空色メモリ (創元推理文庫)

著者 :
  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (318ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488409128

作品紹介・あらすじ

たったひとりで坂高文芸部を守る、ハカセこと河本博士に春が来た。なんと、可愛い新入生が入部したのだ。彼女が人気のない部を選んだのには、何か秘密がありそう。部員でもないのに文芸部に入り浸っているおれは、そんな出来事をおもしろおかしく綴っている。その日記"空色メモリ"が、思わぬ騒動を呼んで-。"非モテ男子"たちの恋模様をミステリ風味で描く、青春小説の決定版。

感想・レビュー・書評

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  • 久しぶりにTHE青春、越谷オサムを読んだ。こんな時期も自分にはあったな~ってしみじみ思います。可愛らしい同級生とお話ししたい、どうすれば気を引くことができるのか。でも、仲良くなったけど付き合うことはなかったな。今回、文芸部(年1度、『やまぶき』を発刊する)の河本、仮入部中の自分のもとに、新入生・野村が参加。日々の出来事(超ヤバイ本当の内容)を記した空色のUSBメモリを無くした。また野村の靴が紛失。この謎を追っていく文芸部。もう1人の女子高生サキが加わり4人が揃って胸キュンの大捜索。越谷作品、いいね~⑤

  • デブとメガネの非モテコンビの、どうしようもない青春のいじましさにキュンキュンさせられる。
    からりとした文体は懐かしさもあり、脳内で藤子F氏の絵で再生される。
    文芸部にやって来た女子への嫌がらせと、日々を綴った日記メモリの盗難の謎。ミステリ的面白さも。

  • 年がいもなく感動してしまいました。登場人物がみんな威力的です。解説にも書いてあったけど290ページのシーンは良かったなあ。あとブーちゃんがサキといい感じになるのを祈らずにはいられない。

  • この作家さんらしく 軽妙で笑える文章。
    サクッと軽目で読めてしまうけど 実は けっこう深いこと言ってるんじゃないかな。

    いわゆる思春期って頃の かわいらしい日常を描いた話なんだけど
    実は オトナだって、自意識過剰だったり 自己防衛のバリア バンバン張っちゃってする。
    そういうのを とっぱらえるときは とっぱらっちゃえば 笑い飛ばせるものも あるんだよー的なコト 言ってたんじゃないかなー って思った。


    サキの着陸場所を考えないで離陸しちゃうトコ
    愛美の傾向と対策なんてクソくらえ、感心なんてされなくていいってトコ

    すごく好きだな って思った。

    私も そう。
    つり橋走って渡っちゃうタイプだし、誰にでも好かれようなんて思ってないし。
    それでいいんだな、イイトシこいたオトナだけど なんか そのほうが気持ちがいいな ってそう思えて、元気でたよ。

  • 人は見た目だよね。うん見た目だよ。
    そうバリアを張りながら生きていくことで自分を守ろうとする男子高校生。

    でも、少しずつ好きってそういうことじゃないよな。
    とにかく、今はどうにかして、こっちむいてほしい。

    やっべー今しかない!今こくらずにいつこくるんだ!
    もう玉砕とかそんなの考えられない。こっちをむいてよ!

    なんとかなるーというかなれー!!!
    みたいな気持ちがよく伝わってくる小説でした。

    純情・一途・・・それでいてちょっと下衆な想像もしてしまう。
    普通の健全な男子高校生!

    でも、自分からバリアを張ってできない、無理だと思ってたところから、
    ちゃんと「無謀・暴挙・あたってくだけろ!」といった若い青春の特権を見に付ける子たち!

    そんな男子高校生の外側ではなく内面をちゃんと評価できる女子高校生!
    そんなあったかいそしてあまずっぱい物語です。

  • 大人になれば些細だと思うようなことにとても敏感で人生の悩み事のように捉えてしまう青春時代は今となれば楽しかったなと思い出させてくれる作品。

  • たった1人で文芸部を守るメガネをかけたハカセと部員でもないのに入り浸る太ったオレ。暇なオレは日常のことを密かに空色のメモリに綴っていた。そんな部に突如可愛い新入生、野村さんが入ってきた。ハカセは野村さんに恋をするが、恋に奥手なハカセと野村さんのやり取りがクスッと笑える。あるとき野村さんがバスケ部のイケメンと2人で食事しているのを見かけたり、空色メモリが発端で大騒動に巻き込まれたりと波乱の高校生活。人間関係に悩み真正面から向かう彼らを応援したくなる一冊。

  • 終盤までどう転ぶかわからないお話
    こんなのはじめて

  • デブとメガネの高校生
    あー青春物だなぁ
    じいさんになっても 青春物は楽しい
    自分が高校生の時は 楽しい高校生活とは思わなかったが 今 振り返ると ショートストーリーになるような高校生だったかなと思いながら 読み終えた。

  • 非モテ男子のドリームストーリーですね。なんか手に取るようにわかる感じで、人は選ぶかもしれないけれども刺さりました。どうでもいいけど陸くんのコミュ力は高くて羨ましいぞ。

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著者プロフィール

1971年東京生まれ。2004年、『ボーナス・トラック』で第16回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞し、デビュー。著書に『階段途中のビッグ・ノイズ』『いとみち』『陽だまりの彼女』等がある。

「2021年 『まれびとパレード』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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