女王国の城 上 (創元推理文庫)

著者 :
  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (435ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488414054

感想・レビュー・書評

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  • これは……まだ何にもわからんっ!

    ちょっと遠出するかもしれん。そう言って姿を消したEMC部長の江神さん。部長を追って、アリスたち四人のメンバーは〈女王〉が統べる宗教団体〈人類協会〉の聖地、神倉へ。

    江神部長は何故神倉へ向かったのか。
    部長と再会を果たしたものの彼の答えは納得いくものではなく……また神倉では十一年前に迷宮入り事件が起きていた。さらには人類協会の総本部〈城〉において殺人事件が起きてしまう。
    外界との接触を阻まれ囚われの身となったメンバーたちは事件の真相究明に乗り出した。

    〈女王〉は姿を見せず、人類協会のメンバーは何かをひた隠しにしている。それだけでなく、神倉で知り合った人物たちも怪しい匂いがぷんぷんするのだ。とにかく皆の行動が引っ掛かり、誰もが容疑者に見えてくる。そんな状態で上巻が終わってしまうのだから、本当にもう何にもわからん!と叫ぶしかない。下巻への期待度はマックスに。

    あとは、そうだな。
    アリスがとても淋しがってる。
    マリアの江神部長と再会したときの喜びよう。
    モチさんの失恋……!
    モチさん信長さんの就活は大丈夫か。
    江神部長の未来は。
    とまあ、全く事件に関係のない諸々が気になった。
    何より、江神部長の『足許に落としていた視線をゆっくり上げた。首を振って、顔に掛かる長髪を払う。』こんな何気ない仕草に相変わらず、きゅんとさせられるわたしなのである。

  • 久々に学生アリスシリーズを…と思い読んだ。
    文章表現の違いとか、若さとか独特の空気感があって新鮮だった。
    内容としては上巻だからだろうけど、導入が長く感じる。短編集を読み慣れると結構体力を使う気がする。下巻を早く読みたくなる終わりだった。

  • 個人的に久しぶりの有栖川さん作品。いつものメンバーの軽快な(時には極端な推理が面白く、でもそこにもヒントがあるのかな?)掛け合いもあり、楽しめました。人称の違いや過去の事件など含めて、どれだけの伏線があったのか、推理しつつ早速下巻へ。

  • 学生アリスシリーズ4冊目。
    1冊目よりも2冊目、2冊目よりも3冊目、そして3冊目よりも4冊目が面白い!…のではないかと期待している。
    まだ上巻を読み終えたところだけれど、魅力的な謎が提示されて、下巻への引きも完璧。
    下巻を読むのが楽しみ。

    江神さんが神倉を訪れた理由は?
    11年前の密室殺人事件の真相は?
    宇宙人ペリパリは登場するのか?
    人類協会は何を隠しているのか?

    まぁ、宇宙人ペリパリは登場しないだろうと思うけれども、登場したらしたで面白いかもなぁ…とも思う。
    シリーズ2冊目の『孤島パズル』のモアイも良かったけど、UFOと謎の宇宙人というのもなかなかの小道具。
    おどろおどろしさがなくて良い。
    というよりかなり面白い。

    信仰の話を聞くとそれが新しい話であるほど、「どこまで本気で言っているんだろう?」と考えてしまいがちだ。
    いきなり「宇宙人ペリパリが再訪するのを待っている」なんて言われたら、笑っていいのか悪いのか真剣に悩んでしまうだろう。
    そして最終的には笑ってしまうだろう。まずいなぁ…。
    それを想像するとアリス達が置かれている状況の困難さが分かる。
    それでも火山よりはマシかな?
    無事に生還してほしい。
    もちろん江神さんと一緒に。

  • 事件を待ち構えながらの道中面白い!まず事件が起こる以前になぜ江神さんが神倉へ行ったのか、未解決事件、などなど本作の事件に関係あるか否、を勘ぐりながら読み進める。アリスのたまーに出るツッコミもかなりツボ。「おまえは、牛か」は声出して笑った。下巻も楽しみ!

  • 「学生アリス」シリーズの4作目。
    「双頭の悪魔」からおよそ15年ぶりに発表された物語である。

    完全なる密室の中での殺人は不可能である。
    某ドラマではないけれど「破れない密室はない」を地でいく展開になっている。
    心理的な作用によって密室は作られていく・・・。
    物語は広範囲に枝葉がのび、江神の過去や本筋以外の雑学にまで及んでいる。
    けれど、読みにくさはまったくない。
    この物語に関しては多くを語りたくはない。
    まずは読んで楽しんでほしい。
    スピード感もあり、閉ざされた世界で起きた事件は本格ミステリーとしても読みごたえのある物語だった。

  • 学生アリスと江神二郎のシリーズ、第4弾。
    厚い上下巻の、まず上巻。はっきり言ってまだ何も分かっていない。
    有栖、英都大学一回生の年には『月光ゲーム』
    二回生の年には、『孤島パズル』と、『双頭の悪魔』
    そして今回は、三回生になっている。
    四回生の望月と織田は就職活動中、在学八年目の江神も今年度限りで大学を去らなくてはいけない。
    最後の事件になるのだろうか。

    連休明けに、江神が旅に出たきり戻らない。
    ある新興宗教の総本山に入り込んだことが確認され、なんとか有栖たち四人も江神と合流できた。
    なんと、江神は卒論に新興宗教を取り上げようと言うのだ。
    そういえば、文学部哲学科だった。
    宗教は哲学に含まれるから、おかしな事ではないけれど・・・
    江神が「卒論」か〜
    う〜ん。
    卒論も嘘ではないと思うけれど、他にも何か思うところがあるのでは?
    お母さんのこととか?

    そしてお約束の殺人事件であるが、今回は誰が殺されるか全く分からなかった。
    しかし、下巻ではもしかしたら、あの人が殺されているんじゃないかと思う。
    とにかく面白くてぐいぐい読める。

  • 江神さんが、宗教都市神倉に消えた。正確には「ちょっと遠くにいってくるかもしれん」と残して消える。彼のアパートで見つけた事実をつなげて神倉へとレンタカーを走らせるアリス、マリア、そして二人の先輩。先輩二人は就活を休んでの参戦だった。宇宙人に救いを求める宗教に江神さんがはまったわけではないかと心配していた彼らは、紆余曲折の末江神さんと再会を果たすが、人類協会の総本部“城”の中で殺人事件が起こる。すぐに警察を呼ぶように説得するミステリ研の面々だったが、協会の人間たちは城を封鎖して自分たちの手で犯人を探し出すと言い出す。軟禁状態に陥ったアリスたちは犯人を突き止めることができるのか、、、

  • 事件が起こるまでが長い。
    それでも全然面白く読めた。一緒にレンタカーに乗って旅に出てるような感じでワクワクしながら読んでた。

    相変わらず登場人物が多くて覚えるのが大変だった。

    アリスの本心がちょっと覗けて更に好きになった。

  • 学生アリスシリーズ4

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著者プロフィール

1959年大阪生まれ。同志社大学法学部卒業。89年「月光ゲーム」でデビュー。「マレー鉄道の謎」で日本推理作家協会賞を受賞。「本格ミステリ作家クラブ」初代会長。著書に「暗い宿」「ジュリエットの悲鳴」「朱色の研究」「絶叫城殺人事件」など多数。

「2023年 『濱地健三郎の幽たる事件簿』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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