- Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488403140
感想・レビュー・書評
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皆さんが書いているように、本当に古典と言えるくらい古い印象。
そのせいでなかなか没頭できず、ラストも足踏みしながら読むほど。
殺人が多い方が好きな私としてはワクワクもあったし、どんでん返しがあるという事だったのでその期待もあったけど、不完全燃焼状態。
えー!それあり?的なラストでドッと疲れた。
ただ、名探偵星影さんがさらりと謎解きして去って行く昔ながらのヒーローっぽいところは嫌いじゃないので★2。
遍菜的キャスト
(役の年齢に合わせた姿でイメージ)
行武…中川大志さん
尼…早見あかりさん
牧…ソンフン(ENHYPEN)
橘…賀来賢人さん
紗絽女…宮崎あおいさん
安孫子…濱田岳さん
星影…松田龍平さん詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
王道のシチュエーションにワクワク。
こういう展開がたまらなく好き。
犠牲者の多さに驚いたが、容疑者が減っても結局真相見抜けず…。
時代が古いせいもあると思うが、推理に必要な予備知識に一つ明らかに特殊なものがあったのがややアンフェアに感じた。 -
りら荘で起こる連続殺人を扱った本格ミステリーです。読む前から面白いという声を聞いていたので楽しみにしていました。
細かいところも伏線になっていて終盤の探偵の推理は特に楽しく読めました。
ひとつ気になるのは警察が無能過ぎるのではないかと感じてしまいました。事件を解くことは出来なくても一人一人の行動を聞いて裏を取ったりアリバイがあるのかをきちんと確認出来ないものなのかという疑問が残りました。
あくまで、この小説の良さとして、りら荘で巻き起こる連続殺人、謎のトランプ、そして学生たちの人間関係や軋轢が魅力です。この大きな事件を解く名探偵を引き立たせるためには警察は多少、実力不足にするのは納得ですが少し気になってしまいました。
それでも、非常に面白いと感じたので★4に近い★3にさせて頂きます。
鮎川哲也さんの著書を今回初めて読んだので他にも読んでみたいですね。 -
「鮎川哲也」の長篇ミステリ小説『りら荘事件(英題:Villa Lilac Case)』を読みました。
「有栖川有栖」、「中町信」の作品に続き、国内のミステリ作品です。
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スペードのAと共に発見された男の屍体。
芸術家の卵たちが夏季休暇を過ごす〈りら荘〉に「由木刑事」がもたらした変事の報は、続発する殺人事件の先触れだった――。
捜査当局が袋小路に迷い込んだ後、颯爽と現れるや美事な幕切れを演出する「星影龍三」の推理とは。
再読三読によって妙味が増す端麗巧緻なギミック、限定状況における犯人捜しの悦楽。
超絶技巧の筆さばきをとくとご覧あれ。
「鬼貫警部」登場の『黒いトランク』と双璧を成す、巨匠「鮎川哲也」の代表作。
解説=「佳多山大地」
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1953年(昭和28年)に刊行された中篇『呪縛再現』を、リライト・長篇化して1958年(昭和33年)に発表された作品、、、
『東西ミステリーベスト100』で、日本編で第33位ランクインしている作品です。
■一 霧雨の死
■二 ハートの3とクラブのジャック
■三 第二の殺人
■四 砒素
■五 赤いペンナイフ
■六 スペードの4
■七 謎の数字
■八 暑い街で
■九 スペードの5
■十 二条の自信
■十一 解決近し
■十二 屋根裏にひそむもの
■十三 トリカブト
■十四 薔薇の寝床
■十五 星影竜三
■十六 青い夕焼け
■十七 カードの秘密
■創作ノート
■解説 驍将が遺した「新本格」ミステリ 佳多山大地
残り少ない暑中休暇を過ごすべく、秩父山中にある大学の寮・りら荘に集まった日本芸術大学の七人の学生たち… 画家や音楽家を志す芸術家の卵で、一癖も二癖もある個性派揃いである上に各様の愛憎が渦巻き、どことなく波瀾含みの空気が流れていた、、、
一夜明けて、りら荘を訪れた「由木刑事」がある男の死を告げる… 屍体の傍らにはスペードのA。
対岸の火事と思えたのも束の間、火の粉はりら荘の滞在客に飛んで燃えさかり、第2の犠牲者は学生の一人だった… 当然の如くスペードの2が、、、
災厄は次々と学生たちに… カードの数字が大きくなるにつれ犠牲者は増えていく。
進退窮まった当局の要請に応じた名探偵「星影龍三」が奇怪な連続殺人に挑む……。
偶然死んだ人、狙われて殺された人、真相を知りそうになり殺された人… 複数の動機が入り混じった連続殺人なので、なかなか犯人が特定できませんでしたね、、、
でも、一つひとつの殺人に動機があり、凝ったトリックがあり、そして探偵が見事に事件を解決 と、本格ミステリとして愉しめました… トランプのカードもちゃんと意味がありましたしね。
「鮎川哲也」の作品は初めて読みましたが、好みの作風です… 他の作品も読んでみたいですね。