下り“はつかり"―鮎川哲也短編傑作選〈2〉 (創元推理文庫) (創元推理文庫 M あ 3-2 鮎川哲也短編傑作選 2)

著者 :
制作 : 北村薫 
  • 東京創元社
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本棚登録 : 276
感想 : 27
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  • Amazon.co.jp ・本 (604ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488403027

感想・レビュー・書評

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  • 全体的に面白いけど特に、「赤い密室」「達也が嗤う」「誰の屍体か」「他殺にしてくれ」の完成度は別格といってもいいんじゃなかろうか。
    ミステリのエッセンスが大量に盛り込まれており、今の新本格界隈にも多大な影響を与えていると思う。

  • はじめ「地虫」を読み終わった時にはこれは読むの時間かかりそうだなぁ。と思っていましたが、それ以降はスラスラと読むことができました。

    短編ですがトリックが秀逸です!
    時刻表トリックは苦手です笑

    文体が古臭いものもありますが、トリック好きの方は楽しめるんじゃぁないでしょうか。

    地虫 ★★☆☆☆
    赤い密室 ★★★☆☆
    碑文谷事件 ★★☆☆☆
    達也が嗤う ★★★☆☆
    絵のない絵本 ★★☆☆☆
    誰の死体か ★★★☆☆
    他殺にしてくれ ★★★☆☆
    金魚の寝言 ★★★☆☆
    暗い河 ★★★☆☆
    下り"はつかり" ★★★☆☆
    死が二人を別つまで ★★★☆☆

  • 地虫
    別冊宝石 1949年12月

    赤い密室
    探偵実話 1954年8月

    碑文谷事件
    探偵実話 1955年11月(原題 緋紋谷事件)

    達也が嗤う
    宝石 1956年10月(原題 達也が笑う)

    絵のない絵本
    探偵倶楽部 1957年3月

    誰の屍体か
    探偵倶楽部 1957年5月

    他殺にしてくれ
    探偵倶楽部 1957年11月(原題 ベッドの未亡人)

    金魚の寝言
    オール讀物 1959年5月

    暗い河
    週刊サンケイ別冊 1961年3月

    下り"はつかり"
    小説中央公論 1962年1月

    死が二人を別つまで
    推理ストーリー 1965年7月

    作品ノート「赤い密室」
    立風書房「鮎川哲也長編推理小説全集1 黒いトランク」 1975年7月

    作品ノート「碑文谷事件」
    立風書房「鮎川哲也短編推理小説選集1 五つの時計」 1979年4月

    作品ノート「碑文谷事件」
    徳間書店「鉄道推理ベスト集成第3集 復讐墓参」 1977年9月

    作品ノート「達也が嗤う」
    立風書房「鮎川哲也長編推理小説全集6 風の証言」 1975年12月

    作品ノート「絵のない絵本」
    読売新聞社「鮎川哲也自選傑作短編集」 1977年1月

    作品ノート「金魚の寝言」
    立風書房「鮎川哲也短編推理小説選集1 五つの時計」 1979年4月

    作品ノート「暗い河」
    立風書房「鮎川哲也短編推理小説選集2 青い密室」 1979年6月

    作品ノート「下り"はつかり"」
    光文社「鉄道ミステリー傑作選 下り"はつかり"」 1975年6月

    作品ノート「死が二人を別つまで」
    立風書房「鮎川哲也短編推理小説選集3 プラスチックの塔」 1978年11月

    わが道を行く苦労人 大江久史
    宝石 1961年12月

    解説 北村薫
    光文社「硝子の塔」 1987年10月

    鼎談 有栖川有栖 北村薫 山口雅也

  • 一言で表すと、好みじゃない。スポーツをやる活発な女の子が好きなのは分かった。
    時刻表や電話でちまちま工作するのはどうもまどろっこしく、相性が悪いと諦めることにした。
    『絵のない絵本』唯一好き。殺害方法の大胆さも結末も余韻も好み。
    『達也が嗤う』分かってしまったので煽りを読んでて痛々しかった。タイトルには気づかなかったのでちょっとニヤッとなった。

  • 5

  • 10年くらい前に買ってたのをやっと読んだ。
    鮎川哲也は若いうちはわかんないよね。
    あと一番最初に収録されてるのが地虫ってのは読む気なくなる原因な気がする。
    他の何作か読んで、鮎川哲也はすごいと知ってるから我慢して読んだけど。
    でも他は名作目白押しなのでそれ以外はいい。

  • 鬼貫警部モノ。大好き❤

  • 最初に出てくる作品は
    ミステリーではないので、ちょっと期待できないかな、
    と眉をひそめてしまいましたが最終的には
    面白かった、といえる作品です。

    と、言ってもひねくれもののわたしは
    ワルな男が活躍する「他殺にしてくれ」が
    気に入ってしまったもので。
    彼の最後の仕打ちは強烈です。
    きっと該当の方は鼻面を折られ
    プライドをずたずたにされたに違いありません。

    ほかにはフェアだけれども
    人によっては怒りかねない
    「達也が嗤う」がお勧めです。
    よく文章を読んでみましょうね(笑)

  • 多分に女性の幻影が描かれすぎているようにも見えますが。
    碑文谷事件、他殺にしてくれ、金魚の寝言、暗い河などなど、ドンデン返しが盛り沢山で、面白かったです。

  • 鮎川哲也氏の短編を、北村薫氏が編纂した作品。
    11の短編・中編でまとめられている。

    語り口や時代背景が現代と異なっているが、それでも非常に読みやすい。
    きっかけは「達也が嗤う」を読んでみたくてずっと気になっていたからだが、
    その他では特に、「赤い密室」「誰の屍体か」「死が二人を別つまで」などは完成度がとても高い。

    「達也が嗤う」は舞台設定を最大限に利用したトリックで見事に引っかかってしまったし、
    「誰の屍体か」は散らされた伏線回収がスゴイに尽きる。
    どうやったらこんなプロットを組み立てられるのか…脱帽。

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著者プロフィール

鮎川哲也(あゆかわ・てつや)
本名・中川透。1919(大8)年、東京生まれ。終戦後はGHQ勤務の傍ら、様々な筆名を用いて雑誌へ短編を投稿し、50年には『宝石』100万円懸賞の長篇部門へ投稿した「ペトロフ事件」(中川透名義)が第一席で入選した。56年、講談社が公募していた「書下ろし長篇探偵小説全集」の第13巻「十三番目の椅子」へ応募した「黒いトランク」が入選し、本格的に作家活動を開始する。60年、「憎悪の化石」と「黒い白鳥」で第13回日本探偵作家クラブ賞長編賞を受賞。受賞後も安定したペースで本格推理小説を書き続け人気作家となる。執筆活動と並行して、アンソロジー編纂や新人作家の育成、忘れられた探偵作家の追跡調査など、さまざまな仕事をこなした。クラシックや唱歌にも造詣が深く、音楽関連のエッセイ集も複数冊ある。2001年、旧作発掘や新人育成への多大な貢献を評価され、第1回本格ミステリ大賞特別賞を受賞。2002(平14)年9月24日、83歳で死去。没後、第6回日本ミステリー文学大賞を贈られた。

「2020年 『幻の探偵作家を求めて【完全版】 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

鮎川哲也の作品

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