- Amazon.co.jp ・本 (346ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488404017
感想・レビュー・書評
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物語の冒頭、探偵が(死んだはずの)おりん婆さんと峠で出会す辺りで、横溝ファンなら笑いが止まらないだろう〝本歌取り〟ミステリ。その他、犯行現場での「キチガイじゃが」とか、刑事たちの名前が映画で金田一耕助を演じた俳優の名になってるとか、ファンの琴線に触れるような小ネタには事欠かないが、ミステリとしても上出来。メイントリックは小粒だが、例えば何故見立てを崩したような殺人が行われたのか、という謎とその解明なんて実に楽しい。横溝ファンなら退屈はしないだろう。
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れっきとしたミスれリーなのだが
タイトルからわかるように、横溝正史の金田一シリーズ「悪魔の手鞠唄」のパスティーシュである。やはり見立て殺人を扱っているのだが、探偵が金田一以上に情けない。田舎の町で起こる事件をユーモア溢れる本歌取りになっている。
尚、パスティーシュはこれで終わらない。 -
『探偵というものは、時として悲しいものだね。事件が起きる。謎が突きつけられる。そうなると、いっさいを忘れ謎解きに夢中になる。そして、事件の真相が明らかになる。そうなった時、ふと後悔することがあるんだよ。謎を解かなかった方が良かったんじゃなかろうかと…』
こてこて。寒村で起こる子守唄の見立て連続殺人事件とキンダイチと名乗る探偵。こてこてにここまでやってくれて、素晴らしい!
やっぱ最後はみんなの前で謎解きがある作品の方好きだな。 -
探偵の四季シリーズ1作目です。
本書は著者の処女作です。
横溝作品を彷彿させる世界が舞台のミステリです。
因習の村に伝わる奇妙な子守唄、その歌詞どおりの連続殺人劇が繰り広げられます。
まさに横溝ワールド満載です。
キチガイじゃがとつぶやく老人や獄門寺や病院坂といろいろ出てきます。
ミステリ部分もかなり凝っていて、良く出来た作品だと思います。 -
最後の一行とあとがきが面白かった。ユーモラスな登場人物と会話にキンダイチと言う名字の探偵。一見全く相容れないと思われるジャンルをうまく融合させている。おどろおどろしい子守唄の見立て殺人が軽く読めて楽しい。ただ文章のテンポが少し悪かったのが残念。
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作者のデビュー作であり、《探偵の四季》四部作の第一作。
横溝正史の世界をとことん本歌取りしたミステリである。
因習の村にやってくる探偵、古くから伝わる子守唄、そしてその歌の通りに殺人が起こる。獄門寺や病院坂などの地名や小竹、小梅などの人名、キチガイじゃがと呟く老人、三本指の手形など横溝ファンであるほどニヤリとするだろう。
パロディの面白さだけでなく謎解きも十分楽しめる。四部作全部読んでみたいが、もう絶版なのか… -
探してたの。「探偵の秋」が面白かったから。タイトル通り横溝正史の本歌取りなんだけど、上手くいれてる。金田一マニア(?)は、なんだかにやにやして読んでしまう感じだ。でも、さすがにデビュー作(そのデビューに至る話もなかなかドラマチックだが)だけあって、ちょっと余計な部分があるように、筆が走った部分が感じられた。
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氏のデビュー作。
「探偵の四季」4部作の第一作でもある。
そして本歌取りの推理長編にして「あの名探偵」のパロディーでもある贅沢なつくりw
思わずにやりとする作品はいかがですか?
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探偵の四季シリーズ第1弾。こんな可笑しいパロディにはいまだお目にかかっていません。横溝正史が好きな方は是非!
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本歌取りですが、どうしてどうしてかなり質の高いミステリーですよ!
ぜひ〜