フロスト日和 (創元推理文庫) (創元推理文庫 M ウ 8-2)

  • 東京創元社
4.13
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感想 : 97
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  • Amazon.co.jp ・本 (714ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488291020

感想・レビュー・書評

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  • 少し甘いが☆五つ!

    なんとも人情味溢れるフロスト。憎めないキャラですね。自分もこういう人間になりたいと思うが、ここまで懐深くはなれないですね。

    物語の方は、これでもかというくらい盛りだくさんに突発的にいろんなことが起こるが、どれも見事に回収される。
    フロストじゃなければ、後味悪くなりかねないが、その人柄が事件に救いをもたらしている。

    それにしても、イギリスの警官ってこんなに忙しいんですか。ブラック企業なんてもんじゃないですね。志がなければ務まりませんね。

  • 過去、図書館で借りたものの長くて諦めたシリーズ。ようやく読めました。1日にこれだけ絡み合った事件を解決する爽快感に人気はなるほどと思いつつ、読者はフロストからその事実を知るので推理小説?という感じでした。

  • 今回は更に複数の事件が同時?進行。
    今度の顎髭の相棒もよい。もちろん、スーも。

  • シリーズ2作目となる本作は、ケンカが原因で左遷されてきたウェブスター巡査との絡みを軸に展開されるが、ラストでは不覚にも泣ける演出が憎い。いつも要領が悪くてドジなフロスト警部のことを内心小ばかにして「フロスト警部」と呼んだことがなかったウェブスター巡査が初めてフロスト警部の信望の厚さ(上司以外から)を知ることになるその出来事とは・・安定の面白さは「このミス1997年度1位」に選ばれていることでも証明済み。

  • シリーズ一作目『クリスマスのフロスト』で負傷したフロスト警部がどうなったか、というような細かな描写はなく、相変わらずのマレット署長のもと、アレン警部にも冷たい視線を浴びせられながら、行き当たりばったりの捜査を続けています。

    フロスト警部の相棒は、警察庁の甥から、よその署から飛ばされてきた巡査(元警部)に。
    あまりにいい加減なフロストの性格や行動に、相棒のウェブスターはイライラさせられっぱなしです。
    公衆便所で死んでいた浮浪者、突如行方不明になった少女、けちな骨董屋を襲った武装強盗と、警察官の射殺事件。
    今作でもフロスト警部のもとには様々な事件が持ち込まれ、いつもの通り残業手当の申請書や犯罪統計の書類は期限を過ぎても提出できず‥‥

    順当な、マニュアル通りの捜査を行うアレン警部が辿る推理とはことなり、全く関係なさそうな事件に「勘」で首を突っ込みながら、それぞれの事件を解決に導くフロスト警部は、刑事コロンボのように(一見そうは見えなくても)名刑事なのだろうと思います。
    こういった、いわゆる「はみ出し系」の刑事が魅力的なのは、結果を残す「優秀さ」がある一方で情に厚く、弱者の辛さをきちんとわかっているようで、人間的にも「隙」があるというところにあるのだろうと思います。
    読者にもあるであろう「短所」を誇張した、ひょっとすると自分よりも「ダメ人間」であるように見えるフロスト警部に、読者は親しみを感じるのだと思います。

  • フロスト警部シリーズ2作目
    これでもかと大小さまざまな事件が
    巻き起こり、人手不足の警察署を(そしてフロストの未解決事件の書類の山は増え)苦しめる。
    主人公はおっさんで、下品で行き当たりばったりな操作をする不眠不休のハードワーカー

    なかなか一つの事件に集中出来ないし
    やる気もなかなか湧かないのに犯人や真実を追うことには情熱が消えない。

    だけど、そのつまみ食いのような捜査が徐々にパズルのようにはまっていく感じはやっぱり面白い。
    何よりフロストは人の見た目を見るのではなく「人の弱み、痛み」が見えてる人情派刑事というギャップがいい。(特大の胸と尻は別)

    読んでるうちにだんだんフロストが道化の様に見え始めて、事件の謎、ヒント、登場人物を、ボールのようにジャグリングする場面が頭に浮かんだ。(たまにボールを落とすけど、たぶん蹴飛ばして隠すはず)そのくらい事件自体は他の小説にも出てくる殺人や盗みなんだけど主人公のコミカルさもあってかデフォルメされてるように錯覚してしまう。ましてやコントみたいな場面も挟んでくるので色々と登場人物たちの心情を見落としがちで、そこをすくっていくフロストの姿は一読の価値がある。
    (なんでこんなことを書くのかというと電子書籍の時代に700ページ声の本を持ち歩くのに躊躇し、一年以上背既読していたから…登場人物欄が数ページに分岐してるのを見て挫折しそうになるんだよなぁ…上・下巻に分かれたらさらに大変そうだけど。これからも読み続ける予定)

  • 2018年最大の読書快楽は間違いなくフロスト警部シリーズ。個人的には絶賛絶叫全面肯定感謝感激なのですが、もはやため息をつくしか無い犯罪小説シリーズの多くがそうであるように、フロスト警部シリーズも、あらすじを備忘録にしておこうと思っても、読み終わって2分もすると記憶からすり落ちてしまいます。寝起きの素敵な夢のようですね。ああ、良い夢みたな、と思っても、起き上がって水でも飲む頃にはすっかり忘れてしまう。

    「フロスト日和」はシリーズ第2作。だいたいいつも通り女性や子供などの弱者を狙った犯罪が相次ぎ、フロスト警部は寝る間も無く複数の事件と現場への理解や愛の無い上昇志向の上司に怒られ続け、下品極まりないジョークをつぶやきながら、行き当たりばったりな捜査を続け、犬が棒に当たるように解決したりしなかったりします。そうまとめると何がおもしろいのかわかりにくいのですが、実際わかりにくいと思います。でも、これは珠玉の小説であり、フィリップ・マーローがもしも文学であるならば、フロスト警部も間違いなく文学という人類の遺産です。

     細かいことはさっぱり忘れてしまったのですが、ラスト、警官殺しの意外な真犯人を突き止めるフロストの語りが胸アツもので、更にその後に金貨泥棒を名乗ってくる老婆とのやりとりが、胸がアツいのではなくて、胸をえぐられるような痛み。そして、我らがフロストへ限りないエールを送るしか無い泣ける終わらせ方。
    このシリーズはとにかく、終わり方がにくい。ニクすぎます。
    (読み終わってから相当に経過してから書いているので、記憶が間違っているかも知れません)

  • 2作目も安心と安定の面白さ!
    まだ読んでなかった物の中にこういう作品を見つけると
    非常に嬉しいです。
    パズルのピースが嵌るようなミステリと云うと綺麗な感じがしてしまいますが、…綺麗じゃないけど(笑)最後は凄く綺麗にまとまると云うか。毎度御馴染みパターンがあって、今回はそれをどうまとめていくのかとか、今回の相棒はどうなんだろうとか、そう云うのが楽しめる方ならドストライクな作品でしょう!

  • 以前話題になっていたなーと気になったので、図書館で借りてシリーズ2作目まで読了。

    うーんうーん、面白くなくはないけれど、好きにはなれない作品でした。やたら汚い公衆トイレに転がった死体の微に入り細に入る描写とか、おっさんのつまんない妄想とか毎回ろくでなしのパートナーになる部下になぜか美人の婦人警官がめろめろになっちゃうとか、なんだかなあと。

    せめてフロスト警部がコロンボ刑事とかポアロみたいに冴えない風だけど、ずばっと活躍してくれるならまだしも、ずっと推理も外れまくり、でもなぜかラスト間際に偶然の重なりと推理が神憑って解決って…。

    1作目はそれでもガマンできたのですが、2作目も同じパターンで、フロスト警部をちょっと見直したはずの部下もなぜかリセットされ、次もまた同じようにフロスト警部を見下したパートナーと、嫌みな所長他の面々とつきあうのかと思ったら、手がのびず、3作目以降読まずに返却してしまいました。

    全部の伏線を回収するのは見事ですが、読んでいてあまり面白いと思えなかったかなあ。下ネタとスカトロっぽいところをガマンできる人には楽しいのかもしれませんが、自分は無理でした…。

  • 最高に面白い。フロスト・シリーズは
    イギリスでドラマ化され、
    平均視聴率が63パーセントだったとか。
    いやはや、この人気ぶりはすごいとしか
    言いようがありません。
    フロスト一流ジョークを聞くたび、
    楽しい気分になれます。

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