道具屋殺人事件 (神田紅梅亭寄席物帳) (創元推理文庫)

著者 :
  • 東京創元社
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感想 : 30
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  • Amazon.co.jp ・本 (380ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488410124

感想・レビュー・書評

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  • ミステリー部分はシンプルであっさりしています。
    落語にあんまり興味ないですが楽しめました。

  • お初の作家さん。いわゆる安楽椅子探偵モノ。登場人物は落語家さんで、メインは落語のお話。落語は門外漢のわたしにはちょっと難しいお話でした。まず落語家さんのお名前が架空の人物なのか実際いるのかがわからない。そして落語がわからないからストーリーなのか謎解きなのかがわからない。落語の専門用語もわからないので何度も戻ったりして。答えのヒントも落語関係でわからない。とにかく落語を好きな方にはハマる作品なんだろうなとつくづく感じました。

  • 2つ目の噺家と結婚した、落語が何人でやるのかも、
    知らなかった女性が巻き込まれる事件を、
    脳溢血で療養中の師匠が解き明かしていく。

    落語を絡めて、なかなか面白く読めるお話でした。

    ただ、事件そのものはいまひとつです。

    落語知っている人の方が何倍も楽しめるのでは
    ないでしょうか?

  • これはいいねぇ。
    寄席に行ってみたくなる。
    とりあえず続編は絶対読んでみる。

  •  二つ目の落語家,寿笑亭福の助が主人公の,日常の謎系ミステリ。短編というより中編クラスの作品3作からなる。
     どの作品も,一つの謎を解決するだけでなく,二つの謎が出てきて,それらの謎を連鎖させるように解決を導く構成となっている。落語をテーマとしているだけあって,噺全体の構成が非常によくできている。ミステリというより,よくできた噺を味わうべき作品。好みの作風でなないが,出来はよいと思う。★3で。

    ○ 道具屋殺人事件
     福の助が,寿笑亭一門の勉強会で,先輩の福大夫の罠により,難解な落語である「黄金餅」を演じなければならなくなるという事件と,道具屋という落語の中で座布団から殺人事件の凶器が見つかり,仕込み扇子を用意していた小喜楽師匠が容疑者となる。
     殺人事件の真相は,小喜楽師匠の娘が犯人で,小喜楽師匠は用意した仕込み扇子は落語の小道具だった。その小道具からヒントを受け,福の助は,黄金餅の落語を成功させるという話

    ○ らくだのサゲ
     福大夫の罠で「らくだ」という落語の新しいサゲ(オチ)を考えなければならないという話と,福神漬という弟弟子の過去の彼女の借金・失踪問題がテーマ。
     「らくだ」のサゲについては,「らくだ」を「富久」という落語の後日談にするという手法で伏線をはりつつ,さらに「藁人形」という落語の後日談とした上で「黄金餅」につなげるという構成で,平凡なオチを十分なオチにした。失踪事件の方は失踪ではなく,整形で,今の彼女と以前の彼女が同じ人物だったというオチ。

    ○ 勘定板の亀吉
     福の助と同じく馬春師匠の弟子だった亀吉が,「得な話」(講演が楽なわりによく受ける噺)ばかりやっているという問題と亮子の同僚の先生が釣銭詐欺の事件の容疑者となってしまったので,容疑を晴らすために,小喜楽師匠が壺算を演じた日を知りたいという事件がテーマ
     小喜楽師匠は,重い客を笑わせるために「家見舞(こい瓶)」を演じたが,カレーを食べる人がいたので,途中から即興で「壺算」を演じたというもの。亮子の同僚は,浮気のアリバイ作りをしていたというオチ

  • 落語ミステリ。
    噺家の奥さんが語り部。探偵役は噺家である旦那の師匠。師匠は脳梗塞の後遺症で上手く喋ることが出来なくなり引退しているが、頭のキレは鈍っておらず相談事にカタコトでヒントを与えてくれる。
    ドラマ「タイガー&ドラゴン」ほど軽快ではないが、落語と絡めて楽しませてもらえる。ミステリ部分は普通。短編のため、犯人の意外性は薄い。

  • 落語を題材にした小説は、過去に4冊くらい読んだけど それぞれに(当たり前だけど)違いがあって面白い。
    今のところ、一番好きなのは「しゃべれどもしゃべれども(佐藤多佳子さん)」
    だけど、これもかなりよかった。
    シリーズ続編も是非読みたい!

  • 主人公は落語家の妻で、落語家の世界の話。
    日常や落語の謎を、落語家が解くというミステリー。
    落語を知ってる人だと文句なく楽しめるが、全く知らないと言葉や世界観がわからずに、何度も前のページに戻ったりして進まない。
    名前から覚えられないので、混乱してしまった。
    同じ落語家シリーズなら、北村薫の方が読みやすいかな。

  • 楽しく読みました。登場人物が魅力的だということが楽しく読める最大の理由ですよね。
    福の助夫婦のそれぞれの成長が作品の成長と密接に関連しているので、これは2作目、3作目と手に取りたくなります。
    この1冊の中でも(3編入ってますが)あとに進むほど、良くなっている感じです。(具体的にどこがどうとは言えませんが)
    文庫のカバーに「円紫さん」シリーズの案内がありますが、円紫師匠、どうなさってますか?もとより作風が違うので、比較などできませんが、懐かしく思い出しました。
    今後、福の助さんが円紫師匠に比肩する真打になることを大いに期待しています。

  • 落語家が紐解くミステリー。

    安楽椅子探偵ものでもあり、奥さま探偵ものでもあり、もちろん、作品自体が落語の人情噺でもあり。
    著者の落語への饒舌な愛情満載です。

    声のいい、どなたかに朗読してもらったら最高の噺だと思いました。

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著者プロフィール

愛川晶
一九五七年福島市生まれ。九四年『化身』で第五回鮎川哲也賞を受賞。トリッキーな本格ミステリーを基調としながら、サイコサスペンス、ユーモアミステリー、人情ミステリーと幅広く活躍。主な作品に『六月六日生まれの天使』『ヘルたん』『再雇用されたら一カ月で地獄に堕とされました』。落語ミステリーでは、『道具屋殺人事件』『芝浜謎噺』など「神田紅梅亭寄席物帳」シリーズ、『神楽坂謎ばなし』など「神楽坂倶楽部」シリーズ、『高座のホームズ』など「昭和稲荷町らくご探偵」シリーズがある。『太神楽 寄席とともに歩む日本の芸能の原点』(鏡味仙三郎著)では編者を務めた。

「2023年 『落語刑事サダキチ 泥棒と所帯をもった女』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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