- Amazon.co.jp ・本 (778ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488400057
感想・レビュー・書評
-
探偵小説集。
お気に入りは「夢の殺人」。実に巧妙に思える計画だったのに、まさかこんな顛末に! しかし本当はもしかしたら……? という想像の余地が残されるところにも、なんだかぞくりとさせられてしまいます。
そしてやはり「殺人鬼」が凄いなあ。いやまさか、「グリーン家殺人事件」のネタをこれほど壮大にばらしちゃってるってのも凄いですが(笑)。
秋川家で起こる謎めいた連続殺人事件。その解決に乗り出した二人の名探偵。なのに次々増える被害者。名探偵が二人もそろって何やってんだい、と思わないでもないのだけれど。ある程度は事件が起こらないと面白くないというジレンマがミステリには存在するので(笑)。ここは突っ込んではいけないところなんでしょうね、たぶん。
とにかく誰もかれもが怪しい中でどんどん容疑者が減っていって、それでもなかなか見抜けない犯人像。やがて明らかになる過去の因縁。物理トリックではなく、心理的なトリックを用いたところも面白かったし。ミステリの面白さを充分に堪能できました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
どの作品も犯人が明確なようでいて、終わりまで読むと、本当にこの人が犯人なのか?殺したのか??と悩んでしまう作品ばかり。そこが読後感が悪いかというとそんなこともなく。面白い作品ばかりで、他にも探して読んでみようと思える作家です。
-
この時代に特有の空気感が楽しめた。
-
「殺人鬼」が素晴らしかった。お約束すぎる本格探偵小説の王道設定に読んでる間中笑顔が止まりません。ヴァン・ダイン大好きなんだな、というのもよく伝わってきまして、さらに好印象。
(※この作品、グリーン家を未読の人はネタバレされるので要注意)
「『法律的探偵小説』の先駆者」と解説にあるように、収録されている作品が皆、法律がらみのネタを扱っていて、どれを読んでも「法律」が出てきます。
このため、ぶっ通しでこの文庫を読んでいくと「あー、また法律ネタかぁ」という気分になっちゃうので、間にテイストの違う本を挟みながら読みきるのが良いかと思います。 -
<pre><b>検事から弁護士への道を歩んだ浜尾四郎は、処女作
「彼が殺したか」以来、その怜悧な理智と懐疑の目
で、「殺された天一坊」「悪魔の弟子」など印象深
い短編を多く残している。またその探偵小説は理論
的推理による真犯人の暴露でなければならない、と
の持論を実践した代表作の長編「殺人鬼」を収録し
た。解説・権田萬治 挿絵・竹中英太郎</b>
(出版社/著者からの内容紹介 より)
資料番号:011269958
請求記号:F/ニ/5
形態:図書</pre>