占い師はお昼寝中 (創元推理文庫)

著者 :
  • 東京創元社
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本棚登録 : 348
レビュー : 51
  • Amazon.co.jp ・本 (341ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488421021

感想・レビュー・書評

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  • 霊感占い所を開業している占い師と、助手を務めるその姪が、依頼人が持ち込む不可思議な出来事を解明する、安楽椅子探偵ものの連作短編集です。

    掴み所がなくとぼけた味わいがある、探偵役のキャラクターがしっかり作られているし、シリーズ化してもきっと面白いと思います。
    なのに発表されたのは、今のところこの一冊のみ。
    もったいないですよね。

    舞台が霊感占い所なだけに、ポルターガイストやドッペルゲンガー等、一見、怪奇色濃厚な依頼ばかりですが、怖さはそれほどではありません。
    程よく効かせたユーモアと、探偵役のキャラクターのせいか、どこかほのぼのとした雰囲気を感じました。

    以前に読んだ、猫丸先輩もそうですが、倉知さんが描く探偵役のキャラクターは、不思議な魅力があり印象に残りますね。

  • 本当に動かない。

  • 面白かったです。倉知淳さんは初めて読みました。
    軽く読めるミステリでした。
    叔父さんは安楽椅子探偵が過ぎると思いましたが、話聞いただけで謎を解く安楽椅子探偵はやはりすごいな。。
    持ち込まれるお悩みがオカルトチックなもので、そこも好きでした。
    シリーズに出来そうなのに、この1冊だけのようです。さびしい。

  • この作者さんの猫丸先輩が好きで、読んでみました。基本、猫丸先輩と同じスタンスで、日常の謎を解いていくパターンです。 でもちょっと強引なとこもありf^_^;キャラにイマイチ感情移入出来ませんでした。決してつまらないわけではありません。 脳内再生では、辰寅おじさんは堺雅人、美衣子は堀北真希でした☆

  • 主役は女子大生の美衣子。大学進学のために上京し、叔父の占い屋のバイトをします。占い師の叔父・辰寅は霊感占い師を名乗りつつ占いの効力をまるで信じておらず、インチキと分かってやってるうえに、基本的に怠け者。
    この怠け者の描写が本当にうまい。
    「やまいだれつきのぐうたら」とか。
    しかし何故か占い屋はそこそこ繁盛。店にやってくる客が持ち込んだ謎を持ち前の心眼で見抜いてしまう。

    割と字が細かくて改行が少なく、それで340ページくらいあるんですけど、美衣子の語り口調で書いてあるので楽しく読めます。

    ・三度狐
    エリートサラリーマンが客。会社では出世もしているし家族にも恵まれ、マイホームも購入し、順風満帆に過ごしていたが、最近持ち物が次々となくなったりする。とうとう家の中でもそれが起こるようになり、相談にやってきた。叔父は「三度狐」のせいだといい、縁の下を探せという。しかして、失せ物はそこから出てきた。
    実は家の中で物がなくなったのは相談者の娘のせい。父親が接待ゴルフに出かけてばかりなので、道具を隠せば行けなくなり、遊んでくれるだろうと思ってのこと。

    ・水溶霊
    ヒモみたいな旦那のいる女性が相談者。
    ある日帰ってみると、家の中が荒らされていた。旦那は知らないという。
    しかし実は妻の留守中に旦那が浮気相手を引っ張り上げていて、その女性の化粧品の匂いなどを誤魔化すために部屋をあらしていたというオチ。

    ・写りたがりの幽霊
    相談者は男子学生。学生同士で撮った写真に霊が映っているという。
    勿論イタズラ。
    しかしそのイタズラを仕掛けられた方が全くこたえていなくて苦笑い。

    ・ゆきだるまロンド
    自分のドッペルゲンガーがいるのではないかと相談に来た中年の女性。
    いった覚えのない宝石店から「忘れものです」と電話がかかって来たり、会った覚えがないのに町会長のところへ出向いて町内会旅行をキャンセルしたという。
    しかし実は家族が銀婚式のサプライズを用意していて、まわりが合わせていたという話。

    ・占い師は外出中
    出不精の叔父が珍しく出かけて行ったところへ運悪く壮年の男性ふたりが相談にやってくる。行きがかり的に美衣子が初めて相談を聞くことになってしまう。
    二人連れの男性のうち片方の家で、幽霊が出るという。美衣子は二人連れの話に嘘があり、遺産相続絡みのでっち上げだと見抜いて対応する。
    しかし叔父の帰宅後、その対応は少しばかり間違っていたと分かる。
    男性たちは遺産絡みでもなんでもなくて、ただひまつぶしに占い師をからかいに来ただけだった。

    ・壁抜け大入道
    小学生の男の子が、貯金箱を抱えて相談に来る。
    父親が勤めている会社で金が盗まれ、父親が疑われているらしい。
    男の子は事件当時、件の会社で一つ目の大入道を見たという。その大入道が壁をすり抜けて会社に入ったので、犯人はそれだと主張している。
    叔父はこの男の子の依頼を断ってしまう。それで美衣子と喧嘩になる。
    叔父は真実が見えてしまう力をあまり使いたくはない。真実は時につらい現実を見せるから。
    美衣子はそれが分かっていたが、男の子を助けたいという気持ちとせめぎ合い、悩む。
    結局美衣子一人で調査を始めるが、そこへ叔父も合流。無事仲直りして、真実を突き止める。

  • これから、失礼なことを書きますが(^ ^;

    一読後の正直な感想は、
    「なるほど、これが天野頌子さんの『陰陽屋』シリーズの
     『元ネタ』なのだな」と(^ ^;

    いや、本当のところは分かりませんが、それほど
     ・ぐうたらでインチキな占い師
     ・真面目で「巻き込まれ型」の助手
     ・するどい観察眼で事件は解決する
    という基本設定が全く同じで(^ ^;

    こちらの方が...って同じ土俵で比べるのも何ですが、
    妖狐などは出てこないので「ファンタジー色」はなく、
    登場人物も大人が中心で問題も生臭い(^ ^;

    からりとした文体は読みやすく、
    そこここに散りばめられたギャグのセンスも良い(^ ^
    言葉選びのセンスが私の趣味に合うというか(^ ^

    基本形がミステリなので、細かくは書けませんが、
    気楽に読めて、深読みすると示唆に富んでいて、
    ナイスな衝動買いでした(^ ^

  • インチキぐうたら占い師が客の悩みから推理を働かせ、悩みを解決させる助言を行う。

    ミステリーとはいえ殺人みたいな血なまぐさい話はなく、どちらかというと緩い雰囲気で進む話。
    基本的に主人公が自室で推理する安楽椅子的な話なので動きは少なく、姪の女の子がいいアクセント。

    本格ミステリー好きには物足りないだろうが、気軽に読むにはいい話。
    ちょっと主人公の推理力がエスパーレベルな気もするけど…

  • インチキ占い師が依頼人の奇妙な事件を解決していく短編集。

    妄想や想像で推理が行われるが、かえって新鮮に感じる。

    幽霊騒ぎなどが中心で嫌な事件はなく、読み終わると優しい気分になる。
    推理ものが苦手でも読みやすいと思う。

  • 渋谷のおんぼろビルにある「霊感占い所」には、今日も怪異な現象に悩むお客さんがやって来る。彼らの相談に応えて占い師の口から飛び出すのは、三度狐に水溶霊と、珍奇な妖怪の名前ばかり。それらは全部インチキだが、しかし彼の「ご託宣」はいつも見事に介意の裏に隠された真実を突く。霊感はないが推理は鋭い辰寅叔父の、昼寝と謎解きの日常を描いた心優しき安楽椅子探偵連作集。

  • 占い師に持ち込まれる事件を、心理学的に解き明かす安楽椅子探偵ものです。
    全体的に緩い雰囲気で、日常の謎を煙に巻くような推理が楽しいです。それなりの巧さや面白さはあるものの、予定調和な真相ばかりだったのでやや物足りなかったです。

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著者プロフィール

1962年静岡県生まれ。日本大学藝術学部演劇学科卒業。1994年、『日曜の夜は出たくない』で倉知淳として小説家デビュー。1997年、『星降り山荘の殺人』で第50回日本推理作家協会賞(長編部門)候補。2001年、『壷中の天国』で第1回本格ミステリ大賞(小説部門)受賞。2002年、「桜の森の七分咲きの下」で第55回日本推理作家協会賞(短編部門)候補。

「2013年 『シュークリーム・パニック ―Wクリーム―』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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