孤島パズル (創元推理文庫―現代日本推理小説叢書) (創元推理文庫 M あ 2-2)

著者 :
  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (402ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488414023

作品紹介・あらすじ

紅一点会員のマリアが提供した"余りに推理研的な"夏休み-旅費稼ぎのバイトに憂き身をやつし、江神部長以下三名、宝捜しパズルに挑むべく赴いた南海の孤島。バカンスに集う男女、わけありの三年前、連絡船の再来は五日後。第一夜は平穏裏に更けるが、折しも嵐の第二夜、漠とした不安感は唐突に痛ましい現実へと形を変える。晨星落々、青空に陽光が戻っても心は晴れない…。

感想・レビュー・書評

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  • 叫びたくなる一冊。

    舞台は夏の日差しと青春の眩しさに包まれた南の海の孤島。
    バカンス気分で謎解きへ。

    早速起きた滞在客二人が亡くなる事件。
    限られた犯人。
    次第に浮き彫りになる複雑な人間関係。
    不安感が増すけれど江神さんがいれば大丈夫という安心感が常にある。

    そして真相に迫る時間はこちらの辻褄が合えばあちらが合わない…まるでルービックキューブの世界。そしてついに全ての面が…!
    この綺麗にそろう過程がとにかく面白かった。

    そして美とともにせつなさを残すって最高。
    こういうミステリ、好きだ〜!と海へ向かって叫びたくなる読後感。

  • この名探偵の謎解きは、なんでこんなにヒリヒリと焼き付くように胸が痛くなるのだろう。
    彼はわかっている。
    誰が犯人だったとしてもみんなが傷つくことを。みんな傷つくことでしか事件の結末がないことを。それは「クローズド・サークル」ものの宿命なんだろうか。
    それでも探偵は答えを出さなくてはいけない。
    罪を犯したものはけっして罪から逃れることはできないから。だからこそ、謎を解き明かすことによって犯人とその周囲の人々は、彼らにしかわからない怒りや哀しみ、恐怖から救われることとなる。結果、探偵自身が苦悩に苛まれることとなっても、それが謎を解き明かす者に与えられた業なのだと探偵は粛々と受け入れるのだろう。
    探偵は犯人に言う。「あなたは自分が犯人であると絶対に悟られてはならなかった」「私が紙よりも薄っぺらな理屈を並べてみせるのを片っ端から否定し、笑い飛ばさなくてはならなかった」と。その意外な言葉に、犯人だけでなく私も探偵に落ちてしまった。
    名探偵、江神二郎。私にとって、彼こそが一番の魅惑的な謎である。

  • うっとりする論理的な本格推理小説。相変わらず江神部長が格好良い。アリスに推理を説明してる時のワクワク感はたまりません。

  • 大学の長い長い夏休みに仲間と南の島で宝捜し。
    これって新婚旅行で世界一周したり、ロケットで宇宙旅行に出かけるよりも魅力的だと思うのは私だけだろうか。
    しかも宝物は島に点在する25体のモアイ像のパズルを解かないと見つからない。
    モアイ像!?しかも木製!いやぁ、ワクワクする!!
    しかもしかも、江神部長が一緒なんだから、ダイヤモンドは手に入れたも同然ね☆
    モチさんと信長さんが不参加なのだけが残念‥。
    なんて、異常なテンションで読み始めて、さらに異様なテンションで読み終えた。

    異様なテンションになった理由は、もちろん宝捜しの結末と島で起きる事件の真相にドキドキしたからでもある。
    「お前には止められんかったな」と苦しそうに真相を話す江神さん。
    探偵役が推理を披露する場面としては異質かもしれない。
    静かで、罪を暴く人間も暴かれる人間も傷付き疲れ果てている。
    『月光ゲーム』も似た感覚があった。
    江神さんの話に耳を傾けて事件の真相の中に入っていくことに慣れたら、「犯人はあなただ」と指差す探偵役が軽薄に見えるようになるだろう。
    江神さんの語る真相しか信じられなくなるのではないかという気がする。

    学生アリスシリーズを読むのはまだ2冊目だけど、すっかり江神さんにハートを射抜かれてしまったみたい。
    そんな江神さんが私の今の異様なテンションの1番の理由。
    解説(改め“江神さんへのファンレター”)に江神さんの秘密が書かれていたのだ。
    解説で次作の話が出てくるなんて…。しかもものすごく気になる書き方…。
    これは『双頭の悪魔』を読まなくちゃ‥!
    この『孤島パズル』はなかなか見つけられなかったけれど、それより新しいのだから見つけ易いはず‥。たぶん。
    モアイ像もパズルも関係ないけど書店を回って宝捜し気分を味わうか、取り寄せてもらった方が早いか‥悩む。

  • 有栖川有栖の学生時代のシリーズ。
    孤島での連続殺人事件に、部長と挑む。
    後半の定番の読者への挑戦。またしても政界にたどり着けなかったが、楽しい。
    王道だと思う。

  • 森博嗣を漁り終わって、ミステリー欠乏した中で出会った一冊。読者への挑戦状のスタイルは、そこで一度本を閉じて、きっとこうじゃないかとあれこれ考えられて好き。当たっても外れても嬉しいし。面白く読んだ一冊。

  • 学生・有栖川有栖のシリーズ2作目。
    アリス、大学二度目の夏休みである。
    アリスは二回生になっていて、同じ学部で新しく推理小説研究会のメンバーとなった、有馬麻里亜に、彼女の伯父の別荘に招かれる。
    なぜか今年も四回生で在籍している、江神二郎も一緒だ。

    山の次は孤島。
    孤島に閉じ込められるのはミステリのお約束だが、好きな舞台。
    地図が載っているのが嬉しいし、間取り図と部屋割りが乗っているのがさらに嬉しい。
    複雑な人物関係なので家系図というか相関図も欲しかったところですが、なかったので自分で作成しました。

    詳しくは書けませんが、私、珍しく犯人の目星がついてしまった。
    凶器を隠せたのはあの人しかいない!

    とはいえ・・・
    財産があるというだけでも死後に遺族が揉めるのは分かりきっているのに、変な宝探しパズルなんか作った鉄之助氏は、超絶ふざけていると思いますよ?
    起きてしまったことに「if」を唱えても仕方ないですが・・・
    ラストはやはりやるせないですね。

  • マリアのパズル好きな祖父の遺した宝探しのため、江神部長とボク有栖川有栖と有馬マリアは嘉敷島へ渡る。そこでまっていた事件とは。

    孤島・別荘・いわくありげな客人たち。
    もうここで惨劇が起こることは決定的なので(だって本格推理小説ってそういうものだから!)すっごい構えて読んでるんですが、すいません、途中からまたしてもなぞ解きを放棄しました。(激白)
    細かくアリバイや物的証拠などをメモしてありえないコトをつぶして、論理的に探ろうとは思ったんですよ?
    でも、できなかった。なぜなら通勤電車で読んでいたから。
    これは秋の夜長にお布団の上で足をバタバタさせながら、じっくり読むべきものです。これからの方は是非そうしてください。季節もちょうどよいし。

    舞台装置は雰囲気満点、ロジックも見事でした。
    途中に「読者への挑戦状」だってあるんです!

    再読しようと思います。(決意が早い)

  • パズルが好きな自分にとってはとても面白い作品だった。微妙な青春っぽい感じもいい。

  • 宝探しからはじる連続殺人の犯人探し
    クローズド・サークルと全員にアリバイがない殺人
    いくつもの謎を用意することで謎解きの楽しみが増していく感じ
    物語が一作目より格段に自然かつ面白くなっている
    次は満を持して「双頭の悪魔」を読もう!

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著者プロフィール

1959年大阪生まれ。同志社大学法学部卒業。89年「月光ゲーム」でデビュー。「マレー鉄道の謎」で日本推理作家協会賞を受賞。「本格ミステリ作家クラブ」初代会長。著書に「暗い宿」「ジュリエットの悲鳴」「朱色の研究」「絶叫城殺人事件」など多数。

「2023年 『濱地健三郎の幽たる事件簿』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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