- Amazon.co.jp ・本 (814ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488400033
感想・レビュー・書評
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大下・角田作品を複数まとめて読むのは初めてで、アンソロの中で読むのでは分からない本気度というか凄さみたいなものがガッツリ感じられました。
時代伝奇物でしか知らなかった角田の現代物というのは興味深かったけれど「高木家の惨劇」でのトリックにまつわる悪意には驚かされたし、かつ人心の醜さは今も昔も変わらずで、それゆえに往年の名作は現代の読者にも飽きられることがないのだなと感じた次第。それは大下作品も同じ。
巻末の日影丈吉の解説もさすがの読み応えで、分厚い一冊だけれどどこも読み飛ばせるところがありませんでした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
大乱歩や横溝に比してどうにもマイナー感の否めない二作家ではあるけれど、どの話も素晴らしい出来だった。取り分け大下宇陀児「凧」の鮮烈なラストは、今年読んだ作品中ベストかも(初出は昭和十一年ですが…)。角田喜久雄「発狂」。たった数十行で淡々と記される第二の復讐に至るまでの、怒涛の展開の凄まじさ。長編「高木家の惨劇」。トリックスター丹羽が暗い狂気に彩られた重苦しい物語に程良いアクセントを与えていて、ここまで鼻につく衒学趣味は近年のミステリにおいてすら稀だろう。
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大下宇陀児の作品は半倒叙スタイルと言えば良いのか、登場人物が徐々に追い詰められて犯罪に手を染めていく過程・心理描写が秀逸。そしてそれが物語そのものに読者を惹きつける引力を与えており、ページをめくる手が止まらない。
角田喜久雄の作品は、十代で書いたとは到底思えない「発狂」。ラストの真相解明の展開には度肝を抜かれる。
それまで日本になかった「本格探偵小説」を書いてやろうと意気込んで書いた「高木家の惨劇」は物理トリックに消去法推理、犯罪に至った高木家への心理分析と申し分ない。加賀美課長のヘビースモーカー設定もちょっとお茶目で良いです。
改めて感じますが「日本探偵小説全集」はどれを読んでもハズレのない本当に良い作品集ですね。 -
033.初、並、カバスレ、帯なし。
H.21.9/9.松阪BF. -
<pre><b>犯罪心理の描写に冴えをみせた大下宇陀児。「情獄
」「凧」等はその本領が存分に発揮された傑作であ
り、『虚像』は見事な到達点である。「発狂」で驚
くべき早熟ぶりをみせた角田喜久雄が、従来、日本
になかった本格探偵小説をと意気込んで書いた『高
木家の惨劇』は本格長編時代の夜明けを告げた。解
説・日影丈吉 挿絵・横山隆一、山名文夫</b>
(出版社/著者からの内容紹介 より)
資料番号:011269933
請求記号:F/ニ/3
形態:図書</pre>