殺しへの招待 (創元推理文庫 M て 1-6 天藤真推理小説全集 6)

著者 :
  • 東京創元社
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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (350ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488408060

感想・レビュー・書評

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  • 真相は最後に分かるんだけど、そんなに思い通りにはならないんじゃないかなという気もする。

  • よい小説とは必ずしも現実的である必要はなく、ただ作者の作った虚構の中で物語の進行に矛盾や違和感のないものであれば良質なエンターテイメントとなりえます。

    その意味で、この小説はミステリーとはかくあるべしという模範例です。

    ただし、小さな穴はあります。(以下ネタバレあり)

    共通の知人という設定ですので、中心となる人物一人を抜きにしては共通足りえないという点を考慮すればターゲットはこの時点で明らかです。

    とはいえ、最終的にはそういう結末(どんでん返し)にはなるのですが・・

    まあ、そんな小さな隙が気にならないくらい、この舞台設定を考え付いた作者の創造力に脱帽です。

    「大誘拐」「雲の中の証人」「遠きに目ありて」と並ぶ読んで損のない傑作です。

  • うおおぉ。ぐいぐい読ませる作品でした。内容について語るとネタバレせずにはいられないので、詳しく書けないのがもどかしい。
    夫婦の秘密、濡れ場、人間の裏の顔といった、毒気も振りまきつつ、一方では、夫婦の愛の復活や友情などちょっと救いも入れての絶妙なバランスでした。面白かったです。

  • もしかして?って思ってたら、やはり。でも面白かった。

  • 昼ドラのようだ。

  • おぉー...1973年。この時代にして、このスピードで
    モダンな文体。凄いなー。
    ややクドいかな?とも思えるくらいな細かい伏線と
    その収拾の丁寧な作業により、犯人がごく自然に
    分かるという、なんと丁寧なミステリーなんでしょう。

    適度なユーモアや適度な毒も凄くバランスよく
    味付けされてして、読んでいても飽きないです。

    ...あ! オリジナルの刊行は産報出版!!!
    これ自分の父親が以前に働いていた会社でした(笑)。

  • ストーリー設定が面白いので、自然とその中に入ることができた。登場人物同様、手探り状態で第一章を読み終えると、次章では展開がガラリと変わる。構成も非常に巧く、ラストのサプライズまで退屈せずに一気読み。手の込んだトリックにも感心させられたが、事件の合間に時折出てくるそれぞれの夫婦関係の変化に、作者の優しさが垣間見え、なんとなく嬉しく感じた。

  • 巻措く能わず、とはこのことなのかと今回実感した。
    全343ページを5日で消化したのは近来にないハイペースだったと思う。平均にして68~69ページを1時間で読むのだからやはり速い。島田荘司氏の『アトポス』は1日100ページぐらい読んだ記憶があるが、あれとクーンツ以外には思い当たらない。
    いや、しかし、今回もなかなかに読ませる。プロット自体は特に斬新ではなく寧ろ地味なのだが、設定や登場人物の動かし方に匠の技が効いていて、350ページ弱を思う存分、愉しませてくれる。
    今回の目玉はやはり5人の男に送られた妻からの殺人予告状でこれがどの誰を指すのか判らないという点が面白い。しかし作者はこのワンアイデアで最後まで引っ張るのではなく、130ページを過ぎた辺りであっさりと5人の内1人に絞り込むのだ。
    実はここからが天藤真氏の天藤真氏たる所以で、今まで微妙な利害関係で成り立っていた彼(女)らを1つの探偵チームとして機能させていく所がミソ。しかも各々の職業の特性を活かしながら。私自身面白かったのはこの5人が抱えている問題がひょんな事件をきっかけに解決の方向に向かう所で、特に主人公格の羽鳥の妻との問題はサブストーリーとして○。
    しかし今回はやはり第3部の存在、これが読者諸氏の感慨を非常に左右すると思われる。第3部は不要で第2部まででよかったのではないかという声と、いややはり第3部はこのストーリーの最後のどんでん返しとして必要だという声が当時あったのではないだろうか?
    私は、と云えば…まあ、上の星評価で判断してもらいたい。

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