孤島の鬼 (創元推理文庫―現代日本推理小説叢書)

著者 :
  • 東京創元社
4.07
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本棚登録 : 2122
感想 : 262
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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488401016

作品紹介・あらすじ

密室状態での恋人の死に始まり、その調査を依頼した素人探偵まで、衆人環視のもとで殺された蓑浦は、彼に不思議な友情を捧げる親友諸戸とともに、事件の真相を追って南紀の孤島へ向かうことになった。だが、そこで2人を待っていたのは、言語に絶する地獄図の世界であった…!『パノラマ島奇談』や『陰獣』と並ぶ、江戸川乱歩の長編代表作。

感想・レビュー・書評

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  • 原点に帰る!(笑)
    盟友 横溝正史さんのは、中学の時に良く読んでたけど、こっちは、怪人二十面、少年探偵団とか知ってるものの、ちゃんと読んだのは、これが初めてかも^^;
    さすがに時代設定は、古い感じやけど、この古いおどろおどろしい雰囲気は良いな。挿絵も怪しく、今では放送禁止用語になってる表現もあるし。
    何か、恨みは物凄いけど、他人を巻き込んで、こんな形で晴らすのはあかんやろ!自身の体がどうであれ、他人まで…
    ミステリー要素だけでなく、ホラーとか、恋愛要素(同性も)あって、なかなか楽しめました。
    名作は、時が過ぎても変わる事なくおもしろい。

  • 予想以上に面白かった。

    ある夫婦の身体的特徴に関する説明のために書いたという小説という設定。

    夫の若さに似合わぬ白髪頭と妻の太ももにあるとてつもなく大きな痣の理由が記されています。

    物語が進むに連れてあきらかになる真実が面白く、ページを繰る手が止まらなくなりました。

    減点ポイントはやや表現がグロい描写があるところでしょうか?

    それがなければ五つ星だったかなぁ。

  • こ、怖かった…最後のほうの真っ暗なところでぐるぐる同じところを廻って、水が迫ってきて…のところが、もう。息を詰めて読んでしまってました。

    諸戸さんが切ないなぁ。

    毎日ちょっとずつ、ゆっくりゆっくり読み進めて、乱歩のおどろおどろしい怪奇ミステリー、存分に堪能しました。

  •  本作品には明智小五郎という絶対的な名探偵は登場しませんが、深山木幸吉・諸戸道雄・北川刑事・(それに蓑浦金之助?)という、凡人の素人より少しだけ探偵の素養のある方々が力を合わせて解決していくという面白さがあります。


    少年少女・ネタバレSALONO(ネタバレ注意!)
     江戸川乱歩【孤島の鬼】ネタバレ感想会(上)
      https://sfklubo.blog.jp/archives/23813740.html
     江戸川乱歩【孤島の鬼】ネタバレ感想会(下)
      https://sfklubo.blog.jp/archives/23833457.html


  • 1.おすすめする人
    →探偵小説が好き、日本文学を感じたい、
     ハラハラしたい

    2.内容
    →怪奇に怪奇が絡みつく作品。
     こんなにも不気味でおどろおどろしい内容とは。
     江戸川乱歩、恐るべし。
     最後の、宝物を求め洞窟に迷い込む場面は、
     横溝正史の八つ墓村を彷彿とさせる。
     年代的に、横溝正史が江戸川乱歩を
     ややなぞったのかな?と思うような内容だった。

  • 伏線が意味を持ちつつ綺麗に回収されていく正統派ミステリ。流石江戸川乱歩。
    諸戸の献身に心を打たれながら読んでしまったので、箕浦が鬼としか思えなかった。想いを受け入れられないのはしょうがない。でも洞窟であそこまで拒絶しておいて、また友達として院長やってね☆は酷いだろう。緑を手術させて結婚してしまうし。嫉妬してしまうという気持ちも聞いたはずなのに。最後の一文には涙。

  • 角川ホラー文庫・田島昭宇表紙版がいよいよ手に入らないので、創元推理文庫で購入。紛れもなく傑作。少なくとも私が今まで読んだ乱歩の長編の中では黒蜥蜴と並ぶベスト作品でした。

    当時だからこそ発表が許されたような作品であり、そのグロテスクな描写にばかり目がいってしまいますが、あの双子の告白文や終盤の暗闇の中でのやり取りなどを読むと、乱歩の真骨頂は心理描写だなと思い至る。本当に心にグサグサと刺さるような登場人物の感情がよく伝わってくる。なんで乱歩の作品は読んでいると夢中になってしまうんだろうといつも思っていましたが、彼の描く心理描写がとても好きなんだなと今更気付きました。
    実に乱歩らしく、乱歩にしか書けない長編です。とても面白かった。

  • 読んだ後諸戸のことで頭いっぱいになった

  • ワイはこの話多分一生忘れられへん。
    そんくらい心に刺さったし好きな作品。

  • 怖かった。
    「あつい手だね」とか諸戸と触れ合った時の体温の描写が生々しく性愛を感じさせて怖かった。

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著者プロフィール

1894(明治27)—1965(昭和40)。三重県名張町出身。本名は平井太郎。
大正から昭和にかけて活躍。主に推理小説を得意とし、日本の探偵小説界に多大な影響を与えた。
あの有名な怪人二十面相や明智小五郎も乱歩が生みだしたキャラクターである。
主な小説に『陰獣』『押絵と旅する男』、評論に『幻影城』などがある。

「2023年 『江戸川乱歩 大活字本シリーズ 全巻セット』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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