日本探偵小説全集〈1〉黒岩涙香 小酒井不木 甲賀三郎集 (創元推理文庫)
- 東京創元社 (1984年12月22日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (764ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488400019
感想・レビュー・書評
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黒岩涙香集は、ややとっつきに苦労しました。会話・改行ほぼなしの活字べったり。さらに古めかしい文体。活字嫌いならめまいがしそうです(笑)。でも頑張って読んでみたら、面白い! 謎解きの面白さもさながら、「無惨」の探偵対決はコミカルですらありました。
小酒井不木集では「痴人の復讐」がとんでもなく恐ろしくって印象的でした。これは嫌だなあ……いくらなんでもそれはない! 「恋愛曲線」のラストにもやられました。
そして甲賀三郎集。メインとなる「支倉事件」は実際の事件をモチーフにしているようですが。これがまあなんとも読み応えたっぷり。支倉のキャラが凄まじいったら。それに対抗する警察の奮闘っぷりと紛糾する真実の追求も一層物語の展開に拍車をかけるのだけれど。まさかこういう結末だとは。
短編「蜘蛛」も面白かったなあ。作品の雰囲気も好きだけれど、なんといってもこの大仕掛け! やっぱりこういうミステリが大好きです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
海外作品の翻案で知られる黒岩涙香の創作「無残」は、日本探偵小説史の嚆矢といってよく、この全集12巻の始まりを飾るにふさわしい作品。
また、医学と文学の融合がたくみな小酒井不木の傑作短編、本格派の筆頭ともいわれる甲賀三郎の出世作「琥珀のパイプ」だけでなく、実話をもとにした長編「支倉事件」をも収録する。
「支倉事件」は、事件としては複雑なものではないかもしれないが、犯罪の発覚から逮捕、断罪までが描かれる中で、被疑者の心の変化を追う犯罪心理小説として日本探偵小説の白眉ともいえる傑作と思えた。 -
<pre><b>日本探偵小説の嚆矢といえる黒岩涙香の「無惨」に
始まり、翻訳、研究にも大きな足跡を残した小酒井
不木の「闘争」ほかの代表作を配し、乱歩・宇陀児
と並ぶ三羽烏といわれた甲賀三郎の力作長編「支倉
事件」「黄鳥の嘆き」等を収めた探偵小説ファン待
望の一冊。全巻に中島河太郎編の著者略年譜を付し
た。解説・中島河太郎 挿絵・高井貞二</b>
(出版社/著者からの内容紹介 より)
資料番号:011269917
請求記号:F/ニ/1
形態:図書</pre> -
黒岩涙香・無惨・血の文字
小酒井不木・痴人の復讐・恋愛曲線・愚人の毒・闘争
甲賀三郎・琥珀のパイプ・支倉事件・蜘蛛・黄鳥の嘆き・青服の男
黒岩涙香は読むのに必死でした -
黒岩涙香
無惨
血の文字
小酒井不木
痴人の復讐
恋愛曲線
愚人の毒
闘争
甲賀三郎
琥珀のパイプ
支倉事件
蜘蛛
黄鳥の嘆き
青服の男 -
黒岩涙香、甲賀三郎は他のアンソロジーなどで作品に触れたことがあったが、小酒井不木は初めて読んだ。収録された作品は4作品だけだが、小酒井作品はどれもが凄い。読んでいるうちにじわじわと恐怖が忍び寄ってくるような…「怪奇」と一言では片付けられない静かな恐ろしさがあり、魅せられた。
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(収録作品)痴人の復讐(小酒井不木)/恋愛曲線(小酒井不木)/青服の男(甲賀三郎)/蜘蛛(甲賀三郎)/無惨(黒岩涙香)/琥珀のパイプ(甲賀三郎)/愚人の毒(小酒井不木)/血の文字(黒岩涙香)/支倉事件(甲賀三郎)/闘争(小酒井不木)/黄鳥の嘆き(甲賀三郎)
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001.初、並、カバスレ、帯なし。
H.21.9/9.松阪BF.