- Amazon.co.jp ・本 (766ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488400095
感想・レビュー・書評
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横溝正史といえば金田一耕助ものであり、その作品には本格推理小説的な性格が強いものが多いと思っていた。それだけに「鬼火」や「車井戸はなぜ軋る」のように鬱屈した人間関係や、幻想的な描写に力を入れた作品も書かれているということが新鮮に感じられた。夜中に読むと、妖しげな挿絵も手伝って雰囲気満点だった。
「獄門島」や「探偵小説」など推理小説群では、奇抜なトリックよりも、事件に関わる人間関係や話の構成・状況描写に引き込まれ、文章も読みやすくページがどんどん進んだ。より論理的な趣向を目指したという「蝶々殺人事件」もぜひ読んでみたい。
何よりもボサボサ頭の冴えない恰好をして、どもる癖のある一見平凡な青年が謎めいた事件を明らかにしていくという展開はまったく古さを感じさせない。「本陣殺人事件」、「百日紅の下にて」、「獄門島」が時系列順になっていて話のつながりに読んでいてニヤリとさせられたり、巻末の解説が充実していたりと非常に読者に親切な全集だった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「本陣~」→「百日紅~」→「獄門島」と作中の時系列に沿って収録されているので、今までバラバラに読んでて内容は知ってましたが、通して読むと違った味わいがあって面白かった!
その他に「鬼火」「探偵小説」「車井戸~」とどれも秀作揃い。
これはかなり満足度の高い作品集でしたね。オススメ! -
初めての横溝正史。
少し古い作品というイメージがあったので、読みづらいかなと思っていたのだが、全くそんなことはなく、むしろとても読みやすかった。
予備知識がなかった分、金田一耕助が登場した時には「おっ」と驚いたし、何よりも内容が面白く、どんどん引き込まれていった。
ここに含まれる作品は「鬼火」「探偵小説」「本陣殺人事件」「百日紅の下にて」「獄門島」「車井戸はなぜ軋る」の6篇で、いずれも甲乙つけがたい面白さ。
ただやはり建物の造りや風習などは、昭和20年代を反映しているので、私にも理解しにくい部分があり、読後にYouTubeで映像を確認して理解が深まっら部分もあった。
他の作品も読んでみたいと思う。
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・早苗さんが「耕助さん」って言ってたのが印象的
・儀兵衛さんのこと、げじげじって(笑)
横溝先生可愛過ぎない?大丈夫?
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一話目 鬼火 仲が悪い2人とある一人の女性を巡る奇妙で醜悪でネジくれた運命のお話
なんと言うか…複雑だった
二話目 探偵小説 バカンスの帰りに電車が遅れているので帰るまで暇を持て余した3人はその中の1人である探偵小説家、里見先生の実際にあった殺人を題材に書き始めている小説の話を聞く事になるのだか…
なんとなく予想通りな感じのラストではあったけど読みやすく推理も面白かった✨ -
著者の作品は、映画の原作として知ったのが始まり。
オドロオドロシイと思い込んで、随分長い間敬遠してきました。
きっかけは、岡山に転勤した友人から薦められて。
推理小説を書くことにキラキラとした情熱、歓びに溢れた著者の姿を、行間から感じ取ることが出来ます。
ぜひ読んでほしい! -
085.初、並、カバスレ、帯なし。
H.21.9/9.松阪BF. -
読みたかった短編があったので、購入
かなり満足ーー