日本探偵小説全集〈6〉小栗虫太郎集 (創元推理文庫)

著者 :
  • 東京創元社
3.63
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本棚登録 : 326
レビュー : 33
  • Amazon.co.jp ・本 (731ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488400064

作品紹介・あらすじ

本巻には、鬼才小栗虫太郎の創造した名探偵法水麟太郎ものの代表作、「後光殺人事件」「聖アレキセイ寺院の惨劇」「オフェリヤ殺し」そして無論のこと、わが国探偵小説中最大の奇書とも評される大長編『黒死館殺人事件』に、小栗探偵小説の出発点ともいうべき「完全犯罪」を加え、松野一夫画伯による初出時の挿絵を残らず収録した。

感想・レビュー・書評

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  • 『完全犯罪』
    外国を舞台に、少しズレた論証と想定外のトリック、かなり異色の作品。本格ではないのに、寧ろ面白いと感じたのは不思議で、古い作品だと言うことと少し翻訳調の所に起因するのかなと思う。

    『後光~』
    若干推理というか決めつけが明後日の方に向いてわからんともなりましたが、基本はオーソドックスで読みやすい作品かなと思います。少し無理があろうと、物理トリックやっぱり好きだなーと思いました。

    『聖アレキセイ寺院~』
    一読しただけじゃ全然わからん。眠い(笑)
    これからまた読み返す。
    誰か懇切丁寧に教えてください。。。

    『黒死館~』
    終わりはあっけなく。推理小説様としていますが、確かにこれは奇書ですわ。衒学さ抜群でした。一方で、探偵とは?という問いを考えるにあたって、本作はなくてはならないとも思いました。

    『オフェリア~』
    黒死館の後だったので、やけにあっさり感じました笑
    いつも通りではあるんですけど、少し立ち位置の変わった法水を楽しむ感じでしょうか

  • 「完全犯罪」「後光殺人事件」「聖アレキセイ寺院の惨劇」「黒死館殺人事件」「オフェリヤ殺し」収録。
    「黒死館殺人事件」を読むにあたって、短編で肩慣らししてからだと読みやすいかも、と思ったのですが。この短編もまた難敵。でも魅力的な要素が多いので、懸念したほどではなかったかも? ガチガチのトリックを理解するのには少々骨が折れましたけれど。
    そして肝心の「黒死館殺人事件」。個人的には魅力的だと思うガジェットがてんこ盛りなので、案外と惹きこまれました。なるほどこれは読んでおくべき一作かも。
    精神医学や魔術や心理学や、そして数々の詩作などの薀蓄が凄まじくって。正直なところを言うと、そのあたりの知識の下地がないので、かなり登場人物たちの思考にはついていけませんでした(苦笑)。あまりにもったいつけた台詞といい、何言ってんのこの人たち、という印象。でもそのリアリティの欠如のせいか、荘厳な舞台劇を見ているかのような雰囲気がありました。
    結局、どれほどきちんと理解できたのかは心もとないのですが。「読んだ!」という充実感は充分です。

  • 『黒死館』目当て。なんとか年内に読み終わった!ですが、これほどのページ数を繰ったのに何言ってるか最初から最後までわからず、つらかったー!!!これは探偵小説の皮をかぶった魔導書です、趣味の本です( ;∀;)ドグラマグラなんかよりよっぽど精神に支障をきたすかと思ったよ???もう多分二度と読まない(笑)でも、こういう本が出版できた当時の日本ていいなぁとも思うのです…。(おっと…意味不明すぎて感想の書きようがないので話が違う方向へ…)子どもの頃に読んでたらトラウマレベルな味のある挿絵も好きです。

  • 面白かった!!
    もう一度読もう。
    ・・・これだけのレビューで済ませられるはずはない。
    この本に中学生のころ出会っていたらこれまでの人生変わっていたかもしれない~それほど?はい。それほど。

    実際、中学生のころは訳分からなくても妙に響いてくる妙な本(失礼)いろいろ読んでいたし、なぜこれが入っていなかったのかが疑問。
    また手に取る、きっと。

  • 黒死館が読みたくて。夥しい衒学趣味と聞き、読みにくいのかと思ったが、意外とそうでもなかった。むしろ私にはとても面白かった。「完全犯罪」等で肩慣らしができたのが良かったのかもしれない。以下、黒死館について。確かに物凄いペダントリーだが、それが異様な事件と相まって、独特の雰囲気を作り出している。法水の超人的な推理には、ただただ圧倒されるばかり。三大奇書に数えられるのも納得。これは、ミステリの辿り着いた一つの頂点ではないだろうか。しかし、咀嚼できたとは言い難いので、いつかもう一度読みたい。

  • 購入したのは、かなり以前ですね・・・・。
    1993年くらい。
    未成年の時に、原稿料で、全集を購入しました。

    ノンフェクションなので、あまり面白く有りませんが
    読みやすい作家です。

    挿絵が収録されています。

  • 日本三大奇書の一つ、黒死館殺人事件含む5つ入りのお得な作品集。

    どの作品もそうだがストーリーやトリックがどうとかよりは小栗虫太郎自身の知識というかトリビアを網羅したいだけのような物なのでかなり辛い。
    推理、探偵小説の歴史にはこういう作品もあるという確認の為に読むか、本当に読む本が無い人や活字好きな人は手を出してみてもいいんじゃないすかね

  • いま巷で、古本ではなく、新刊として読めるのは
    先にあげた「黒死館殺人事件」と、このアンソロ
    ジーぐらいではないかな。
    私も、このアンソロジーにあうまで、小栗さんの
    著書を読んだ事が無かったので、渋谷の本屋さん
    で、見つけた時は嬉しかったです。

    そうそう。巻末に書かれていたのか、どの本で知
    ったのかは忘れてしまいましたが、小栗さんは、
    常に作品に手を加えていて「黒死館殺人事件」だ
    けでも、出版社によって、出版される時期によっ
    話が変わっていたりするそうです。
    そういう小説があるのも、面白いですね。

  • 「完全犯罪」
    共産主義探偵ワシリー・ザロフの推理によって
    浴槽で死んだ美女の謎が解き明かされる
    その背景には一神教的価値観と多神教的価値観の対立が隠されているが
    すべては唯物主義に回収される

    「後光殺人事件」
    名探偵・法水麟太郎の登場
    科学と超絶技巧によって奇跡を操る殺人犯を追及する

    「聖アレキセイ寺院の惨劇」
    処女崇拝のフェティシズムによってなされる芸術的殺人
    法水麟太郎はその秘密を握りつぶす

    「黒死館殺人事件」
    千々石ミゲルの末裔・降矢木家の神聖なる血脈において
    人間の平等が確かめられるためには
    完全犯罪の成立により、神の存在が証明されなくてはならない
    そのような狂気によって行われる殺人を
    法水は膨大なデータベースを駆使した推理によって解体してゆく

    「オフェリヤ殺し」
    法水がなぜかハムレットの改作を書き
    そしてまたなぜか法水じしんが主演するという奇妙な出だしである
    もちろん理由あってのことだ
    …遺伝子レベルで刻み込まれたノスタルジーの殺人とは
    いかにも奇妙なものである
    「黒死館」の真犯人は法水その人ではないかとする評論もあるのだが
    この作品を読むと、よりいっそうその疑惑が深まるように思う

  • 知識のある人が本気で遊ぶとこういうものができるわけだ…。読みながら部屋でひとりごと&笑いが止まらない。

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著者プロフィール

1901 年(明治34)3 月14 日、東京神田旅籠町に生まれる。本名・ 栄次郎。京華中学校卒業、正則英語学校高等科にも通学。1933 年(昭 和8)、『完全犯罪』(『新青年』7 月号)を発表、本格的な創作活動 に入る。『黒死館殺人事件』によって日本探偵小説史上に確固たる 地位を築いた。他の作品に『白蟻』『オフェリア殺し』『紅殻駱駝の 秘密』『魔童子』『二十世紀鉄仮面』などがある。第4 回直木賞候補。 1941 年(昭和16)、陸軍報道班員としてマレーへ出征。1946 年(昭 和21)2 月10 日、脳溢血で急逝。

「2021年 『亜細亜の旗』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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