石に刻まれた時間 (創元推理文庫 M コ 6-7)

  • 東京創元社
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感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (492ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488298074

感想・レビュー・書評

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  • 過去と未来が錯綜する不思議な家にまつわる話
    かと思いきやそれに関して結論はなく
    別の筋の話がメインの結論
    読みやすくて一気に読んだけどなんかスッキリしないな

  • 『領主館の花嫁たち』を読んでいる時、これをロバート・ゴダードが書いたらどうなっていたんだろう?
    たぶん、リチャードとレノーラの生前のエピソードも濃密に書いたんだろうなぁーなんて思っていたら。ふと、そういえばゴダードにも家にまつわる話があったなーと思い出した。
    しかし、本棚から引っ張り出し、中身をパラパラ見ていてびっくり。
    あれ?全然内容を憶えてない…
    そういえば、これを読んだ頃って忙しかったり、色々あって本を読んでも全然頭に入らなかったんだっけ…なんて、当時を思い出したと。

    そんなわけで初めて読むように楽しめたのだが、印象としては桜に色とりどりのチューリップを接ぎ木しちゃったみたいというか、イルミネーションをライトアップしちゃったみたいというか。
    もしくは、きれいな景色の映像の画面の右上と左上にけばけばしいタイトル、その下にコメントを言う芸人の顔を出し、さらに一番下にその字幕とデカデカと出しちゃう最近のTV番組みたいというか(笑)

    いやいやいやいやいや…。
    そこはゴダード、いくらなんでもそこまでひどくはない。
    てらいのない物語の世界を楽しめるのは確かだ。
    とはいえなぁー。
    後半、現実の事件が前面に出すぎちゃうから、せっかく前半でたっぷりに醸し出された「アザウェイズ」の不可思議なムードが消し飛んじゃっうんだよなぁ…。

    確かに、「アザウェイズ」の不可思議さだけだと、ありがちな幽霊屋敷の物語(出たよーな?気のせいのよーな?っていうアレねw)になっちゃうから、そこに現実の事件を持ってきたということなんだろうけど…。
    でも、だからってそれらを組み合わせても、虻蜂取らずになってしまったような気が…
    しないでもない(笑)

    いや、お話としてはいいと思うのだ。
    ゴダードだから、なにより「物語」として絶対面白いし。終わりの余韻なんか、本当にいい感じ。
    とはいえなぁ…

    ま、物語にホラーの要素を持ち込むとなると、完全にそっちの世界の話(ファンタジー)にしちゃうか、もしくは定型通りのエンディング(火事か全員死んじゃう)にせざるを得ないというのはあるんだろうと思うのだが…。
    さすがのゴダードも、そこは如何ともし難かったということか?w

    そんなわけで、読み終えて。
    本棚の元の場所に戻そうとして気づいた。
    あ、この表紙って、石の階段だったんだ…
    前に読んだあの頃は、そんなことにも気が回らなかったくらいバタバタしてたんだなぁーと、ちょっと感慨にふけってしまったというのは感想と関係ない(笑)

  • 奇怪な建物が主人公と言えないでもない不思議な話し。
    飽きずに読ませるけど 最後が物足らないような・・・
    でも面白かったです。

  • 呪われた家、といってもアメリカンホラーとは全然違う、英国らしい幽霊譚のようなそうでないような。さすがに巨匠、なかなか面白かった。

  • 図書館で。
    ミステリーかと思ったのですがホラー・オカルトっぽい展開になってしまい残念。結局はアザウェイはなんだったんでしょうかね~ 人の悪意の方がよっぽど怖いというお話なのだろうか。何となく後味の悪いお話でした。

  • ロンドンから郊外に離れすんだ主人公と妻。その妻が断崖から転落死をして、親友と妻の妹夫妻の元に身を寄せる。彼らが新居に選んだアザウェイズには、理解できない現象と、スパイなどの謎をはらんだ、ある天才建築家の建物だった。
    アザウェイズという石に刻まれた家の、歴史(時間)が主人公トニー・シェリダンを巻き込んでいく・・・。

    少し細かい謎が放置された部分も感じるが、全編を彩るアザウェイズの雰囲気と、これでもかと陳列される謎にめまぐるしく翻弄される感じが面白い。

  • ゴダードが、えっ?ホラーに転向?…
    と、首をかしげつつ読み進めれば、ヨカッタ、後半は歴史ミステリの絡みだす正調ゴダード節~

    ハズれがないと思っていたゴダードの中では評価の低い本作。
    でもファンとしては、未消化なホラー風部分も、敢えて「ロマン」として読んであげたいのです。

  • 円柱形のおかしな建物にまつわる、きっと推理小説。その建物の中では、夢と現実が交わったり、過去や未来が現在に溶け込んできたりする。謎の人物とか陰謀とか歴史的なあれとかが渦巻いて、物語としてはかりと壮大で飽きさせない感じで、ぐいぐいっと先に進みたくなる。でも構造的なぐちゃぐちゃ感がありそうでないのがちょっと物足りないかも。

  •  最近、不調だと言われるゴダード。うん、確かに…。
     幽霊屋敷に住んだ妹夫婦と一緒に巻き込まれる過去の陰謀の話。なので、屋敷の云々っていうのも、陰謀も、なんとなく未消化。それよりなにより、主人公がなぁ。ゴダードの主人公って、とことんヘタレでも純粋、っていうのがいいのに、今回のは中途半端。でもって、以前のような構成で読ませるっていうのも、ない。最後のオチも、うむむ?だった。
     とはいえ、中盤からは読ませる。うん、上手いのは上手いんだよ、ゴダードって。

  • イギリスの怖いお話。とても、面白かった。

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著者プロフィール

1954年英国ハンプシャー生まれ。ケンブリッジ大学で歴史を学ぶ。公務員生活を経て、’86年のデビュー作『千尋の闇』が絶賛され、以後、作品を次々と世に問うベストセラー作家に。『隠し絵の囚人』(講談社文庫)でMWA賞ペーパーバック部門最優秀賞を受賞。他の著作に、『還らざる日々』『血の裁き』『欺きの家』(すべて講談社文庫)など。

「2017年 『宿命の地(下) 1919年三部作 3』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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