- Amazon.co.jp ・本 (460ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488417116
感想・レビュー・書評
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電力需要がピークに達する真夏の東京。 東都電力の鉄塔保守要員の殺害、鉄塔爆破と倒壊による電力の供給停止、未曾有の大停電の中で連続する凶悪犯罪・・・。大震災、テロ行為による電力喪失、パニック、騒乱、犯罪の連鎖など、時間の経過とともに現実に起こりうる暗闇の悪夢を想定し、深刻な局面に敢然と立ち向かう<名もなき人々>と、謂われなき犯罪の犠牲者と残されし者の遺恨の深さを描いた、クライムサスペンス巨編。 ・・・主犯格の犯罪者心理は、今夏の元首相銃撃事件に通じるものを感じ、この世の悪の深淵を覗き見た気がする。
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20210527 読了
途中で、…え?と思ってしまい、
ザックリ斜め読みしましたが、一応~最後まで読みました。^^;
1995年 1.17の阪神淡路大震災 を経て
2011年 3.11の東日本大震災の前に出版された文庫本。
首都圏大停電のわりに自家発電下?でストーリーが
進んでいく感じがした(速読し過ぎたかな?私w)
近々来る?であろう日本の大停電に対して、参考に
なる箇所はあまりないに等しい。
大停電させた側の男性たちの心理がやや浅い気もした。
個人的にクライシス系は、高橋哲夫氏や石黒耀氏の作品
が押し。 -
パニックアクション映画を観ているような感覚になりました。
何者かの手により首都圏が停電になる。
当たり前のように使えた電気が使えない。
人々はどのような行動をし、どのような心理状態になるのか。
様々な人達の思いが交差し最後を迎えます。
私は感動しました。 -
8月24日午後4時、東都電力熊谷支社の鉄塔保守要員一名殺害。午後7時、信濃幹線の鉄塔爆破。午後9時、東北連系線の鉄塔にヘリが衝突、倒壊。さらに鹿島火力発電所・新佐原間の鉄塔倒壊―しかしこれは、真夏の東京が遭遇した悪夢の、まだ序章に過ぎなかった!暗躍する犯人たち、そして深刻なトラブルに必死に立ち向かう市井の人々の姿を鮮やかに描破した著者渾身の雄編。
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東京を狙った電力テロにより、真夏の首都が危機に陥る。
大都市が孕む矛盾やそれを支えるべく犠牲となってきたものを眼前に突きつけるように、主犯と実行犯それぞれが抱える怒りと恨みと綯い交ぜになって大事件へ発展していく。
強いて言えば、犯人グループにもう少し焦点を当てて動機を掘り下げて欲しかった。 -
まず、本書が上梓されてのが2008年、この年に東京というメガシティが電力というライフラインを絶たれ機能不全に陥ることを誰が想像しただろうか。勿論、地震による大規模な災害の一環としてあり得ることは頭の中では理解しているものの電気がない社会をイマジンしてリアリティを持って書かれているものを電気を潤沢に使えることが普通の社会で生活している我々に肌感覚で理解することができるのだろうか。作者はそう感じたに相違ない。2006年に起こった重機による送電線の切断で創作のヒントとなることはあったとしてもそれを首都全体に拡大するのは電力ネットワークに関する広範な知識がないと書けないのではなかろか。作者のイマジネーションから生み出された電力不足は、2011年の東日本大震災に端を発した原子力発電所ほ全面ストップにより長期にわたり現実のものとなった。輪番で電力供給が止まる事態も我々は実体を伴った経験として知っている。社会インフラとはあって当たり前と思っている裏側に怖さがあることをほんは伝えてくれている。
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人がどんな奢り高ぶって逆立ちしてもできないことを自然は簡単に見せてくれる。
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東京でテロによる停電が起きればこうなるかもしれない…というリアルさがある。実際に電気が止まってしまえば思っているよりはるかに大変なんだろうと思うと、もう少し防災に気を付けようという気になってきた。トイレさえ使えなくなるとは…
しかし、犯人側のテロの動機はどれも承服しがたいかも。最後周防がほだされているが、犯人のせいで直接殺した相手だけでなく、病院やら交通事故やらでどれだけの人が死んだのかわからないのに、と思ってしまった。ほぼ間違いなく死刑だろうと思うが、義弟はそのあとどうなるんだとか思うとなんともやりきれない。