ボーンヤードは語らない (創元推理文庫)

  • 東京創元社
3.99
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感想 : 22
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  • 本 ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488406240

作品紹介・あらすじ

人気のない『飛行場の墓場』で
なぜ兵士は変死したのか?
シリーズ累計10万部突破!
マリアと漣が挑む四つの不可能犯罪!

U国A州の空軍基地にある『飛行機の墓場』で、兵士の変死体が発見された。謎めいた死の状況、浮かび上がる軍用機部品の横流し疑惑。空軍少佐のジョンは、士官候補生時代のある心残りから、フラッグスタッフ署の刑事・マリアと?へ非公式に事件解決への協力を請う。引き受けたマリアたちにも、実は過去に対峙した事件への苦い後悔があった。高校生の?が遭遇した雪密室の殺人。ハイスクール時代のマリアが挑んだ、雨の夜の墜落事件の謎。そしてバディを組んだ二人が初めて捜査した、ある家庭で起きた悲劇の真相は? 大人気シリーズ初の短編集!

目次
「ボーンヤードは語らない」
「赤鉛筆は要らない」
「レッドデビルは知らない」
「スケープシープは笑わない」

感想・レビュー・書評

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  • シリーズ第4弾 4篇の短編集

    ジョン、漣、マリア、それぞれの過去の事件とマリアと漣がバディとなった最初の事件。

    それぞれの事件には、自分達の力ではどうすることもできないことがあり、何が最善であったのかと悩んでしまう。後悔を抱きながら、それでも自分の信じる道を行く姿はかっこよかった。
    特に漣の事件は、読んだ後にタイトルに戻ると、ため息をついてしまう。
    このバディが、ジェリーフィッシュの事件に携わっていくと思うと胸が熱くなります。

  • <マリア&漣>シリーズの第4弾。
    今回はジェリー・フィッシュ事件前後のエピソードとマリアと漣の二人の過去に一体何があったのかという所にフォーカスした4つの短編集となっている。
    読んでいる印象だと、暗く重い話が印象的な者が多いという印象でした。マリアの物語は実質的に迷宮入り同然の結末だったので、話ごとの繋がりが強いのでマリアには決着を付けて欲しいと思いました。特に、マリアと漣のバックグラウンドには、こんな哀しく辛い思いを経験して警察官になったのかと思い、彼らに対する見方が大きく変わりました。そんな彼らが出会い解決していくことになるジェリー・フィッシュ事件をもう一度読んでみたくなりました。これだからシリーズ物は辞められない・・・!
     また新しい長編が出されているのでそちらも読んでいきたいです。登場人物も粒立って印象深い人も多いので是非再登場して欲しいと思いました。

    この作品をアニメ化した際の声優陣を自分なりのキャスティングしてみたので読む際に参考にしてください(敬称略)。
    マリア・ソールズベリー:日笠陽子
    九条漣:神谷浩史
    ジョン・ニッセン:小山力也
    ボブ・ジェラルド:大塚芳忠
    テリー・ラトリッジ:梅原裕一郎
    河野忠波瑠:山路和弘
    河野茉莉:水瀬いのり
    河野由香莉:井上喜久子
    佐古田洋三:堀内賢雄
    佐古田夏乃:渡辺久美子
    ハズナ・アナン:早見沙織
    ヴィンセント・ナイセル:島崎信長
    ジャック・タイ:田村睦心
    セリーヌ・トスチヴァン:潘めぐみ
    フレデリック・ソールズベリー:大塚明夫
    ナディーン・エルズバーグ:くじら
    オズワルド・エルズバーグ:森久保祥太郎
    サラ/ドロシー・エルズバーグ:水樹奈々

  • ジェリーフィッシュからマリアと漣の大ファンで、待望の文庫化だったのですぐに買って一気読み。
    短編集だからボリュームとしてはちょっと物足りないんだけど、でもすごく面白かった。時代背景とか人種問題的な部分で全体的に暗い感じが漂ってて、少し苦しくなる部分もあるけど、だからこそマリアと漣のブレない感じが安心感があってすごくよかった。
    正直、叙述トリックは後出し感がちょっとあるなぁとか思ったけど、読み応えがあって楽しめた。

    今すぐジェリーフィッシュを読み直そうと思います。

  • 「マリア&漣」シリーズ短編集。前三作の長編と同様、タイトルの回収が巧く、特に「赤鉛筆は要らない」は、意味が分かると「なるほど」と思った。

  • 漣とマリアの過去を描いた作品です。
    読むまで短編集と知りませんでしたが、
    それぞれ満足感のある短編でした。
    個人的には後味は良くありませんが、
    『レッドデビルは知らない』が好きです。

    「どうしてこいつは-なぜ彼女は-警察官になったのか?」

  • ⭐︎4.7

     マリアと漣の最初の事件。必読の価値あり、短編集なので、ある意味どこから読んでも面白い。
     若き日のマリアと漣の事件への向き合い方や、なぜ警察官になったか。割とストレートに聞きたい質問の答えがここにある。
     また長編を楽しみにしている。

  • 一番好きなシリーズでしたが、正直「短編集かぁ」と思っていました。

    ですが、読んでみると今までの主要キャラの過去や人柄に迫れるストーリーばかりで物凄い没入感でした。

    「ボーンヤードは語らない」
    米軍基地で起きた事故を、ジョン視点で描かれ、マリアと漣による捜査依頼を経て解決へ向かう。ジョンにも米兵を目指す上で苦い過去があり、それらを想起させる事件。

    「レッドデビルは知らない」
    マリアが警察官を目指すきっかけとなる事件。友人を死なせてしまったことへの後悔が深く描かれ、前作迄のマリアの刑事として事件へと向かう姿勢の背景が深く見受けられる。叙述トリックもあり、本作で1番の力作だと感じられる。

    「赤鉛筆はいらない」
    漣の高校時代、先輩宅での事件を手紙という形で
    真相解明を行う話。犯人に委ねる最後に、漣の人間臭さが感じられる作品。

    「スケープシープは笑わない」
    マリアと漣、初めての事件。事件としては悲しい最後とはいえ、規模としても小さいもの。しかし、上記の三作を読んだ上であれば、人種・ゴルフクラブなどなど2人の古傷を抉りながらも、深みを感じられる作品。

    シリーズを読んでいる人も、ここから初めての人にもおすすめの一冊です。
    キャラへの親近感、今後を楽しめました。

  • 市川先生のシリーズ作品探偵役であるマリア&漣が登場する短編集、全四編
    長編シリーズも、現在文庫になっている三作は読了済みです

    個人的な感想として、長編作品を読んでいても今一つ印象の薄かったマリア&漣
    どうしても記憶に残るのは犯人の方なんですよね
    そんな二人のイメージ補強にぴったりの作品です

    長編一作目の時期に起きた事件、それぞれが学生時代に出会った事件、二人がペアを組んで最初の事件
    マリア&漣の人生の重要なポイントで出会った事件が揃っています

    最後の話『スケープシープは笑わない』は書き下ろし作品のため、それまでの三作を踏まえた描写が多々あってニヤリとさせられました

    一番のお気に入りは表題作にもなっている『ボーンヤードは語らない』


    巻末の香山二三郎さんの解説、文章の八割程があらすじで占められていてビックリしてしまった(笑

  • マリア&漣シリーズ第4弾!
    で、初の短編集。
    2人の過去を知ることができる。
    これからの2人の活躍が、もっと楽しみ!

  • 『ジェリーフィッシュは凍らない』の
    マリア&漣シリーズ初の短編集。
    マリアや漣の過去はもちろん、
    ジェリーフィッシュ事件に出てくる
    ジョンの少し前の事件もあり、
    ファンとしては贅沢な短編集です。

    マリアや漣が何故警察官になったのか。
    ジェリーフィッシュの時から疑問でした。
    2人とも仕事は出来るし、頭の回転も早い。
    だけどどこか警察官らしくはない。
    そんな2人がそれぞれ過去に関わり、
    心に傷を追い、原点となった事件。
    その物語が明かされるなんて…!

    短編集なのでいつもを期待すると
    ボリュームは少し物足りないですが、
    それでも少ないページの中でしっかりと
    解決まで導いてくれる2人がいます。

    ここから2人の物語は始まった。
    次の2人の物語も楽しみです。

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著者プロフィール

1976年、神奈川県生まれ。東京大学卒。2016年『ジェリーフィッシュは凍らない』で、第26回鮎川哲也賞を受賞しデビュー。他の著書に『ブルーローズは眠らない』、『グラスバードは還らない』(以上東京創元社)、『神とさざなみの密室』(新潮社)など。

「2023年 『東大に名探偵はいない』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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