- Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488405137
作品紹介・あらすじ
マンガ原作者、石黒竜樹が殺され、少女マンガ界の第一人者、山添みはるが逮捕される。次いで石黒とコンビを組んでいた千晶留美にも嫌疑がかかる。スーパーとポテトは、時刻表を駆使してみごとに犯人のアリバイトリックを見破る。続いて、二人の通う中学校で起きた密室殺人?!周到に仕組まれた謎とトリック。そして奇想天外な仕掛け。辻真先の鮮烈なデビュー長編、ここに復活。
感想・レビュー・書評
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40年以上前の小説。なかなか面白かったなぁ。時代的な意味で。ヤングとか久しぶりに聞いた。
容姿端麗なキリコとジャガイモみたいな男子中学生の薩次。2人はさまざまな事件に遭遇する。漫画原作者、石黒竜樹が殺害され、少女漫画家の山添みはるが逮捕された。次いで、石黒とコンビを組んでいた千晶留美にも疑いがかかる。キリコと薩次は時刻表を駆使して犯人のアリバイを見破る。
なんか2つの話の結末が悲しかったなぁ。バッドエンドなかんじだった。キリコ攻めすぎなんだよなぁ。中学生だから仕方ないのかな。しかし、薩次はキリコの犬のように付いてくるけど、しっかりいろいろ考えてるのね。
2016.9.18 読了 -
電子書籍
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全然頭に入ってこなかった。
薄い本なのに全然頭に入ってこず、読み終えるのに時間がかかった。
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帯の「祝!第9回本格ミステリ大賞受賞」という煽りにのせられて購入し、冒頭の犯人=読者、というのも期待させられたが、トリックはすべて残念な出来で、拍子抜けだった。と思ったら、最後の解説であっ、と驚かされた。それにしても、本当に本格ミステリ大賞を獲っているのだろうか?
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《“君”にしか、犯人は当てられない》
一行目を読んだ時に感じた子供騙しみたいな可笑しさは、最後には抜け出せない迷路、作者の術中にはまって恐怖すら感じる。 -
読者が犯人って、そういうことか。確かにウソは言ってないし、事実を知ったときの肩透かし感はあったけど、納得はせざるを得ない感じ。文体の軽妙さは、中学生の事件を扱う上でってことだろうけど、意地悪な見方をすると軽薄さに感じられてしまう。う~ん、やっぱり自分の中で、謎解き中心のミステリはあまりかも。オススメ本とかでよく取り上げられるような、いわゆる名作を中心に読んでるつもりだけど、どうも手放しで好きと言える割合が低いです。物語だけでも十分に魅力的なら良いんですけどね。
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今の時代、この小説をたしなむのは、メタな構造を楽しむってことなんじゃないかなー。40年前のラノベという印象です。
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読者が犯人の小説の一つとして有名。とはいえ,実際に読んでいる人は意外に少なそうに思う。読者が犯人といっても「最後のトリック」のように,読んだ人が犯人になるような特殊なトリックを仕掛けているのではなく,作中作の形をとって,作中の事件の犯人だけを読者として描いたという設定。なるほどなーとは思うけど,サプライズは少ない。ミステリ好きなら,読んでおくのはたしなみだと思うけど,もともとジュベナイル小説ということもあって,ストーリーも,文章も非常に幼稚。評価は,歴史的価値も踏まえ★3で。
〇 事件の概要
石黒竜樹殺害。メイントリックは,アリバイトリックであり,佐世保発のかもめと,長崎発のかもめが佐賀で合流することを利用したトリック
日置浜子の殺害。犯人は,伊之瀬少年(寿司屋の出前持ち)。密室トリックは,日置が自らトイレの鍵を掛け,田舎ものなので,開け方がわからなかったというもの
林一層殺害。犯人は加賀美清子。被害者の林一層が自ら,女性に襲われたことを隠すために,鍵を掛け,別人に襲われたように偽装したので,密室ができた。アリバイトリックは川棚を川棚温泉に誤解させたというもの。
〇 サプライズ ★☆☆☆☆
「読者が犯人の推理小説」ということで一部で有名な本作。実際は,作中作の形をとっており,作中で犯人を唯一の読者と想定して描かれたという設定。匣の中の失楽のように,牧薩次が作者として登場する章と,桂真佐喜が作者として登場する章があり,やや分かりにくい。作中作も一応,ミステリとしての体をなしているが,いずれもクオリティは低い。全体の構成も,よく考えているなとは思えるが,あまり驚けるものではない。
〇 熱中度 ★☆☆☆☆
もともとジュベナイル小説だったこともあり,文章が非常に幼稚。ストーリー展開もバカバカしく,熱中して読めるようなものではない。
〇 キャラクター ★★★☆☆
牧薩次と,可能キリコというキャラクターが登場した作品。いずれも,人間が書けているといえるほどではないが,今後長く愛されるキャラクターとしての土台はある。
〇 読後感 ★★★☆☆
最後は,牧薩次が書いた小説という設定で落としているので,あまり読後感は悪くない。桂真佐喜が書いた小説という形で落としたり,どちらが現実が分からなくしていれば,もう少し読後感を悪くできただろうが…。おそれく,ジュベナイル小説だったので,意識して読後感をよくしたように思う。
〇 インパクト ★☆☆☆☆
読後感をよくしてしまったので,逆にインパクトは薄れた。桂真佐喜や加賀美清子の影が薄い。「読者が犯人の小説」という印象だけ残り,誰が犯人で,どんな事件が起こったのか覚えている人は意外と少ないのではないか。
〇 希少価値 ★☆☆☆☆
絶版ではなく,まだ手に入る。キンドル版もあるので,少なくとも読みたい人は読めそう。希少価値はそれほどでもない。