白かった。少し落ち着いてから冷静に判断して減らしたのだけれど読了直後は勢いのまま☆5をつけたくらいにほんとうに面白かった。
    ミステリ要素は薄いがそんなことは関係ない。ものすごい力でぐいぐい物語に引っ張り込まれてハラハラドキドキが止まらなかった。多少、余剰な書き込みを感じたのが☆を減らした理由だけれど500頁を飽きずに読ませる力量は翻訳の良さもあるかもしれないが素晴らしい。
    それにメインキャラやらその関係やらもいい! 続き物だし、これから追っかけ読んでいきたい作品になった。

    最後に、こちらもディヴァインに引き続き談話室でニコル様からご紹介いただいた作品でまたまた当たりで本当に嬉しい出会いでした! ニコル様のセンスに感服しきりです。

  • 【相棒のいない私立探偵】第1弾。
    父はわからず、母は麻薬中毒。
    ローティーンからスリで生計を立てていたけれど、探偵に捕まり、見込まれて探偵のイロハを叩き込まれる。
    ボスにも目をかけられて大学院に進み、有能な探偵でありつつ英文学をこよなく愛す主人公ニール・ケアリー。
    そんなの好きに決まってるじゃん…!!
    いつも軽口を叩いて飄々としているけれど、心は若く傷つきやすくて、仕事と、虐げられる子どもたちや社会の格差に引き裂かれるニールが切なくてたまらない。
    ハードボイルドで青春小説。
    胸に突き刺さる。
    小粋な文章も最高だった!
    続編も是非読みたい。

  • ハードボイルド?
    犬の力、カルテルと同じ作家とは思えないシリーズ。

  • このひとの小説は、重たい現実を下敷きにしながら、コメディと見紛うほど飄々としたキャラクタの活躍するものが好きです。その意味で、『ボビーZの気怠く優雅な人生』が一番好きなのですが、このストリート・キッズは、それに次ぐものでした。【2019年5月30日読了】

  • なかなか極上のハードボイルドだった。
    ストーリーは事件解決、スカッとしたー!
    ではなく、少し切なさを感じた。
    初めは少し乗り切れなかったが、途中から俄然面白くなり後半はあっという間だった。
    少年だが探偵としてはとても優れているニール・ケアリーは最高。
    そして師匠のグレアムもなかなかいい味を出してる。
    とても良い一冊でした。

  • ドン・ウインズロウの第1作。
    筆力ありまくり。
    元ストリート・キッズ探偵
    ニール・ケアリーが魅力的。
    ぐんぐん引き込まれて
    最後まで連れていかれた。

    元ストリート・キッズの
    ニール・ケアリーによる探偵もの。

    財布を盗んだ縁で
    探偵のすべてを仕込まれた
    ニール・ケアリー。

    ある組織に雇われ、
    上院議員の行方不明の十七歳の娘を探しに
    アメリカからロンドンへ。

    探偵になる修行時代が唐突に挿入され、
    物語はお目当ての娘
    アーリー・チェイスが加わっていた
    麻薬の売人グループと
    遭遇するところから加速する。

    ロンドンからリージェンツパーク・ロード
    ヨークシャーの荒れ地へ。

    静から動へ。
    動から静へ。
    また動へ。

    息詰まる展開の中で
    ニール・ケアリーが
    減らず口を吐きまくる。

    ニールとアリーの時間。

    麻薬の売人コリントとの苛烈な戦い。

    クライマックスの加速感。

    おもろうて、やがて切ない
    ニール・ケアリーの
    ファースト・エピソードが熱い。

  • そもそも大人びた子供の話が好きなのでこの本も好きだ。作者の他の本も読んだけどこの本が1番気に入っている。訳のリズムも良いのかなと思った。

  • なんとこれがドン・ウィンズロウのデビュー作。
    おそらく刊行された直後位に一度読みかけて、あまりにも軽いキャラにウンザリして読み辞めた記憶がある。

    確かにキャラは軽いし、今のウィンズロウを読んだものからするとストーリーも単調で冗長な部分もあるし、ドラマの骨子も子供っぽいところがある。

    ただ比喩やヒネリの効いたユーモアなどのウィンズロウ節の萌芽はあちこちに見受けられる。
    軽く読める意味ではエログロも少なくYA小説に近いかもしれないが、これはシリーズになっているので作者の変化を見るうえで読んでみるのも面白いかもしれない。

  • ホームラン!
    語り口もテンポも小気味良く洒落てて飽きさせない文体に、
    期待を裏切らない展開。
    父さんとのやり取りも微笑ましい(ある意味で)
    ボリュームも満点だし、
    非常に贅沢な1冊でした!
    ニール・ケアリーやグレアムだけでなく
    著者もものっそい知識人なんだろうなあ、いいなあ。

    朝倉めぐみさんの表紙も気取って居なくて良かったです。

  • 同著者の『犬の力』が「このミス2010」で翻訳ミステリー1位を獲得したことを記念して、積読を崩し、手に取った本書。

    手に汗握る、とはまさにこのこと。

    素晴らしい筋書きと洒落っ気たっぷりな文章にひきこまれ、度重なるどんでん返しに高鳴るばかりの胸の鼓動。

    その興奮の合間にニールの成長と切ない愛の軌跡が描かれ、時に胸が締め付けられるような思いにひたらされる。

    そしてラストはこうきますか。

    いやーほんとにもう最高です!!
    心地よいほどにいろんな方向に心を揺さぶられます。

    「奇才」ドン・ウィンズロウ氏にはしてやられましたね。

    シリーズ全部読みたい!!

    《所持》

  • 探偵から追跡術などを教わった元ストリート・キッドの主人公ニールが、上院議員から家出した娘を探し出して連れ戻してきて欲しいと依頼される…というハードボイルド小説。
    ニールはケンカが弱くて派手に痛めつけられたり、ターゲットの家出娘と恋に落ちそうになったり、こまっしゃくれたアメリカっぽいセリフの応酬があったり、悪役が麻薬の売人だったり、ベタだなぁと思う場面もあるが、全体的にとても面白く読めた。

  • 『犬の力』が面白かったので読んだ。
    『犬の力』よりは軽いノリだったけど面白かった。
    喧嘩は苦手、口を開けば軽口ばかり叩いている若僧だけど探偵の実力は本物、こういう主人公は好き。
    魅力的なヒロイン、切ないラスト、ハードボイルドだ。

  • 一九七六年五月。八月の民主党全国大会で副大統領候補に推されるはずの上院議員が、行方不明のわが娘を捜し出してほしいと言ってきた。期限は大会まで。ニールにとっての、長く切ない夏が始まった……。プロの探偵に稼業のイロハをたたき込まれた元ストリート・キッドが、ナイーブな心を減らず口の陰に隠して、胸のすく活躍を展開する。個性きらめく新鮮な探偵物語、ここに開幕。
    原題:A cool breeze on the underground
    (1991年)

  • 再読。
    この、胸のすくような爽快感とは違う感覚はなんと言ったらいいのだろう。
    哀愁、憐憫、時々痛快、寂寥、時々快哉、そんな感情が交差するニール・ケアリーというキャラクター構成がこのシリーズのキモであり、そんな彼の活躍が楽しみな、はたまた怖いモノ見たさ的な、恐る恐る見たくなる感覚もあるが、どちらにせよ、この先も気になるシリーズだ。

  • たのしめます

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著者プロフィール

ニューヨークをはじめとする全米各地やロンドンで私立探偵として働き、法律事務所や保険会社のコンサルタントとして15年以上の経験を持つ。

「2016年 『ザ・カルテル 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

ドン・ウィンズロウの作品

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