亜愛一郎の転倒 (創元推理文庫)

著者 :
  • 東京創元社
3.72
  • (36)
  • (77)
  • (85)
  • (2)
  • (1)
本棚登録 : 447
レビュー : 59
  • Amazon.co.jp ・本 (341ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488402150

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 解説!解説を読んだ記憶を消したい。
    なにしてくれてんの!

    それはともかく、亜愛一郎さん再び。
    写実性で注目された画家の不思議な絵。一夜で消えた合掌造の家。手毬歌「あんたがたどこさ」になぞられたような遺体の謎。タクシーに忽然と現れた遺体。病院の屋上庭園でおきた殺人事件。
    それぞれ謎を解くのはもちろん楽しいけど、なにより亜愛一郎さんが今回はどんな「残念」ぶりを見せてくれるのか、なによりそれが楽しみになっている。あと彼のカメラマンの仕事も。
    亜愛一郎の名前の説明が毎回可笑しいし。

    「亜硝酸アミールの亜という字を書きます」
    「亜硝酸の亜ですか。アミールのアですか」(略)
    「それなら亜鉛の亜と言う方が早いじゃありませんか」

    「心のない悪という字です」

    さて、あと一冊?読んでおかなくちゃだめみたい。

    • kwosaさん
      shuwachoさん

      以前にタイムラインでこのレビュー冒頭の

      >解説!解説を読んだ記憶を消したい。
      なにしてくれてんの!

      ...
      shuwachoさん

      以前にタイムラインでこのレビュー冒頭の

      >解説!解説を読んだ記憶を消したい。
      なにしてくれてんの!

      を目にして、あわててブラウザバック。
      おかげさまで「転倒」の解説を先に読むことなく、ただいま「逃亡」までの三部作を読了することができました。

      僕が読んだ「転倒」は2013年9月発行の11版で、ネタバレの部分は削除なり修正がされていたようですが、調べてみれば初版では「あのこと」が書かれていたみたいですね。ひどい。

      でも、shuwachoさんのこのレビューがきっかけで「亜愛一郎」の世界を存分に堪能することができました。
      ありがとうございます。

      あっ、僕も「亜愛 一郎」(ああい いちろう)だと思ってましたよ。
      2015/01/17
    • shuwachoさん
      三部作読了!私はあと一冊まだ残してます。
      kwosaさんのコメントを読んで慌てて図書館で予約しました。
      解説であんなことしちゃったのは初...
      三部作読了!私はあと一冊まだ残してます。
      kwosaさんのコメントを読んで慌てて図書館で予約しました。
      解説であんなことしちゃったのは初版だけだったのですね。
      たまたま手にしたのが初版とは…。とほほ。


      2015/01/19
  •  短篇集「藁の猫」「砂蛾家の消失 」「珠洲子の装い」「意外な遺骸」「ねじれた帽子」「争う四巨頭」「三郎町路上」「病人に刃物 」の八作品を収録。

     全三短篇集のうちの二作目。個人的に前作と比べると、本作のほうが飲み込みがよく読んでいて楽しかった。トリックとしては、前作から変わらず心理トリックで機械仕掛けはありませんが、些細な出来事が事件の鍵になっていたり、そうだったのか! と思うことが多かったですね。ストーリーの展開もなんとなくわかってきたので、ここでこうなったのかというのがわかるようにもなってきましたし。
     今作では、亜愛一郎がどんな人物なのかというのも徐々にわかってきた気がします。基本は前作から変わりませんが、ユーモラスな人物だし、警察を嫌っているし、何かと秘密をかかえてそうですね。
     食らったなと思ったのは解説でのネタバレ。作品上の楽しみは奪われないけれど、その秘密(かどうかはまだわかりませんが)を暴露されたので、久々にいらっときました。奪われないと思うかどうかは作者次第なので、そこのところは勝手に判断せず、読者に委ねてから書いて欲しかったです。

  • 亜愛一郎、ほんっとうにカッコいいんだか悪いんだか分からないよ……って、そこが魅力なのか? しかしせめて、推理するときに白眼むくのだけはやめてくれ(笑)。
    お気に入りの一作は「藁の猫」。これは「謎」が一番魅力的。「絵の中に見出される不思議」ということで一見日常の謎のようなのだけれど、これが発展して……いやいや、これ以上は言えまい。
    他にも見立て殺人を扱った「意外な遺骸」、なかなかにお茶目?な「争う四巨頭」などバラエティ盛りだくさん。間違いなくお薦めのシリーズ。

  • 連作短編ミステリ・亜愛一郎3部作第2作

    読了日:2006.04.25
    分 類:連作短編
    ページ:342P
    値 段:600円
    発行日:1982年角川書店、1997年6月発行
    出版社:創元推理文庫
    評 定:★★★+


    ●作品データ●
    ----------------------------
    主人公 :亜 愛一郎
    語り口 :3人称
    ジャンル:ミステリ
    対 象 :一般向け
    雰囲気 :パズル的要素有、のんびり
    結 末 :1話1事件
    解 説 :田中 芳樹
    カバーイラスト:松尾 かおる
    カバーデザイン:小倉 敏夫
    ----------------------------

    ---【100字紹介】---------------------
    色白で端正な顔立ち、身につけるものから足の爪先まで
    ビシッと決めた優男。ところが何か行動を起こすや
    忽ちズッコケる。容姿は二枚目、立居振舞は三枚目という
    カメラマン亜愛一郎が出会う
    軽いノリの連作短編ミステリ
    -----------------------------------------


    ●収録作品一覧
    -----------------------------
    第1話 藁の猫
    第2話 砂蛾家の消失
    第3話 珠洲子の装い
    第4話 意外な遺骸
    第5話 ねじれた帽子
    第6話 争う四巨頭
    第7話 三郎町路上
    第8話 病人に刃物
    -----------------------------


    さて、泡坂妻夫のデビュー作「DL2号機事件」を含む「亜愛一郎の狼狽」に続く、亜愛一郎連作短編の第2集です。

    クラシカルな推理小説の雰囲気を踏襲した前作から引き続き、ゆったりした時間の流れるあの古きよき時代?を思い起こされる古典系ミステリ。ただし、前作よりも亜愛一郎、絶好調!?もっともっと砕けたようなお話が多いです。というか、非現実的に輪をかけたような…?思わず「それはないだろ!」と突っ込みを入れたくなること必至。でも面白い。なんだそりゃ!と思いつつ、この世界ならま、いっか!と許せるような。亜愛一郎というのはそういうキャラなのです。

    ちなみに主人公・亜愛一郎(あ・あいいちろう)のことをもう一度、書きますと。容姿端麗・頭脳明晰・長身でお洒落にキメた青年カメラマン…なのに、運動神経はまるでなしで何だか情けなーいという、現在ではそれなりにお約束?かもしれないけれど、とても魅力的なキャラであります。

    解説はあの田中芳樹。この人にここまで言わせるか、泡坂妻夫!…と思わず嘆息してみました。田中芳樹のキャラがこういうものだったとは、ちょっと意外です(そっち?)。


    軽い気持ちで軽いミステリを読みたい方へ。



    ●菜の花の独断と偏見による評定●
    ---------------------------------
    文章・描写 :★★★
    展開・結末 :★★★
    キャラクタ :★★★+
    独 自 性 :★★★
    読 後 感 :★★★
    ---------------------------------

    菜の花の一押しキャラ…亜 愛一郎

    「あんたプロだべ」 (北湯の音造)

  • 昨年の8月に読んだ世評高い『~の狼狽』は些か肩透かしを食らった感があったが、この2作目はどうしてどうして逸品揃いだ。
    何が1作目と違うかと云えば、現在の泡坂作品に見られる歪んだ論理がエキスとして加わったことが大きい。読者の、というか常人の考えの及ばない人間の不思議さ、曖昧さをまざまざと、しかもコミカルに提示する手際は見事!
    更に上手く云えないが、ひっくり返すことの面白さ、最後の「病人に刃物」が正にそれなのだが、わかるかな?

  • 再読。昭和の香りがする。

    リァリティには欠ける。落ちは奇抜のものが多く騙された感が強い。が、読み物としてはそこそこ楽しめるので良い。

    人物造形に多少無理のある作品が多い。

  • 自分で推理するのはなかなか難しいミステリーだと思う。
    真相は奇抜で、それを解き明かす亜愛一郎もまた、奇特な人間で魅力的だ。
    案外、ギャグ?のような描写も多々ある。

    おすすめの話は「病人に刃物」

  • 題名の通り、亜氏が転倒しまくる短編集。
    流行りの言葉でいうと、イケメンの亜氏。ドラマにしたら一話完結の面白い作品になるんじゃないかな、って思うのですが、残念かな、肝心な所で白目をむく癖が。
    イケメンで白目をむいてくれる俳優さんっているのかしらん。

  • 藁の猫:語り手の鼻炎、絵画の中に含まれる間違い、画家の周りで起きた度重なる自殺が全部繋がってあの逆説に辿り着く。やーらーれーたー。たこベンドの話が出てきてテンション上がった。
    砂蛾家の消失:土砂崩れで鉄道が足止めされたため山中に分け入った語り手たちは遭難しかけながらも人家に辿り着く。家主が封印した窓を勝手に開けて見たのは切妻合掌造りの家と人影、しかし翌朝窓の外に家はなくーー。消失の原因も大仕掛けもヒントに気付けず無念の敗北。
    珠洲子の装い:流行歌手・加茂珠洲子の飛行機事故から一年、彼女を題材にした映画の主演を決めるコンテストには珠洲子を意識した外見や歌唱をする候補者が並ぶが、その中に珠洲子に似せるポイントを押さえていない女性が現れーー。逆説のキマり方とウエスト吉良の造形が良い……。
    意外な遺骸:仙波山であの童歌に見立てられた他殺死体が見つかる。犯人のとったある行動が結局自分の首を絞める結果となる趣向が面白かった。タイトルにもニヤリ。
    ねじれた帽子:語り手と亜は拾った帽子を持ち主に返そうとするが、持ち主は逃げるように立ち去った。二人は帽子を返すために少ない手がかりから追跡を始めるのだがーー。捜査パートも持ち主の抱える秘密も大きな驚きはなかったが、語り手の性格故の行動が楽しい短編でした。
    争う四巨頭:定年退職した元警官・鈴木の退職後に料理に目覚めるエピソードにまず惹かれ、彼が料理を作る描写にやられる。尾行パートのくだりが「黒い霧」の商店街パートっぽくて好きだ。
    三郎町路上:タクシーから降りたはずの乗客の死体が車内に出現したという怪事件を、事件の直前にそのタクシーを利用した昆虫学者と亜愛一郎が解き明かす。死体の特徴からトリックは割れやすいかな。
    病人に刃物:病院の屋上で元患者と患者とが接触転倒した後、元患者が死亡する事件が発生。凶器と思われるナイフがいつどこで現れたかが分からないという不可解な状況を亜愛一郎が解き明かす一編。とある漫画のせいでタネに気付いたが、端々の伏線が回収される快感がたまらない。

  • 亜、心のない悪という字です、か(笑)
    リアリティはさて置き、着眼点と導き出す答えにミステリィ的楽しさがある。
    http://blogs.yahoo.co.jp/rrqnn187/14385579.html

全59件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

泡坂妻夫(あわさか つまお)
1933~2009年。小説家・奇術師。代表作に「亜愛一郎シリーズ」など。『乱れからくり』で第31回日本推理作家協会賞。『折鶴』で第16回泉鏡花文学賞。『蔭桔梗』で第103回直木賞。

「2020年 『秘文字』 で使われていた紹介文から引用しています。」

泡坂妻夫の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
有栖川 有栖
宮部みゆき
有効な右矢印 無効な右矢印

亜愛一郎の転倒 (創元推理文庫)を本棚に登録しているひと

ツイートする
×