キッド・ピストルズの冒涜―パンク=マザーグースの事件簿 (創元推理文庫)

著者 :
  • 東京創元社
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本棚登録 : 247
感想 : 29
  • Amazon.co.jp ・本 (370ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488416027

感想・レビュー・書評

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  • 忘れているかな、と思ったがちゃんと覚えていた。ただ、記憶している以上に逆説が多かったな。『曲がった犯罪』が大傑作というのは間違いないが、他三作もちゃんと面白い。特に『パンキー・レゲエ殺人』はメインよりもサブの部分の作り込みが面白かったり。また『カバは忘れない』はアーキタイプとして綺麗かも。
    以下詳細。
    『「むしゃむしゃ、ごくごく」殺人事件』
    天岩戸のような話。出入り出来るからこそ、出入り出来る人間はこのような殺人を犯さない、というロジックが綺麗。実際のロジックとして有用かはさだかではないが、被害者の状態を考慮すればたしかに筋は通る。「ダイエットをする」ことを「常に健康管理をしている人間に言えない」という心理の綾も綺麗。
    『カバは忘れない』
    ダイイング・メッセージ論はさておき、「本当に殺したかったのはカバの方だった」という真相は綺麗。ただ、引っかかったのはあまりにわかりやすすぎる犯人が少々気になるところ。「通常の犯人なら銀行強盗に見せかける」という気づきもやや強引かも。それより「殺人より重要な何か」という状況は綺麗。
    『曲がった犯罪』
    先ず芸術家を芸術論で巨匠にさせようという犯人のロジックは綺麗。また「先程まで使えた自動販売機」が「曲がったコイン」によって使えなくなるという物証の出し方、「水が使えなかった」ため「殺害時刻」と「石膏で埋めた」日付が異なるという論理も「殺害現場」を誤認させるために「曲がった猫を殺さざるを得なかった」という全てが収斂していく傑作。最後のキッドの言葉に感動すら覚える。
    『パンキー・レゲエ殺人』
    利き手がギターの弦の張り方が違うことから流れていくのは利き手問題にしてはスマート。(サウスポーが全部サウスポーかという点に触れなければ)髪を切った理由が神のエネルギーを失わせる為、という理由が見事。また、髪の中に麻薬を入れるというのも綺麗。見立て殺人のパターンとして、順番の入れ替えと豪華なのだが、どうしても不可能犯罪になってしまうと状況が限られてしまうのが難点か。
    『なぜ駒鳥を殺したのか?』
    ボーナストラック

  • 海外ミステリー小説を読み込んている読者にとってはたまらないプレゼントですね。特に、「曲がった犯罪」の完成度が素晴らしく、クイーンやチェスタトンのファンなら納得のいく1冊でしょう。

  • この著者の作品はアンソロ以外では初めて。キッド・ピストルズシリーズ第一弾。舞台はパラレルワールドの英国で探偵役はパンク刑事、などというあらすじを読んだ時はどんなゲテモノな内容なのかと戦々恐々としながら読み始めたわけだが、その中身はあのマザーグースをモチーフとした四篇が収められている、トリックとロジックに満ち溢れた正統派な本格ミステリ!パンク刑事キッド・ピストルズがその灰色の脳細胞でもって事件の真相を暴いていくわけだが、その思考はまさしく本物の名探偵。うーむ、今まで食わず嫌いをしていたがこのシリーズ他のも面白そうだぞ。というわけで私はこのシリーズを追いかけていく事を決めた。

  • 5/6 読了。

  • パラレルワールドの英国、パンク族の探偵、マザーグース、殺人事件。
    これが日本人の作品か!?と疑うくらい。
    短編なのですが、どれも面白い!

  • 短編集です。
    パラレルワールドで起こる殺人事件ですが
    事件自体は非現実的ではないのが山口さんらしいですね。

    ただ『生ける屍の死』のインパクトがあまりにも大きく、
    どうも本作はパンチが足りない気がします。
    ただ本作の後に長編もあるようなので
    続けて読んでみたいと思います。

  • パラレルワールドなイギリスで起こる事件を、パンクだけと刑事なキッド・ピストルズがパンクに解決…するわけではなく、パンクなのに博識で常識人、ちょっと斜に構えてるくらいでちゃんと推理して事件を解決。マザー・グースを基にしたミステリー短編集。カバさんの話が面白かったです。

  • マザーグースを知らない若者が多い。それが遺憾に思う。ハンプティ・ダンプティはもう戻らない。

  • マザーグースを題材にしたミステリー短編集
    僕が知ってるのはクックロビン音頭だけ

  • マザーグース見立てものの連作。いわゆるパズラーで、物理的トリックは見られない。「曲がった犯罪」がベスト。

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