しゃべくり探偵―ボケ・ホームズとツッコミ・ワトソンの冒険 (創元推理文庫)

著者 :
  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488418014

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  • <blockquote>守屋ゼミ御一行に名を連ねるべく破格のアルバイト《犬の散歩、日当弐萬円也》で旅費を稼いだ和戸君、晴れて機上の人となり、やってきました霧の都ロンドン。観光と現地での受講、実り豊かな外遊になるかと思いきや、高価な洋書の紛失で仲間割れ、お別れパーティで殺人事件、等々トラブルつづき。在邦の友人保住君の推理に助けられ、ようよう帰朝したはいいが「分身が現れた。僕はもうすぐ死ぬんだ」と泣き出す後輩のおまけつき。ここに至って「友(モナミ)よ。行くべき場所は一つ」と場所を指定した保住君、みなを集めてさてと言う。事の起こりから解き明かされる、聞いてびっくりの真相とは?</blockquote>

    A:「昨日な、『しゃべくり探偵』っていう本を読んだんよ」<br>
    Z:「ほー、なんや自分、本読めたんか」
    <br>A:「当たり前やろ、おれかて本くらい読めるわ」
    <br>Z:「ま、確かに全部ひらがなやったらお前でも大丈夫やろな」
    A:「あほか。漢字があっても本くらい読めるわ」
    <br>Z:「で、漢字の少ない、ふりがな付のその本はどうやったん?」
    <br>A:「漢字も普通にあるし、ふりがななんかひとつもついとらんかったけどまあええわ。この本はミステリぃなんやけど、ちょっと珍しいのがな、ほとんど全部のストーリぃが会話で進んどるんよ」
    <br>Z:「そら確かにめずらしいな。お前が本を読むってこと自体が鬼のように珍しいゆうのに、更に珍しい本に当たるなんてびっくりや。リャンメンチーでも起こりそうや」
    <br>A:「誰が麻雀の話をしとるんや。それを言うなら『天変地異』やろ。ぜんぜんちゃうやないか」
    <br>Z:「で、どうや。その本おもろかったんか。そもそも内容は理解できたんか」
    <br>A:「面白かったで。探偵役がボケで、ワトソン役がツッコミっちゅう形でずっと会話が進むんやけど、会話のテンポが良くて楽しいし、その会話の中にちりばめられた謎もようできとったで」
    <br>Z:「なるほどな、会話形式でわかりやすいから、内容も全く理解でけへんかったけど、なんとなく楽しかったっちゅうわけやな」
    <br>A:「どこをどう聞いたらそうなるんや。内容も謎解きも理解して楽しんだんじゃボケ。ただな、会話中にヒントはたくさんあったんやけど、自分じゃ謎解きでけへんかったわー。それが残念やわ」
    <br>Z:「そりゃお前にゃ無理や。お前の頭と性格やったらしゃあない。ラベルが低すぎやからな。ま、その辺俺やったら、本の目次見ただけでほとんどの謎はわかってまうけどな」
    <br>A:「今その本もってんのやけど、目次みせたろか」
    <br>Z:「今かー。今は俺の体調と星の位置がようないから遠慮しとくわ。死兆星も見えるし。あーもう死ぬ」
    <br>A:「死兆星見えたらあかんやろ。体調どうこうの問題やないっちゅうに。そもそも死兆星なんてあるかボケ」
    <br>Z:「でも、あれやであれ。ほらあれ見てみい。あの星に『死兆星』ってマジックで書いてあるで」
    <br>A:「なんで肉眼で見えんねん。なんでマジックやねん」
    <br>Z:「それが見えてしまうところがまさに『マジック』やがな」<br>
    A:「……もうええわ」


    <hr>


    A:「………あのな、本の説明がほとんどないけどええんか? そもそも終わらせ方がいくらなんでも強引過ぎじゃないか?」<br>
    Z:「まあ、ええやろ。こんなような会話で進んでいくミステリってことがわかってくれたら。終わらせ方の問題は、ここの管理人のレベルの低さが問題だからさらにしゃあない。スマートな終わりなんて期待したらかわいそうや」
    <br>A:「そうかもな。でもストーリぃについては一応補足しとくわ。これは漫才っぽい会話がメインでストーリーの続く短編集で、大学生のゼミ旅行にまつわる四つの事件を扱ってるんや」<br>
    Z:「そうやね」
    <br>A:「一つ目の話は『番犬騒動』。犬の散歩するだけの高額バイトの謎を探る話や」
    <br>Z:「全部会話で進むんやね」<br>
    A:「二つ目は『洋書騒動』。ゼミの旅行中になくなった高価な本の話や」
    <br>Z:「これは手紙とFAXのやり取りで話が進むやつやったな」
    <br>A:「三つ目は『煙草騒動』。ゼミ旅行中に殺人の容疑をかけられた高田ってやつを助ける話や」
    <br>Z:「高田はアホなやつやな。この話は電話での会話のみで進むで」
    <br>A:「四つ目、ラストは『分身騒動』。なんか知らんがおんなじやつがたくさん出てきて大さわぎっちゅう話や」
    <br>Z:「これは、ちょっとトリッキーな話やな。ちょっと現実味が乏しい気もするけどな」
    <br>A:「まあ、ええやろ、このくらい。それにしても、文章で漫才っぽいボケとツッコミをやるのって、結構難しいと思うんやけど、この本は会話もなかなかに上手いし、楽しく読めるな」
    <br>Z:「そうやね」
    <br>A:「時々ハズしてるギャグもあるけど、まあそれはご愛嬌やな」
    <br>Z:「そうやね」
    <br>A:「同じシリーズが他にも出てるみたいやから、それも読みたい思わんか?」
    <br>Z:「そうやね」

    <br><br>
    A:「……おまえ、もうやる気ないやろ。ぜんぜんボケてへんし」
    <br>Z:「そうやn……いやいや、そんなことあらへんって。鬼のようにやる気あるでー。もしくは山のようにやる気あるでー。さらには俺の所持金の多さ並にやる気あるでー」
    <br>A:「やっぱりやる気ないやないか」
    <br>Z:「なんで俺が金持ってない事知っとるんや」
    <br>A:「そりゃ、お前の身なりを見たら大体わかるっちゅうねん」<br>
    Z:「俺の身なりの何処が子供10人大家族並に貧乏っぽいっちゅうのや。上下左右ブランドもんで固めてんのやぞ」
    <br>A:「典型的な核家族が何いうとるんや。だいたい左右って何や左右って。そもそもお前のブランドもんって全部パチモンやろが」
    <br>Z:「………よく俺の服が全部パチモンってわかったな」

    <br><br><br>
    A:「いや、だって、服にマジックで『パチモン』て書いてあるし……」<br>


    <hr>

    <a href="http://blogs.dion.ne.jp/zzz/archives/1035178.html" >※その他の本の紹介・感想まとめはこちら</a>

  • 馬鹿馬鹿しい会話。からのw 馬鹿馬鹿しさって言っても裏にあるのは豊富な言語の知識ですしねww そこにくぎ付けです!

  •  保住くんと和戸くんの漫才みたいな会話だけで話が進む、ていうのが、私にはめっちゃ斬新だった。
     ホームズを意識してるのは、キャラの名前だけかな。
     まぁ、保住くんの推理力もだけど。
     最初はただのアホキャラかと思ったら、段々真面目な印象も出て来た感じ。

  • 第一作目は読んでてほんと苦痛だった。何度か投げ出そうかと思ったくらい。あと結末もひどい。
    ああいう作りって文章じゃ難しいよね。たぶん、上手な漫才師が同じことしゃべるとかなり面白いと思うんだけど。

    第二作目以降はようやく面白くなってきた。
    全体としてかなり無理がある論理というか設定というかなんだけど、それもまたよし。

  • 短編の連作。まあまあ面白いけど、ボケとツッコミが少々くどいかなぁ

  • シャーロックホームズのパロディ仕立て。関西弁なのはめずらしい。大学の夏休みに起こった事件をワトソン役のツッコミ和戸くんが報告し、ホームズ役のボケ保住くんが推理する。軽い調子でコテコテダジャレを連発するので関東人には馴染まないが、本格推理の全盛期の作品らしく、謎を解くには伏線となる一字一句も見落とせないんで、つきあわんとしゃーない。ミステリとしての完成度は高いんだけどね。ほなさいなら~。

  •  登場人物の名前がホームズものに由来していて、地の文がなく会話や手紙やファックスで展開していきます。
     4つの短編が収めれれていますが、時系列的につながっていて、第一話にその後の話の伏線が張られています。
     解説で
    「最後には一本に収斂されるといった多重構成で、こんな凝った造りの作品がどこにあるものか!?」
    と書かれています。

     
     ところで、探偵役のフルネームは 保住純一。相方は 和戸晋平。
     第二章にしか記述がなかったと思うので、メモしておきます。


    保住の安楽椅子探偵ぶりはすごいもので、超能力者並みです。
     私も普段の生活で、こんな能力を持っていれば、ちょっとした名探偵を気取れて楽しい日常を送れそうだと思ったり。
    (でも、最後の章だけは何となく想像がつきました。)


     本書が名作であることは疑いないことなのですが、少し納得できないトリックについて疑問に思うことをツッコんでおきます。
     以下、ブログにて。

     少年少女・ネタバレsalono(ネタバレ注意!)
      しゃべくり探偵 黒崎緑 第2話トリックの検討
       https://sfklubo.blog.jp/archives/12884335.html

  • 会話もしくは手紙のやり取りだけで話が進み、地の文が一切ない変わった小説。
    全編関西弁で書かれているけど、読んでてこんなに疲れるとは思わなかった。
    コテコテの関西弁で、頻繁にボケたり脇道に逸れたりで話がなかなか本筋に入らず苛々してしまう。
    探偵は話を聞いただけで完璧に推理してしまい、最早超能力の域。

  • 関西人ですが、どうも文体馴染めなかった。書簡やりとりはまだ読めたけど、他は苦痛。謎自体はわりとまともだったのだが。しょうもないダジャレはほんと不要。ラストの総括、かなり蛇足感あり。推測というより妄想の域でぐだぐだ引っ張っていかれるのがつらかった。

  • 保住くんと和戸くんの掛け合いがツボ

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