天使の殺人[完全版] (創元推理文庫)

著者 :
  • 東京創元社
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感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488405120

感想・レビュー・書評

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  • 恥ずかしながら舞台化してることを知らず、戯曲版も含めて一つの作品だと思ってた読んだので混乱した。
    前半と後半で独立してて、2パターンということですね。
    天使たちや女優たちのやり取りは軽快でおもしろかった。ただ、どこが落とし所なのかいまいち分からず、死者と探偵、犯人が誰か分からないというのがピンとこなかった。
    天使の都合の良いように結末が改変されるということなんだけど、その分緊張感がなかった。

  • 読書記録を付けていなかった時分、この著者の『ブーゲンビリアは死の香り』を読んだ。その頃、著者はミステリ作家というより放送作家、アニメ脚本家の印象が強かったので、
    ①「あれ?意外にしっかりしたミステリものじゃん」
    ②「赤川次郎みたいに(軽妙洒脱で)面白い」
    (当時は赤川次郎全盛期)
    という感想を持った(はず)。

    で、ものすご~く久し振りの辻真先。この本は同じ作品の小説版と戯曲版の2本立て。標題紙や裏表紙には、ミステリとしてはかなり煽ったあらすじになっているけど、果たして…。

    まず小説版。3幕構成の第1幕は意表を突くストーリー設定ながら、ややトリックや技巧を見せるための展開っぽい。

    第2幕からがストーリーテラーとしてのらしい展開で、第2幕は細かいヒントが上記②の表現の中でちりばめられていて、主役3人とその相方の3つの思惑を見事に交錯させながら流麗な筆致で展開していき惹きこまれる。

    第3幕は天使長と天使の都合?で主役3人がそれぞれ殺された場合のパターンという、完全に技巧のための展開。一貫したストーリー性を求める向きやあり得ない設定に拒否感がある読者には「ない」かもしれないが、これが緊迫感のある推理とどんでん返しでお見事。それだけに終幕はいらなかったかも。

    小説版はそのほか、三段組みで登場人物の心理描写を並行して記述してみたり、天使の時空間の移動を文字の配置の分解で表してみたり、といった実験が織り込まれていて、嫌な人には嫌かも。

    一方、戯曲版は舞台という制約がある中の展開なので、人物設定や描写が小説版と一部違い、ストーリーや結末も全然別個ながら、推理物の演劇としてはユーモアがあって話の転回の連続もあるので、これはこれで面白かった。戯曲版は結末が異なる2バージョンになっているが、第2案はやっぱりいらなかった気がするな。

  • 大和書房版を加筆・訂正.戯曲版併収

  • 小説版と戯曲版、両方の『天使の殺人』が収録されているが、ほとんど同じ設定を使いながらも、完全に違った展開で、なおかつ両方とも凄かった。鬼のようなどんでん返しの連続。演劇でこれをやられたら何度も拍手して疲れそう。

  • 面白くなかった。
    と言うよりも、その判断をするだけ入り込めなかった。
    話し自体が面白くないわけじゃないと思う。

  • 私には、これが何故それほど面白いと言われるのか、理解できなかった。

  • 真実より犯人。

  • なるほど、探偵であり犯人であるというトリッキーな設定は面白いものがあった。

  • やってくれました辻真先。このぐるぐる感がたまらない。

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著者プロフィール

1932年、名古屋市生まれ。名古屋大学文学部卒業後、NHKに入社。テレビ初期のディレクター、プロデューサーをつとめたのち、脚本家に転身。『鉄腕アトム』、『エイトマン』、『ジャングル大帝』、『サザエさん』、『巨人の星』、『デビルマン』など、1500本超のアニメ脚本を執筆した。また、推理小説作家としても活躍しており、『仮題・中学殺人事件』、『迷犬ルパンの名推理』、『あじあ号、吼えろ!』、『完全恋愛』(牧薩次名義)など多数の著作がある。現在、デジタルハリウッド大学教授。国際アニメ研究所所長。本格ミステリ作家クラブ会長。

「2009年 『『鉄腕アトム』から『電脳コイル』へ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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