有栖川有栖の密室大図鑑 (創元推理文庫)

  • 東京創元社
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本棚登録 : 225
レビュー : 10
  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488414085

作品紹介・あらすじ

本格ミステリの魅力的な要素のひとつ、密室トリック。犯行状況を思い浮かべたり、作品に挿入されている図版に心躍らせたりする読者の方も多いはず。本書は、1892年~1998年に発表された国内外の名短編、名長編、中でも魅惑的な密室が登場する作品を有栖川有栖がセレクトし、磯田和一の詳細なイラストとともに贈るブックガイドである。発表順に “世界最初の長編密室ミステリ”といわれるイズレイル・ザングウィル『ビッグ・ボウの殺人』をはじめ全41作を紹介。密室ファン必携の書。

感想・レビュー・書評

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  • 密室。その言葉を聞くだけで、その字面を見るだけで、心が躍るミステリファンは多いだろう。かくいう私もその一人。

    本書は有栖川有栖先生が、イラストレーターの磯田和一さんとタッグを組んで、古今東西の密室の名作をセレクトし、イラストを添えて解説したもの。
    密室が苦手という友人から、その間取り等が頭に浮かびにくいと言われたことがある。しかし、本書なら、磯田さんの情感あふれるイラストで、密室の雰囲気をたっぷりと味わうことができる。

    各イラストには、磯田さんの感想が書き込まれているが、有栖川先生の解説と同じくらい、このコメントが面白い。有栖川先生がベタ褒めする作品を磯田さんはお気に召さないケースもチラホラあり、ニヤニヤしてしまう。

    本書はミステリのガイドブックとしても活用できる。20年前、まだ学生だった私は、現代書林版の本書を片手に神保町を渉猟して歩いた。読み返すと、まだ意外に読んでいない作品が多い。また本書から読書の幅を広げようか。ちなみにこの手元の創元推理文庫版には、有栖川先生の直筆サインが入っているのが自慢である。

  • デビュー30周年記念復刊!

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    「密室」、それは本格ミステリにおける魅力の一つ。1892年から1998年に発表された密室が登場する名短編、名長編より有栖川有栖がセレクトし、磯田和一の詳細なイラストを添えて贈る。世界初の長編密室ミステリとされるイズレイル・ザングウィル『ビッグ・ボウの殺人』をはじめ、名探偵・金田一耕助の初登場作品である、横溝正史『本陣殺人事件』など、絵になる密室41作をどうぞ。著者あとがき=有栖川有栖/解説=松浦正人
    http://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488414085

  • 買ったままでまだ読んでいない本がたくさんあるのに、また読みたい本が山のように増えてしまいました…。
    そこそこのミステリーを読んだつもりではいましたが、まだまだ読んでいない本がたくさんあると改めて…。

  • 【一言で評価】
     ブックガイドとして面白そうに紹介し過ぎ。紹介された本を読んだときに,期待していたほどではなくて,ちょっとがっかりしてしまうのが難点だろう。

    【感想】
     海外ミステリ20編と国内ミステリ20編の密室トリックを図入りで紹介するブックガイド。選ばれている作品は,古典と言われるもの中心で,それほど目新しさはない。ネタバレなしで,読みたくなるような紹介をしているのは,さすが有栖川有栖と思う。密室の図解は,それほど面白みを感じなかった。
     紹介されている作品の中から、「十三号独房の問題」が非常に面白そうに感じたので,「世界推理短編傑作集」を読み始めることになった。こういう読書のきっかけになったのは嬉しいところ。実際に読んでみたところ,面白かったが,この本で紹介されたときに期待していたほどではなかった。かなり偶然に頼った物理トリックだったので,やや興ざめてしまったほど。それを上手く,嘘にならないように紹介されていると思う。
     そのほかにも紹介されている海外ミステリから,「妖魔の森の殺人」と「密室の教者」を「世界推理短編傑作集」の1作品として読んだ。本書で紹介されている海外ミステリの中で読んだことがあったのは,「犬のお告げ」,「はだかの太陽」,「ジェミニー・クリケット事件」,「見えないグリーン」の4作品。そうすると7作品は読んだことがあるが,13作品は読んでいない作品ということになる。読んでみたいと思う作品もあるのだが,「十三号独房の問題」,「妖魔の森の殺人」など,面白かったものの,期待が高すぎて,期待ほどではなかったので,二の足を踏んでいる状態である。
     国内作品で読んだことがあるのは「名探偵が多すぎる」,「ホロボの神」,「ローウェル城の密室」,「全てがFになる」の4編。国内ミステリも国外ミステリも古典と呼ばれるものをあまり読んでいない。この本をきっかけにして読んでいきたいところ。とはいえ,「アガサ・クリスティ―完全攻略」を読んだときは,アガサクリスティーの作品を読んでいきたいと思ったが,その後さっぱり読んでいないので…。今回もあまり読まないかもしれない。
     ブックガイドとしては十二分に面白く,まだまだ読まなければならない作品が多いと実感したが,ブックガイドとして面白過ぎて,紹介されている作品を読んだときにちょっとがっかりしてしまうのが欠点といえば欠点。贅沢な悩みではあるが。

  • 有栖川有栖氏が古今東西の密室トリックを扱ったミステリについて解説する良質なミステリのブックガイドとなっているが、「図鑑」となっているとおり、イラストレーターの磯田和一氏の力によるところが大きい。

    なかなか文章を読んだだけでは密室の状況が想像しづらい作品もある中で、磯田氏が作品を読んで想像の翼を目いっぱい広げて描いた密室現場のイラストが秀逸で、これなくしては本書を語れないだろう。

    本書で紹介されている未読の作品群は読みたいと思うが、特に著者が口頭でトリックのネタを聞いた時に「あっ」と声を発したという小森健太朗氏の『ローウェル城の密室』はぜひ読んでみたくなった。どうやら今は絶版のようだが・・・。

    それにしても、密室ものの作品を数多く書いている有栖川氏が、ミステリにおいて密室の存在の必然性は必ずしも感じられないというような発言をしているのには苦笑してしまった。

  • 単行本が出たときに買ったのに、いつの間にかなくしていたこの本、新装版がでたようなので再読。
    ミステリ好き、なかでも密室好きには堪らない、古今東西の密室ものの秀作をピックアップし、図解したこの図鑑の魅力は、読んだことのない魅力ある作品に出会えること、図解を見ながら密室トリックへの妄想を膨らませられること。
    そして、付箋をいっぱい貼って、読みたい作品が増えていく悦び。あ~人生の残り時間が足りない。

  • 有栖川有栖による古今東西密室のガイドブック(図解付)…となればミステリファン必携、と謳いたくなるのは確かにだけれど、ミステリファンということばもこの30年で様変わりしたんだろうなぁ、なんて感想は収録作品の3分の1くらいしか読んで居ない自分への慰めかしらん。
    この手のガイドブック的エッセイ(?)はとても有難いのだけれど読みながらどんどんAmazonでポチって行ってしまうのが困ったものです。
    引用は面目躍如の『すべてがFになる』の項より。

  • ◆◆ ベッドでミステリー ◆◆ 第五十六回

    30年前の本ですが、もともと古い本を扱ってるので、ほとんど古びてません。
    密室をテーマにした、ミステリーブックガイドです。
    こういうやりかたもいいなぁ。
    密室なんで、部屋のイラストがついてるのが素敵。
    たいていのミステリーは読んでるつもりだったけど、案外読み落としてる(たいてい理由は、東京創元推理文庫に入ってなかったから、なんだけど)のがあって、しばらくは読める本ができました。
    まあ、図書館にしかないのが大半ですが……。
    安定した物語……が読みたい向きにはお勧めです。
    あと司書なら「モルグ街の殺人」くらいは読んどいたほうがいいぞ。

    2019年04月09日

  • 復刊。
    『密室』をテーマにしたブックガイドで、古今東西の名作が紹介されている。ネタバレを避けるため、クリティカルな部分はボカされているが、それが余計に興味をそそるw
    熱心なミステリファンなら既読作品の方が多そうではあるラインナップだが、それで本書を読む楽しみが減るとも思えないのは、ミステリ愛故だろう。

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著者プロフィール

有栖川 有栖(ありすがわ・ありす)
1959年大阪府生まれ。同志社大学法学部卒業。’89年『月光ゲーム』でデビュー。’03年『マレー鉄道の謎』で第56回日本推理作家協会賞、’08年『女王国の城』で第8回本格ミステリ大賞、’18年「火村英生シリーズ」で第3回吉川英治文庫賞を受賞。本格ミステリ作家クラブ初代会長。近著に『カナダ金貨の謎』、『こうして誰もいなくなった』など。

「2020年 『インド倶楽部の謎』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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