大誘拐 (創元推理文庫 ソウゲンスイリブンコ)

  • 東京創元社 (2000年7月21日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (456ページ) / ISBN・EAN: 9784488408091

作品紹介・あらすじ

*第1位「週刊文春」ミステリーベスト10/20世紀国内部門
【日本推理作家協会賞受賞】
刑務所の雑居房で知り合った戸並健次、秋葉正義、三宅平太の3人は、出所するや営利誘拐の下調べにかかる。狙うは紀州随一の大富豪、柳川家の当主とし子刀自。身代金も桁違い、破格ずくめの斬新な展開が無上の爽快感を呼ぶ、捧腹絶倒の大誘拐劇。天藤真がストーリーテラーの本領を十全に発揮し、映画化もされた第32回日本推理作家協会賞受賞作。解説=吉野仁

みんなの感想まとめ

痛快な誘拐劇が展開される本作は、ユーモアとハラハラドキドキが絶妙に融合したストーリーです。出所した三人の男たちが、大富豪のおばあちゃんを誘拐し、思わぬ展開を迎える中で、彼女が要求する100億円の身代金...

感想・レビュー・書評

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  • 大富豪のお婆ちゃんを誘拐した三人組。
    人質である刀自(婆様)は犯人らの設定した要求額には納得せず100億円を要求するよう犯人達に言い放つ
    大金をどう受け渡し処理するのか?
    刀自の真意とは?
    なんとも痛快で真相が見えてきてからも最後まで楽しかった。爽やかなのええな。

  • 人望のある資産家のおばあちゃんが誘拐された!
    しかしいつの間にかこの事件は、人質であるはずのおばあちゃん主導になっていたw
    おばあちゃん+犯人たちvs警察vs家族vsマスコミ!?
    おばあちゃんはなぜこんな事を?ーー(内緒)
    誘拐されたのはチャンスとばかりに策を練るおばあちゃんの知恵や行動力が痛快であった。

    • ポプラ並木さん
      なおなおさん、こんばんは~読みましたよ!めちゃくちゃ面白かったです。ばあちゃんのパーソナリティや登場人物全員魅力的でした。警察本部長の井狩も...
      なおなおさん、こんばんは~読みましたよ!めちゃくちゃ面白かったです。ばあちゃんのパーソナリティや登場人物全員魅力的でした。警察本部長の井狩も良かったね。劇場型犯罪はオチが重要なんだけど、最高のオチでした。また劇場型犯罪を読みたくなりますね!お薦めありがとう~
      2022/08/03
    • なおなおさん
      ポプラ並木さん、ご報告をありがとうございます。
      良かった〜(^_^)楽しまれたようで。登場人物のキャラもオチもいいですよね。おばあちゃんと刑...
      ポプラ並木さん、ご報告をありがとうございます。
      良かった〜(^_^)楽しまれたようで。登場人物のキャラもオチもいいですよね。おばあちゃんと刑事さんのやり取りがあり、穏やかに幕を閉じた…ってことでいいのかな。
      こちらこそまたオススメを教えてくださいね。
      2022/08/03
    • ポプラ並木さん
      なおなおさん、こちらこそ!劇場型犯罪に限らず色々お薦めくださいね。こちらもお薦めします!
      なおなおさん、こちらこそ!劇場型犯罪に限らず色々お薦めくださいね。こちらもお薦めします!
      2022/08/04
  • ブクログの読友さんの劇場型犯罪のお薦め。刑務所内で次のスリを考える戸並。社会復帰のために元手が必要で、刑務所内の同部屋の秋葉と三宅と計らって誘拐を企む。ターゲットは紀州の大地主・柳川ばあちゃん(82歳)、身代金は5千万円。見事、ばあちゃんを誘拐したが、身代金の額を聞き「私はそんな安い人間ではない」と、まさかの人質からの値上げ交渉、その額は何と100億円!警察官の緊急配備を潜り抜け、まんまと100億円を盗むのに成功。しかし、多々ニヤニヤ、ドキドキ。劇場型犯罪のオチとしては好き。ばあちゃんの大活躍に笑えた。⑤

    • なおなおさん
      ポプラ並木さん、いいねとコメントを一番乗りしちゃった!分かりやすいレビューから、再び楽しむことができました。
      登場人物みんなのキャラも良かっ...
      ポプラ並木さん、いいねとコメントを一番乗りしちゃった!分かりやすいレビューから、再び楽しむことができました。
      登場人物みんなのキャラも良かったですよね。おばあちゃん、めちゃめちゃカッコイイ!こんなおばあちゃんになりたい(笑)
      2022/08/03
    • ポプラ並木さん
      なおなおさん、コメントありがとう!そうですね。超クールでした。劇場型犯罪の計画をしたおばあちゃんには脱帽で、楽しめました!
      なおなおさん、コメントありがとう!そうですね。超クールでした。劇場型犯罪の計画をしたおばあちゃんには脱帽で、楽しめました!
      2022/08/03
  • 久しぶりに安心して読める物語に出会えました。
    安心なのだけど、ハラハラドキドキは最後まで続きます。
    安直な表現ですが、子供からお年寄りまで楽しめると思います。

    まさに作中に出てくる獅子と狐とパンダの喩えのとおりの風格と抜け目なさと可愛らしさを持った物語です。

  • ユーモアがあって、ちょっとほろっともしたり、素敵なお話しでした。

    主人公は、大富豪柳川とし子刀自。
    刀自(とじ)って初めて聞いたけど、敬愛の気持ちを込めたおばあちゃんの呼び方だそうです。

    刀自 vs 虹の童子 vs 県警本部長
    とし子刀自の「猜疑心と虚栄心」が、真面目な人たちを煙に巻き、根は優しい誘拐団の心を揺さぶります。









  • 膨大な紀州の山々を所有する日本有数の大富豪、柳川家の女主人は齢82歳にして未だ矍鑠たるとし子刀自。
    身長140センチにも満たない可愛らしいおばあさんだが、所有する土地財産の目録はすべて頭に入り、一度会った人合った出来事は忘れず、常に公平で慈善事業を行い、彼女を知る人たちからは生神のように慕われている。

    そんなとし子刀自を狙う仮面の三人の若者。刑務所で知り合った彼らは、出所後の再出発の為にとし子刀自を誘拐し手身代金を得よう、地道な努力を重ねていた。

    山歩きのとし子刀自の前に飛び出す三人。
    そこから日本のみならず世界の注目する大誘拐の数日間が幕を開ける。

    ===
    愉快痛快無心で楽しめるミステリー。
    解説にもありますが、まさにとし子おばあちゃんがいてこそ作り上げられた展開、トリック。
    前科付きでありながら一本筋の通った純朴な誘拐犯たちの主導権を握ってしまうとし子刀自。獅子の風格と、狐の抜け目なさと、それにパンダの親しさを兼ね揃えた人格者による世界大注目の大活劇となったらわくわくドキドキです。
    悪い結末には絶対ならないなあという安心感を持ちながら読めるミステリーもいいですね。

  • お勧めいただき出会った一冊。
    誘拐犯たちも警察もどちらも応援したくなります。そして何より刀自のかっこよさに惚れ惚れ。
    100億円は手に入るのか?どうやって?とワクワクしながら読めました。
    今となっては古めかしく感じる文体もまた味があっていいなと思います。

  •  刑務所から出所した三人組は社会復帰の元手を稼ぐため企てたのは誘拐だった。ターゲットは紀州随一の大富豪の当主柳川とし子。そして破天荒な誘拐劇が幕を開ける!

     誘拐や劇場型犯罪の作品は犯人側と警察側の心理戦や頭脳戦、刻一刻と変わる状況などもあってシリアスで息詰まる展開のものが多いイメージがあるのですが、この作品はいい意味でユーモラスで息詰まるというよりも、この後どうするの? っていうワクワク感があります。

     その理由は悪人になりきれない犯人たちの性格やキャラクターというのもあると思いますが、何よりも大きいのはとし子の存在だと思います。彼女の言動や口調というものがどっしりとしていながら、でも茶目っ気たっぷりでそういう可愛らしさが大きいのかな、と思います。

     また作品中の登場人物は基本関西弁なのですが、それも大きいと思います。関西弁って怖い、って言われることもありますが、これを読んでるとほっこりとしますね。

     キャラクターも魅力的ですが、誘拐事件自体の展開も非常にド派手! テレビに中継をさせたり、ヘリを飛ばせたりと本来水面下で進むはずの誘拐が非常にド派手に描かれます。それでいて計画の細部はしっかりと練られているのもすごい! 大胆さと繊細さを兼ね備えた完全犯罪計画やそれが進行していく様子は読んでいて楽しかったです。

     それも伏線だったのか、っていうことも最後に明かしてくれて、非常に評価の高い作品ですが、評価が高いだけあって面白かったです。やっぱり古典の有名どころは押さえておくべきだなあ、と改めて思いました。

    第32回日本推理作家協会賞

  • 名作と聞いていつか読みたいと思っていました。
    1970年代の作品なだけに難しい言い回しもありましたが、ググれば言葉の意味もすぐ分かるし、むしろ新鮮な発見があって面白かったです(笑)。
    犯人と人質のやりとりが最高なのはもちろん、「身の丈にあったお金があれば」という潔いメッセージが一番心に刺さりました。

  • 5 

    テクノロジーが進んだ現在でも、今もって色あせない最高のエンターテインメント小説のひとつ。与えられるに相応しい賛辞の数々は巻末の解説に譲る。付け加えるならば、本作は、犯人側と捜査・家族側の視点が入れ替わりながら描かれるが、その切り替えが極めて絶妙であること。世間の評価がどんなに高くても、自分にとって必ずしも面白いとは限らないが、本作は後世まで愛され続けるだろう名作だと確信してやまない。


  • 映画版も面白かったけど、原作もすごく面白い!むちゃくちゃ豪気なおばあちゃんがチンピラ3人とつるんで国家に100億円を要求する展開にはやはり意外性があり、それでいて彼らがみんなチャーミングであるため犯罪者側を応援したくなる。基本コメディタッチで快活に進んでいきつつも、受け渡し方法や視点人物の切り替えなどにはキレがあり、読んでいて純粋に楽しく目が覚めるよう。パワフルであり、ハートフルでもあり、しかしピリッと辛い教えも込められており、人情劇のエンタメ小説ここにあり、と言った感じ。上質なミステリですわほんま。

  • 面白かったです。
    性根の悪い人がてでこないのが、すごくいい。
    お金がすべてではない。
    家族とか仲間とかを大切に想い、叱咤激励しながら進んでいく。
    全部、おばあちゃんのおかげ。
    こんな方が国のリーダーになってほしいものです。
    岡本喜八監督の映画版も大好きです。

  • これ、めちゃくちゃ面白かったです。
    1978年に書かれた作品だというのに、図書館に予約したら6人待ちでした。
    でも、待ったかいがありました。

    前科持ちの三人組が、人生をやり直す元手を得るために誘拐を目論む。
    リーダーが2000万円、残る二人は1500万円ずつ。
    締めて5000万円奪取のはずですが、それでも多すぎるのではないかと心配になる彼らが誘拐したのは、和歌山の大富豪、柳川とし子刀自、御年82歳。
    金持ち特有のおおらかさで、お供のお手伝いさんを返し、身一つで誘拐された彼女は、身代金の5000万円に激怒した。

    さらに上手いこと誘拐犯たちの計画を聞き出した挙句、「そんな方法ではすぐに警察に捕まりますな。裏をかくには…」と、知恵まで授ける始末。
    いつの間にか人質主導の誘拐事件となり、これ以上はびた一文もまからんと人質が主張する身代金は100億円。

    どうする、どうなる、この事件。

    人質のおばあちゃんの、人当たりの良さとは裏腹の肝のデカさと頭脳の明晰さ。
    このキャラクターにやられてしまいます。
    誘拐犯たちも、柳川家の人たちも、村人たちも、警察も、みんないい人たちばかり。
    このいい人たちをうまい事手玉に取って事件を主導するおばあちゃんの真意は…。

    ”獅子の風格と、狐の抜け目なさと、奇妙なことだがそれにパンダの親しさと、兼ね備えた人格ということでしょうかねえ。”
    県警本部長の、誘拐犯(首班と思われる)の人物評価。

    誘拐物のミステリとしても十分に面白いですし、時代の古さを感じさせない文体の軽さもあり、今読んでも全然問題なしです。
    読後すぐに友だちにお薦めしました。

  • 誘拐を計画した悪党三人が狙ったのは、大資産家・柳川(やながわ)家の当主であるとし子。彼女は82歳にして威風堂々とした態度に、その慈愛の精神から人々に慕われている人物だった。誘拐は成功したかに思われたが、人質のとし子に誘拐犯ですら翻弄され、事件は日本中を巻き込む展開へと転がっていく。

    とし子おばあちゃんがキレッキレで面白い。格が違う御仁とはこういうものかと舌を巻いた。その頭脳と人望とお茶目さが存分に伝わってくる。読者としてもその魅力に自然と引きずり込まれてしまったなと。誘拐という犯罪の難しさをここまで鮮やかに切り捨ててくれるとは思わなかった。

    犯罪ものというよりはとにかく痛快エンタメで、うわー!と叫んだり、時には笑い声を上げながら読み続けた楽しいひとときだった。犯人たちが五千万円と予定していた身代金を「私はそない安うはないわ。きりよく百億や!ビタ一文負からんで!」と一蹴するおばあちゃん最高すぎる。これがハッタリではなく、計画通りというのが恐ろしい。デスノートのLあたりと頭脳戦して欲しい(笑) ただ、その中にもあった犯罪劇ゆえの罪悪感のほろ苦さも、ラストでミステリの定石通りにしっかりと回収してくれるのも憎い演出。

    あと、登場人物たちがみんな善人だったというのも読後感がいいポイント。誘拐犯である三人でさえも、読み終わる頃には愛着がわいている。日本全土を揺るがしたハチャメチャな大犯罪なのに、こうもスッキリと読み終えられるのはすごいなと。名作と呼ばれているだけある。とし子おばあちゃんのように、芯に一本の筋が奇麗に通った誘拐エンタメ小説。

    p.165
    「お金いうもんは怖いもんや。おまえたち、まだお金は物を買うためのもんやと思うとる。お金は力や。人を生かしも殺しもでける力や、いうことがわかっとらへん。それがわかってくると、もっと怖うなる。それからやな、千円も百億も同じ金や、ということがほんまにわかってくるのは。いまんとこはその第一歩や。お金を考えるのに、ラーメン単位もあるし、トライスター単位もある……それがわかっただけでも、一歩前進や」

  • 大富豪柳川とし子刀自を誘拐した。犯人の提示した身代金が低すぎる、と刀自が意義を唱え…。


    滑稽とも思えるスケールの大きさと、緻密な犯行の対比にドキドキが止まらない。
    警察、マスコミ、国と次第に大きくなる反響に巻き込まれていった。

    冷静沈着で肝が据わっている刀自にすっかり魅入られてしまい、
    この人に仕えたい、という気持ちになった。
    その記憶力、思慮深さ、正確な計算などが見事だ。
    サマーウォーズの栄ばあちゃんと並んで、大好きなばあちゃんになった。

    そして他の登場人物たちも負けていない。
    犯人たち、和歌山県警本部長井狩、刀自の息子たち。
    するべきことを全力で行う姿勢は読んでいて気持ちがいい。

    さあ大誘拐の結末や如何に。

  • 文藝春秋の「東西ミステリーベスト100」で
    はじめて本書を知ったのですが
    今まで知らないでいた事が恥ずかしくなる
    くらいの傑作でした。

    誘拐もののミステリーは、自分では結構読んでいるつもりで
    岡嶋二人の『99%の誘拐』がベストだと思っていたのですが
    見事に覆されました。

  •  たぶん、全くの予備知識なしにこの本を読んだら、ひっくり返るほど驚き感動したと思う。本当によくできたユーモア小説。ユーモア小説だけど、最後の方でじわりじわりとほろ苦さがこみ上げてくるあたりもなかなかよい。トリックもおもしろいし結末も見事だし、名作の名に恥じない。僕は映画の関係である程度の予備知識を持って読んでいたのだけど、それでもお腹いっぱいに楽しめた。

     誘拐テーマのミステリだけど、途中からむしろコン・ゲームの雰囲気になってくるのが個人的には好きなところだ。知恵を頼りに弱者が金持ちに挑む詐欺の物語が僕は大好きなのである。そういう方向から読むと、まさに古典的なコン・ゲームで、意表を突いた犯人の行動が見事である。

     楽しみながら読ませてもらったのだけど、最後の方にきてちょっと雰囲気が変わる。追いかける側の意地のようなものが最後にギラリと光ってくるのだけど、そこに独特に苦さがあって、単なるユーモアでは終わらない。追われるものの動機にも苦さがあって、また実に人間味があって悪くない。

     ずいぶん古い作品ではあるのだけど、現代でも十分に通用すると思う。一読をおすすめする。

  • 古い小説で表現的に読みにくい箇所が多い。(関西語ってのも含め)
    内容にしても誘拐された真の目的も序盤で読めてしまうのでもう少し捻りが欲しかった、、
    ヒューマンとしてみたら面白いと思う方もいるかも。

  • 話としてはどんでん返し系。
    当時は「すごいミステリー」だったのかもしれないが、今となっては…という印象。

    刊行が古いので文体がどうしても読みづらかった。
    登場人物もキャラが弱かったりして感情移入しづらい。
    あとは話の本筋とは関係ない蛇足部分が多かった気がする。
    こう感じるのも最近の小説ばかり読んでいる弊害かもしれないが…。

  • 実際に、熊野紀州山地を車で走るかGoogle Mapでこの小説の舞台のスケールのデカさを感じながら、読書されることをおすすめいたします。
    映画もいいぞ~!★★★★★
    監督は岡本喜八、主役の刀自役は北林谷栄。
    警部役に緒形拳、お手伝いさん役は樹木希林と豪華な顔ぶれ。

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