日本探偵小説全集〈9〉横溝正史集 (創元推理文庫)

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  • 東京創元社
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レビュー : 17
  • Amazon.co.jp ・本 (766ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488400095

感想・レビュー・書評

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  • 横溝正史といえば金田一耕助ものであり、その作品には本格推理小説的な性格が強いものが多いと思っていた。それだけに「鬼火」や「車井戸はなぜ軋る」のように鬱屈した人間関係や、幻想的な描写に力を入れた作品も書かれているということが新鮮に感じられた。夜中に読むと、妖しげな挿絵も手伝って雰囲気満点だった。

    「獄門島」や「探偵小説」など推理小説群では、奇抜なトリックよりも、事件に関わる人間関係や話の構成・状況描写に引き込まれ、文章も読みやすくページがどんどん進んだ。より論理的な趣向を目指したという「蝶々殺人事件」もぜひ読んでみたい。

    何よりもボサボサ頭の冴えない恰好をして、どもる癖のある一見平凡な青年が謎めいた事件を明らかにしていくという展開はまったく古さを感じさせない。「本陣殺人事件」、「百日紅の下にて」、「獄門島」が時系列順になっていて話のつながりに読んでいてニヤリとさせられたり、巻末の解説が充実していたりと非常に読者に親切な全集だった。

  • 「本陣~」→「百日紅~」→「獄門島」と作中の時系列に沿って収録されているので、今までバラバラに読んでて内容は知ってましたが、通して読むと違った味わいがあって面白かった!
    その他に「鬼火」「探偵小説」「車井戸~」とどれも秀作揃い。
    これはかなり満足度の高い作品集でしたね。オススメ!

  • 【鬼火】竹中英太郎の挿絵が「陰獣」の時とはまた異なる画風でこれも良かった。作品自体もどこか鬱蒼とした感じに引き込まれた。
    【探偵小説】最近の作品と言われても不思議じゃないくらい読みやすい話でした。
    【本陣殺人事件】本作の時点で物理トリック、メタ的な視点、叙述的な記載など面白いと思うミステリの要素がぎゅっと詰まっていて脱帽。
    【百日紅の下にて】ワイングラスの謎、定番って感じで楽しく読めました。
    【獄門島】流石に名作と呼ばれるだけあって面白かった。登場人物たちの際立った魅力、見立て殺人、そして犯人の意外さ、全てが色褪せず素晴らしい作品でした。
    【車井戸はなぜ軋る】これ、一番好きでした。読者の視線を明らかに一方にふりながら真実へ意識を持ってかない、美しさすら感じました。終わり方も良かったです。

    満足!としか言いようがない一冊でした!

  • ・早苗さんが「耕助さん」って言ってたのが印象的
    ・儀兵衛さんのこと、げじげじって(笑)
    横溝先生可愛過ぎない?大丈夫?

  • 「鬼火」竹中英太郎の挿絵付『本陣殺人事件』『獄門島』「百日紅の下にて」「車井戸はなぜ軋る」

  • 本陣殺人事件のみ読了。正統派で面白いとか何とか聞いていたが、現代の感覚で読むとちょっとベタというかありがちな要素が詰め込まれている感じがする。本当にこんなことできるのだろうか。
    ただ、謎解きの部分は他の金田一作品に比べると、シンプルでさっぱりとしていてわかりやすいし、金田一が格好良い天才タイプの探偵のように書かれていて面白かった。

  • 一話目 鬼火 仲が悪い2人とある一人の女性を巡る奇妙で醜悪でネジくれた運命のお話
    なんと言うか…複雑だった

    二話目 探偵小説 バカンスの帰りに電車が遅れているので帰るまで暇を持て余した3人はその中の1人である探偵小説家、里見先生の実際にあった殺人を題材に書き始めている小説の話を聞く事になるのだか…
    なんとなく予想通りな感じのラストではあったけど読みやすく推理も面白かった✨

  • 著者の作品は、映画の原作として知ったのが始まり。
    オドロオドロシイと思い込んで、随分長い間敬遠してきました。
    きっかけは、岡山に転勤した友人から薦められて。
    推理小説を書くことにキラキラとした情熱、歓びに溢れた著者の姿を、行間から感じ取ることが出来ます。
    ぜひ読んでほしい!

  • 横溝正史は物語の構成力が半端ない。複雑な内容がすっと頭に入ってくる。このような点においてヴァン・ダインを彷彿させる。

  • ものすごい重厚な読了感。長編映画を立て続けに3〜4本見たような。古典といえば古典だが逆にそれが新鮮だ。でもなぁ、あとから重要な付け足しをしちゃぁだめだよー師匠!と。了然さんが消えたなんて、そこは重要だよ〜。まぁそのカラクリを書いちゃったらつまんないわけなのは承知で。
    金田一以外でもこんなに作品があるのを知らなかった。「車井戸〜」は金田一のスピンオフとしても読める。

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著者プロフィール

横溝 正史(よこみぞ せいし)
1902年5月24日 - 1981年12月28日
兵庫県生まれの小説家、推理作家。本名は同名で「よこみぞ まさし」。筆名を誤読した作家仲間にヨコセイと渾名され、セイシをそのまま筆名にするようになった。
1921年『恐ろしき四月馬鹿(エイプリル・フール)』が雑誌『新青年』の入選作になり、これが処女作とみなされる。 1926年に江戸川乱歩の招きに応じて上京、博文館入社。1927年『新青年』の編集長に就任、その後『文芸倶楽部』『探偵小説』等の編集長を務めながら創作活動を続けたが、1932年に同誌が廃刊となり、会社を退社。専業作家に。
金田一耕助を生む。第1回探偵作家クラブ賞(後の日本推理作家協会賞)長編賞を受賞した『本陣殺人事件』をシリーズ第一作として、以降多くの「金田一耕助」シリーズ作を残す。代表的な作品に、1947年『獄門島』、1949年『八つ墓村』、1950年『犬神家の一族』、1957年『悪魔の手毬唄』など。

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