孤島の鬼 (創元推理文庫―現代日本推理小説叢書)

著者 :
  • 東京創元社
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本棚登録 : 1645
レビュー : 230
  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488401016

作品紹介・あらすじ

密室状態での恋人の死に始まり、その調査を依頼した素人探偵まで、衆人環視のもとで殺された蓑浦は、彼に不思議な友情を捧げる親友諸戸とともに、事件の真相を追って南紀の孤島へ向かうことになった。だが、そこで2人を待っていたのは、言語に絶する地獄図の世界であった…!『パノラマ島奇談』や『陰獣』と並ぶ、江戸川乱歩の長編代表作。

感想・レビュー・書評

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  • 原点に帰る!(笑)
    盟友 横溝正史さんのは、中学の時に良く読んでたけど、こっちは、怪人二十面、少年探偵団とか知ってるものの、ちゃんと読んだのは、これが初めてかも^^;
    さすがに時代設定は、古い感じやけど、この古いおどろおどろしい雰囲気は良いな。挿絵も怪しく、今では放送禁止用語になってる表現もあるし。
    何か、恨みは物凄いけど、他人を巻き込んで、こんな形で晴らすのはあかんやろ!自身の体がどうであれ、他人まで…
    ミステリー要素だけでなく、ホラーとか、恋愛要素(同性も)あって、なかなか楽しめました。
    名作は、時が過ぎても変わる事なくおもしろい。

  • こ、怖かった…最後のほうの真っ暗なところでぐるぐる同じところを廻って、水が迫ってきて…のところが、もう。息を詰めて読んでしまってました。

    諸戸さんが切ないなぁ。

    毎日ちょっとずつ、ゆっくりゆっくり読み進めて、乱歩のおどろおどろしい怪奇ミステリー、存分に堪能しました。

  • 角川ホラー文庫・田島昭宇表紙版がいよいよ手に入らないので、創元推理文庫で購入。紛れもなく傑作。少なくとも私が今まで読んだ乱歩の長編の中では黒蜥蜴と並ぶベスト作品でした。

    当時だからこそ発表が許されたような作品であり、そのグロテスクな描写にばかり目がいってしまいますが、あの双子の告白文や終盤の暗闇の中でのやり取りなどを読むと、乱歩の真骨頂は心理描写だなと思い至る。本当に心にグサグサと刺さるような登場人物の感情がよく伝わってくる。なんで乱歩の作品は読んでいると夢中になってしまうんだろうといつも思っていましたが、彼の描く心理描写がとても好きなんだなと今更気付きました。
    実に乱歩らしく、乱歩にしか書けない長編です。とても面白かった。

  • 当時のミステリーの潮流は分かりませんが、「探偵小説作家・江戸川乱歩」の作品でなければ、ミステリーにカテゴライズするのもギリギリかなと思わせるほど、謎解きを主眼としていません。ミステリーの定義にもよると思うけど、私の定義は狭いのです(笑)。

    とにかく、差別発言、同性愛、ナルシシズム、奇形、近親相姦などのアングラなテーマをふんだんに詰め込んだ異色の推理小説。犯人指摘は前半でサラッと済ませて、後半は宝探しや犯人捕縛に重点を置いた冒険譚です。

    でも、私もフーダニット至上主義なんですが、これは面白くて一気に読めたのですよね…ちょっと少年探偵団にハマっていた頃の高揚感を思い出しました。

    そういや、ページを捲るのが止められない!夜中に親に隠れてでも読む!ていう読書の楽しさを始めて味わわせてくれたのが江戸川乱歩だったなあ。



    密室状態で恋人が何者かに殺害され、現場からは家系図とチョコレートの缶が盗まれるという不可解な事件が発生した。調査を依頼した友人の素人探偵まで殺された蓑浦は、自身に奇妙な執着を見せる親友・諸戸とともに事件の真相を追って彼の実家がある孤島へ向かう。しかし、そこで2人を待っていたのは恐ろしい真実だった。

  • 主人公は普通に結婚しますけども。
    これはもう、乱歩の書いた悲恋系BL小説として読みました。
    乱歩になんてこと言ってるんだ、と思った未読の貴方、一回読んでみてください。
    諸戸視点で小説を展開し直すと、そうにしか見えなくなりますから。
    諸戸があまりにも一途で、というと聞こえがいいですが、あの人、一歩間違ったらストーカーですよ。
    主人公の箕浦も諸戸を突き放すのか、ホイホイ誘いに乗るのか、どっちかにしなさい! と言いたくなる態度。
    しかし最後が悲しく寂しいのに美しい。

  • 伏線が意味を持ちつつ綺麗に回収されていく正統派ミステリ。流石江戸川乱歩。
    諸戸の献身に心を打たれながら読んでしまったので、箕浦が鬼としか思えなかった。想いを受け入れられないのはしょうがない。でも洞窟であそこまで拒絶しておいて、また友達として院長やってね☆は酷いだろう。緑を手術させて結婚してしまうし。嫉妬してしまうという気持ちも聞いたはずなのに。最後の一文には涙。

  • 主人公が恋人を殺されたことが発端の話なんですが、えらい方向へと展開してゆきます。
    同人誌を読んでいたら、作中にこのタイトルが出てきて、何となく興味を持って読んでみたら何とも秀逸でした。

    いちばん好きなのは、最後のあたりに蓑浦と諸戸が閉じ込められてしまうシーン。
    別に邪な目で見ていたわけではないですが、諸戸の蓑浦への恋心がせつなく、誠実であろうとする彼の心情が本筋よりもずっと好きで、そこばかり読んでいました。

  • これが初めて読んだ乱歩です。
    読んだ後、放心して、悲しくて、どうしようも無く、一週間は現実に帰って来れなかった。
    同時に小説ってこんなに面白いものか…!と打ちのめされた。
    五十音の組み合わせの文字が文章になっただけで、乱歩という人が書くと世界はこんなにも衝撃的に面白いものなのかと驚愕した。
    読後のあの喪失感。私が諸戸に恋をしていたのだと思う。

  • 色々な伏線が回収されるのが面白い。

  • 早い段階で連続殺人事件の下手人とトリックは明らかになる。むしろここからが乱歩の真骨頂!らしい雰囲気をまとった物語は実に魅力を持って読み進められた。
    意識したかどうかは知らないけれども構成としてはホームズの『緋色の研究』や『四つの署名』に似た後半犯人の中身にせまる話で、そこにらしさを詰めれてうまく機能したのだと思う。

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著者プロフィール

江戸川乱歩(えどがわ らんぽ)
1894年10月21日 - 1965年7月28日
日本を代表する小説家・推理作家。三重県生まれ。ペンネームの江戸川乱歩は、小説家エドガー・アラン・ポーに由来。早稲田大学で経済学を学びながらポーやドイルを読む。様々な職業を経験した後、大正12年、雑誌「新青年」に「二銭銅貨」でデビュー。昭和22年、探偵作家クラブ結成、初代会長に就任。昭和29年、乱歩賞を制定。昭和32年から雑誌「宝石」の編集に携わる。昭和38年、日本推理作家協会が認可され理事長に就任した。代表作に『D坂の殺人事件』、『陰獣』、『孤島の鬼』、『怪人二十面相』、『幻影城』、『探偵小説四十年』など。少年探偵団シリーズは絶大な人気を博した。

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